書評『漢民族こそ歴史の加害者である』   宮崎正広

■東アジア最悪のト「ラブルメーカー」は、あの国だ 千年不変の「被害者」って、千年不変への「加害者」じゃないのか

  
<石平『漢民族こそ歴史の加害者である』(飛鳥新社)>


事大主義、裏切り、告げ口外交。酷薄な身内の勢力争い、残酷な処刑、そして壮大な裏切りの数々。


なにも、これは戦後の韓国が日本に対してなしてきた「歴史の業績」ではない。太古の昔から、朝鮮半島は周辺諸国に、おなじことを繰り返してきた。数千年にわたって民族に染みこんだDNAなのである。


石平氏が初めて、この裏切り半島の歴史に挑んだ。新分野の開拓とも言えるが、みごとに成功した。わかりやすく、重要文献をうまく選択したうえで、こまかく消化しながら、大事なポイントをすばやく拾い、そして連綿として続く事大主義の国民性が、まったく面妖な、あやふやな半島の歴史を築いたとする。


もとより、中国人から聞かした石平氏には日本人のチャイナウォッチャーが感知してない微妙な中国人の心性が判るがゆえに視点が新鮮かつ独自的である。


彼はこう言う。


「東アジアの歴史の中で、周辺の国々を恒にトラブルと紛争に巻き込み、多大な迷惑を掛けまくってきたのは、他ならぬ半島に住む韓民族なのである。時に自らが侵略者となった、他国に大きな被害を与えたのも半島国家の真実である」。


私事ながら評者(宮崎正広)は遼寧省の瀋陽から吉林省集安という街へ行ったことがある。詳しい行程を思い出せないが、ともかく瀋陽からまずバスで五時間。通化へ着いた。この「通化事件」の現場は、日本人三千名が虐殺された場所で、カメラ片手に市内を歩き回った。通化事件を再現する目的だったが、いまはそのことは措く。


通化で宿泊した翌朝、またバスで二時間ほどかけて北朝鮮との国境のまち、集安に入った。むろん、北朝鮮との国境を視察したが、もう一つ歴史的に重要な場所がある。高句麗の王朝跡が集安のあちこちに残るのである。


高句麗が平壌へ遷都するまでの二百年間、この地に王城があって、城が築かれていたのだ。


高句麗は現在の中国東北部にどっかと居座り、数百年つづいた王朝である。いまや世界遺産にも登録されたのが「好太王碑」である。そして将軍塚や丸都山城も残骸が残るが、市内には国内城跡が、石が積まれただけで残っている。


この場所を探すのに地元の運転手さんも知らない。何度も付近の人に道を聞きながら一時間ほどあっちこっち行ったり来たり、ようやく見つけたが、田圃の真ん中。看板が小さく、しかも、「これが歴史的遺物か?」と思われるほどに目立たない石碑と石を積み重ねただけの遺物があった。


付近の住民はだれも、この遺跡の由来を知らないのだ。


つまり、現在中国吉林省にある高句麗王朝の跡など、中国にとっては邪魔な遺物、かつて朝鮮王朝がこの地を治めていた事実など知られたくないから観光資源にしないのである。


白村江は石平氏によれば、「日本が二階にあがっているうちに梯子を外されてしまった」という典型の事件だった。そして日本が闘った相手は、この高句麗だった。


この経緯に関して、日本人の多くが知らなかった歴史的事実の開陳が本書にある。


石平氏は、まず「白村江」の闘いの時代背景を克明に追求し、助けをもとめにきた百済は、二枚舌、三毎舌を駆使したあげくに、日本の高僧と、当時日本に人質としてきていた豊章王子との縁戚関係を利用して、ついに中大兄皇子は王子を百済に送還するとともに多数の援軍を送った。しかし日本は敗北し、逃げ帰ってくるのだが、こともあろうに裏切ったのが、日本に援軍を求めてきた王子だった。


この基本構図はまったくそっくり、何かに似ている。


そう、日本をこっぴどく批判し、「千年の恨みは消えない」と言ったかの国の大統領は中国に媚びてハルビンにも伊藤博文を暗殺したテロリストの記念館を作りたいと言い、認めて貰うが、米国から厳重に北朝鮮問題での攻撃をうけると、さっと身を翻す。


米軍のミサイル防衛体制に加盟するかといえば、在韓米軍の指揮権は継続して欲しいと米国に懇願する。くるりくるりと立場がひっくり返る。その矛盾を矛盾だと感知できないあたりも、過去の指導者のメンタリティにそっくりだ。


似ている。ほんとに朴権恵大統領は、突然の反日家、変わり者ではなく、過去のパターンをそっくり繰り返していたに過ぎない。
 

元寇も、もともとは韓民族の事大主義、告げ口外交が膨らんで、自爆するかのように、自らが日本侵略の先兵となりますとフビライに媚びた結果だった。


日本の時の執権、北条時宗は弱冠二十代の指導者だったが、フビライの遣いで日本にやってきた朝鮮人使者の口上を聞きながら、そこに大嘘、矛盾をたちまちにして捉えた。


時宗は、太宰府を中心に当時博多に多くいた南宋の逃亡者、亡命者から広く情報を集め、じつは元の皇帝の動きと、半島の反応、華南へ落ち延びた南宋の人々の認識の齟齬、情報の乖離を分析するインテリジャンスがあった。


ところが十年ほど前だったか、大河ドラマとなった『北条時宗』を偶然みていたときに「世界秩序」を築こうとするフビライハーンに逆らう時宗の行為は「日本の国益に反する」などと言う登場人物の台詞を聞いた。


戦後の自虐史観の象徴、後智恵を滔々と喋る日本人がいたことにたいそう驚いた。史観の逆転がおきて、時宗を批判する勢力がまた頭をもたげていたからである。


さて本書を通読して、石さんが中国問題を国内的な視点からばかりではなく朝鮮半島の厄介で複雑な歴史の扉を強引に大胆にこじ開け、広範なパースペックティブに立脚した世界史を語り始めて、新しい地平を拓かれたことを認識した。新地平の開拓の成功を祝したい。

 
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| 宮崎正弘 | 19:03 | comments(1) | trackbacks(0) | pookmark |







米共和党、トランプ候補の指名獲得が確実に   宮崎正広

■トランプで結束できるか否かで勝負は決まる?


5月3日、トランプは苦戦を伝えられたインディアナ州で、クルーズ候補に大差を付けて勝った。これを受けてクルーズが撤退を表明し、事実上、共和党の大統領正式候補にトランプが確実となった。


共和党中枢にはトランプ排撃の動きがのこるものの、反トランプで独立候補を立てようとした動きは沈静化し、党幹部らは「トランプで一本化し、協力体制を敷かなければクリントンに負ける」として、協調体制を呼びかけ始めた。


しかし共和党支持者のなかで、トランプを嫌い、「クリントンに投票する」という人々が相当数いる。またワシントンはほぼ完全にトランプというアウトサイダーに対してそっぽを向いている。ウォール街は「勝てる候補に乗り換える」特技があるので、やがて、トランプ陣営へ馳せ参じるだろうと見られる。


同時に民主党にも、「クリントンになったらトランプへ入れる」という、嘗ての「レーガンデモクラット」のような一群の人々がいる。


どちらが多いか。


「好感度調査」で、クリントンが意外に嫌われている数字が、過去一年間まったく変わらないばかりか最近は増えている現象がみられる。


これを「ガラスの天井」というが、はたしてヒラリークリントンは、このガラスの天井を突き破ることが出来るか。


次の米大統領選挙はもはや 共和党 vs 民主党 という図式でははかれない、異常な事態となっている。


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| 宮崎正弘 | 09:34 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







書評『若い有権者のための 政治入門』   宮崎正広

■誤解は「デモクラシー」と「民主主義」としたところから始まった リンカーンの演説も誤訳「人民を統治する政府」が正しい。

  
<藤井厳喜『若い有権者のための 政治入門』(勉誠出版)>


政治学者の藤井厳喜さんが、18歳から投票権が付与される次回選挙を目前にして、やさしい政治入門書を書かれた。


「選挙に行く前に知っておきたい常識の総まとめ」とキャッチコピィにも謳われており、政治のイロハから説き起こし現実の世界情勢のリアリティを前に何が判断材料となるかを、懇切丁寧に解説してある。若い有権者は必ず手にとって欲しい本である。


さて、入門編だから平明だが、じつは通読して、たいへん大事なポイントを列記され、時代に即した解説が付与されていることには驚かされる。


そもそもデモクラシーが「ミンシュシュギ」と訳されたことは誤訳であると藤井さんは問題を提議するのだ。


デモクラシーとは評者(宮崎正広)流解釈では「下克上」のことである。藤井さんは、デモクラシーは「民主政治」と翻訳されるべきだったと批判され、こう付け加える。


「国家の統治形態」を区分けし、アリストララシー(賢人政治)、ビューロクラシー(官僚政治)、そしてオートララシーは独裁政治、ついでに卑弥呼時代の神権政治は、「セオクラシー、金権政治は「ティモクラシー」と政治学では定義している。


ところが主義(イズム)というのは思想的イデオロギーだから「民主主義」ではなく、ただしくは「民主政治」と言うべきだと、基本の基本を説かれる。


リンカーンの「人民の人民による人民のための政治」というのも、誤訳である。正しくは「人民を統治する政府」となる。


日本外交の基幹に或る「国連」も面妖きわまりない対象でしかないとして、藤井さんは続ける。


「今の世界には統一した法の執行機関は存在しません。要するに、国家の上に位置する世界政府みたいなものは存在しない(中略)。国際法では、あらゆる条約は全て暫定協定であるという考え方」を基盤としている。


憲法に関しても、占領基本法でしかない現行憲法を平和のシンボルのようにありがたがっている日本人の国連信仰とかの、面妖なる考え方は、平和カルトであるという意味のことも最後に付け加えられているが、このあたりに、藤井さんがもっとも言いたかった主張の伏線が潜んでいる。


入門編とおもったらトンでもない、平明にかかれた政治のリアリティ解説になっている書物だった。


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| 宮崎正弘 | 01:06 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







英紙『フィナンシャル・タイムズ』も中国を見限ったようだ   宮崎正広

■来年の党大会前後に中国経済崩壊の山場がやってくるだろう


英紙『フィナンシャル・タイムズ』もついに中国経済を見限ったようだ。


というのも、4月30日付けのコラムに寄稿したジョージ・マグナス(USB顧問)のコメントを読んで、「?」。


まさにキャメロン政権の中国寄りスタンスとは百八十度異なって、近未来の中国経済に悲観的、いや絶望的でさえあるからだ。
 

マグナスはいう。


「中国経済の絶頂は2011年だった。世界第二位の高さを誇る上海タワー(632メートル)がピークを象徴する。そして不動産バブルがはじけ、下降が始まった。


地方政府などに債券の発行を認め、急場を凌いだ。シャドーバンキングを黙認し、生命保険の資金などを使って梃子入れし、銀行の不良債権比率を低く見せかけ、架空の信用創造を築いてきた中国経済だが、遅かれ早かれ、終わりを告げる。問題は、これが世界経済に与える悪影響だ」。


そして次のように続けた。


「貸し付けのベースは経済成長の四倍、債務の転がしが17年の党大会まで続くかも知れないが、すでに大量の失業、暴動の頻発によって習近平政権の権力は基盤が崩れ始めている。


このうえ、経済の不安定化が続くとなれば、政権はますます不安定となるから、大量失業、業界再編の大鉈(なた)ばかりか、銀行、大企業の倒産を認めるという路線のシフトが早晩おこるであろう」(同コラムより要訳)。
 

日本のマスコミは習が権力基盤を固めたと書いているが、実態は逆である。なによりも、それを象徴する事件は「任志強」事件だろう。


任志強は「中国のトランプ」を言われ、不動産ビジネスで当てたが、共産党中枢を批判するので「任大砲」とも呼ばれた。彼のブログは3700万人のフォロアーがいて、共産党をぼろくそに批判するごとに中国の庶民は溜飲を下げた。
 

 ▼任志強事件が意味するのは権力状況が星雲状態化していることだ


任志強は習近平がマスコミの幹部を集め「党の方針通り、マスコミ論調を堅持せよ。党とは異なる報道をしてはならない」と言った。すると、「党が報道を統制するなど、笑止千万」と強い批判を展開し、ついにブログは閉鎖された。


5月1日に、かれは「一年間の観察処分」とされた。


党を批判した知識人は「十年以上」も監獄に入れられるのに、なぜ拘束もされず、任志強は、逮捕も取り調べも受けずにたった一年間という「観察処分」に付されたのか。「軽すぎる」のではないか、と訝る声があがる。


じつは任志強は反腐敗キャンペーンの中心的推進者である王岐山と近く、また彼は曽慶紅に近い。曽慶紅はいうまでもなく江沢民派の重鎮、元国家副主席。しかも習政権を誕生させた最大の功労者である。


曽は太子党の強力な領袖でもある。


つまり、曽慶紅に繋がる人脈に習近平は鉄槌をおろせない。習の権力基盤は逆に脆弱となっており、こうした権力状況を把握しているからこそ、任志強は随分と大胆な発言を繰り返すことが出来たのである。


党大会前に人事抗争はもっと荒れるだろう。


しかし、その前に、人民元の暴落が開始されるだろうが、前出マグナス論文はそこのところを曖昧としている。


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| 宮崎正弘 | 00:54 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







香港の「言論の自由、最後の砦」   宮崎正広

■『明報』の編集長解雇 とうとう香港からも、「言論の自由」は消えてゆくのか


さきに銅鑼湾書店事件があった。習近平のスキャンダルを暴くと、こうなるぞという脅しを香港の言論人にかけた。


大陸で四名、経営者はタイのリゾートで拉致され、数ヶ月後にテレビにその経営者が現れて『謝罪』した。ところが会見中の画面、三回も着替えをしている。つなり、合成のフィルムである。


中国共産党お得意の偽造文書、偽造写真のたぐい、受け取る側も、この謝罪会見のインチキは見抜いている。


香港で出ている『明報』は「香港のウォールストリートジャーナル」として国際的な評価が高く、また中国共産党に対してひややかな論調を維持し、天安門事件評価、そして「パナマ文書」では党幹部らの不正蓄財を報じた。


パナマ文書を『明報』が伝えると、習近平執行部はいよいよ危機感を強め、各界に圧力を駆けて羹国元編集長(ペンネーム=安裕)を解雇するという挙にでた。


いちはやく国際ニュースとなりBBC、ボイスオブアメリカなどが報道した。


『明報』は1959年に金庸が送還した老舗のメディア、経済報道が基軸で、ウォールストリートジャーナルや、日本経済新聞、フィナンシャルタイムズなどと比較された。


国際的なもののみかたが香港の知識人、学生から支持を集めてきたが、習政権になったから無言の圧力、広告主への圧力などがつづき、14年にも編集幹部が突如更迭され、15年には編集部員が襲われ、瀕死の重傷を負うなど、党との対立は続いてきた。


この間、たとえば石原慎太郎元議員が「日本にA級戦犯などいない」と発言すると「日本の極右」などと報じたこともあり、日本へのスタンスは英米同様な東京裁判史観である。


さきにも『りんご日報』が嫌がらせを受け『雨傘革命』最大の胴元でもあった黎智英(りんご日報社長)の自宅には火炎瓶が投げ込まれるなど不穏な空気がただよっていた。


中国のネットではパナマ文書は「倒習信」と暗号化され、習政権を倒すほどのメッセージという意味が込められた(「信」はメッセージ、文書、手紙などの意味)。


「パナマ文書」に関する限り、中国国内では検索も出来ず、一切の報道はないが、以前に指摘したように、庶民は海外華人、華僑などとの交流から、ほぼ概要を掌握しているようである。


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| 宮崎正弘 | 12:10 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







カフカスのIS、ロシア国内にテロ出撃拠点を構築か   宮崎正広

■2006年以後にイラクに秘密のセクトが誕生したように


以前にも報じたが、北カフカスから徴兵適齢期の若者が数千人という単位で蒸発している。


北カフカスの諸地域にはモスクワの統治に従わないチェチェン、イングーシュ、タゲスタンなどが含まれ、彼らはソ連時代から凶暴なマフィアとして地下経済に従事し、ロシアにとって最も脆弱な下腹部を構成している。


ロシア情報部の調査では、ロシアとカザフスタンの国境付近にISのアジトが発見されているうえ、ウクライナでもテロ出撃直前の過激派が逮捕されるという事件が続いて起きている。


FSBはすでにロシアの大都会、ボルゴグラードへのテロ出撃拠点が北カフカスのどこかの村に構築されたと判断している。


それはパラソブカ村近辺として特定を急いでいる(STRATFOR、4月14日)。同村は人口僅か15000名の寒村。


またエカテリンブルグヘのテロ攻撃を仕掛けようとしていたテロリスト容疑者をFSBは拘束しているが、これらの動きからISが近いうちにロシア国内で自爆テロを仕掛ける準備をしているものと事前の警告を発するに到った。


ウクライナで拘束されたISのメンバーは25名、このうち19名がロシア国籍で、いずれもシリアの軍事拠点からトルコを経由したウクライナに入国していた。


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| 宮崎正弘 | 09:20 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







ロシア、北カフカスの兵士募集に異変   宮崎正広

■徴兵名簿にある若者の数千名が「蒸発」していた!


IS(イスラム国)の戦闘部隊の中枢は凶暴性、残虐性で世界に悪名高きチェチェン人である。


ロシアはチェチェンの反乱に懲りて、ようやく武装組織を鎮圧したが、戦闘集団の多くのメンバーがシリア、イラクへ移動していた。


このためロシアは過去二十年間、チェチェン、イングーシュ、タゲスタンなど少数民族地域からの徴兵を中断してきた。


この二十年の間に新しく育った若者で、徴兵適齢期に達したものは8万6千人にも上ることが判明し、失業対策の一環としても、そろそろこれらに地域からの徴兵を再開する方針を固めていた。一部の地域では実際の徴兵を開始した。


ところが徴兵再開の動きを察知した若者は蒸発するとか、反政府武装グループに身を投じるなど、反対の動きも活発化し、ロシアで新しい頭痛の種となった。


第一にチェチェン、イングーシュ、タゲスタン出身の兵士に対してロシア連邦軍のなかに明白な出身地差別があった。


第二にロシア人の若者が兵役を嫌い、また両親が子供らを戦場におくることを極度に嫌がる社会風潮ができあがったため軍の中の秩序に新たな変化が起きていた。


第三にチェチェンから徴兵に応じた若者が僅か500名、ダゲスタンでは、徴兵適齢の若者のうち、1800名しか居住しておらず、2000名が「蒸発」していた事実などから
 

ロシア軍のなかで依然として少数民族への差別が顕在化していることを物語る。


いまのロシア国民の意識は、かつて「大祖国戦争」のためには兵役に馳せ参じつといった、ソ連時代のメンタリティとは、まったく異なってきたこともわかる。


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| 宮崎正弘 | 16:19 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







ソロス、またまた中国に深刻な警告。「いずれ破局を迎える」   宮崎正広

■資金注入は「放物線サイクル」を描き、年内に激しく直地するだろう


ソロスがまた吠えた。


4月22日、ニューヨークで開催されたアジアソサイアティで記念講演に立ったジョージ・ソロスは「銀行預金より貸し出しが多い」という初歩的な疑問から「中国が銀行間の貸しだしをしなければならない現状は『不安定』と『不確実』な状況をさらに悪化させる」とした。


16年があけて、第一四半期だけでも4兆元を市場にぶち込んだが、裏付けとなる国債をだしたわけでもなく短期政府証券をだしたわけでもなく、外為の相対取引はなかった(というより外貨準備は同時期に大幅に減ったのだからドルと人民元の相対取引で国内に人民元を供給することはできない)。


つまり『裏付けのない貨幣をばらまいた』ことになる。


三月だけで、新規貸し出しは2兆3400億元(邦貨換算=42兆円強)。主目的は不動産バブルをいま一度煽るためであろう、と推測できる。


国有銀行のかかえる不良債権を表面化させない目的と倒産寸前の企業にカンフル注射を打っているわけだ。

「このような潜在的不良債権の水ぶくれは、危機をますます深化させて行くだろう」とソロスは警告を続けた。


「不動産価格を無理矢理上昇させる行為は、放射線上に投げた物体がいずれ着地するように、いまより深い傷となることは明白だ」とソロスは例え話をつづけ、米国のサブプライムローンの破綻と酷似するパターンが、ますます悪化をつづけてゆく、とした。


2016年3月末の中国外貨準備は3兆2100億ドル、過去一年間に中国から去った外貨は5170億ドル。
 

中国は明確に外貨流失を阻止する規制を強化している。


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| 宮崎正弘 | 16:06 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







「パナマ文書」、じわり共産党幹部に逆風   宮崎正広

■海外家人はみんな知るところとなった。情報は否応なく国内に


「パナマ文書」(巴拿馬密件)に関して一切の報道を禁止している中国だが、じわり庶民のしるところとなっている。


海外メディアとの接点は、新式のソフトが普及しており、海外で報じられているパナマ文書の全容が口コミで知れ渡ったようである。


パナマの法律事務所のデータをハッキングして南ドイツ新聞にもたらされた秘密ファイルは1100万件もあるが、じつに30%が中国人なのである。


ところがICIJ(国際ジャーナリスト連盟)に中国のメディアが一社も加盟していないため「解読」が遅れている。


偽名を含む中国人の名前はアルファベットで綴られているため、これを漢字名を当てて人物を特定する作業が遅れている。


しかも偽名が多いので、特定がさらに難しい。


それでも一部が判明した。


複数の華字紙が伝えているが、曽慶紅(元国家副主席)の名前が挙がってきた上、現職の政治局常務委員では張高麗、劉徳江がほぼ特定されてきたようである。


まず序列七位、張高麗の女婿、李聖溌が英領バージン諸島に三つのペーパーカンパニーを登録しており、これらはZENONN CAPITAL MANAGEMENT、SINO RELIANCE NETWORKS CORP、そしてGLORY TOP INVESTMENT社である。


劉徳江は息子=劉楽飛の妻子がやはり英領バージン諸島にULTRA TIME INVESTMENTで、妻の賈麗青は、前の公安部長、賈春旺の娘である。


曽慶紅の弟である曽慶准はサモアに会社を登録している。


前政治局常務委員の賈慶林は外孫の李紫丹が海外オフショアに企業登録。


失脚した薄煕来の妻、谷開来がフランス人建築家パット・アンリ・デビルルを通じてフランスに豪華別荘を購入していた事実は以前から判明していた。


胡耀邦の三男、胡徳華はやはり英領バージン諸島にFORTALENT INTERNATIONAL HOLDING社を登録していた。


毛沢東の外孫の女婿、陳東升も同島にKEEN BEST INERNATIONAL社を。


習近平は実姉の夫君、登家貴がやはり英領バージン諸島に会社登録をしていたが、2012年11月、習が総書記に就任した時期に、登録を抹消した。


パナマの法律事務所「モサック・フォンサカ」一社だけでも、中国のVIP家族16300人の口座を受け持ち、オフォショアへの会社登録を行った。


これらオフショア企業への送金額は、1200億米ドルに達していると、中国人民銀行も把握しているという。


中国共産党は、国内への波及を恐れ、言論統制を行い、「巴拿馬密件」(パナマ文書)と検索を掛けても一切の情報が無いが、今後の問題は海外華人、華僑が里帰りしたり、私的な電話やメールなどでほぼ全容が国内では知られていると見ている。


つまりパナマ文書の影響は、これからじわり中国共産党の中枢を揺らすことになる。


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| 宮崎正弘 | 08:57 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







NATOの中枢へロシアが軍事的橋頭堡建設の世論つくり   宮崎正広

■セルビアで57%がロシア軍地基地の解説構想に賛意という世論調査


昨秋、ベオグラードの街を歩いていた時、あちこちの屋台にプーチンのTシャツを売っているのを見つけた。「8ユーロ、一銭も負けない」と言われたので、買うのは止めたが、結構な売れ行きである。


おそらくセルビアだけだろうが、バルカン半島の旧ユーゴスラビアで「反米」の旗幟鮮明である。


たとえばマケドニア、モンテネグロ、コソボでは親米、それも通りの名前が「クリントンアベニュー」とか、アルバニアの都市にはブッシュ大統領の銅像が建っていた。


それはそうだろう、アルバニア系住人の多いコソボを、NATOの空爆でセルビアを敗北に追い込み、まんまと独立を勝ち取ったのだから。アメリカ様々だろう。


コソボは国連加盟、ただしロシア、中国などはいまもって独立を承認していないから「未承認国家」といわれる。国内はユーロが法定通貨となっている。


マケドニアも反ギリシア感情が強く、その分親米的である。
 

他方、セルビアはユーゴ戦争で、一方的な敗者となり、悪者としてミロセビッチ、カラジッチが裁かれ、おなじく虐殺をおこなったボスニア武装勢力もクロアチアもその戦争犯罪は不問に付された。


セルビアが負けたのはNATOの空爆だった。


セルビアがいつか復讐を誓ったとしても不思議ではない。げんにベオグラード旧国防省のビル、内務省、公安部のビルは空爆されたままの残骸をいまも意図的に曝している。あたかも原爆ドーム、あれはセルビア人の心境を象徴的に表している。


そしてセルビアの世論調査の結果がでた。


57%の国民がロシアの軍地基地を領内に開設することに賛意を表し、64%がロシア外交を支持した。この調査は非政府系「欧州大西洋リサーチセンター」が行ったもので、民意をほぼ正確に伝えていると判断して良い。


地図を開いてみれば判然となる。


セルビアにロシアが軍事基地をおくということは、NATOの最前線ブルガリア、ルーマニアの「頭越し」、中欧のど真ん中、つまりNATOの中枢へ軍事的橋頭堡を建設するという意味である。


クリミア併合、ウクライナ問題での西側のロシア制裁の意趣返し? ロシアのプーチン大統領、いまの意気軒昂である。

 
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| 宮崎正弘 | 16:36 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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