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不況にあえぐポルトガルと産油国景気に沸くアンゴラ  宮崎正弘
ポルトガルの旧植民地アンゴラにおけるトレーディングプレィス異変。アンゴラがポルトガルで、ポルトガルがアンゴラという文明の逆説。

アンゴラは2010年にアフリカ最大の産油国になった。ナイジェリア、スーダンは政情不安、リビアには政変がおきた。

アフリカ第四位の産油国が、一位に躍進し、首都ルアンダには摩天楼が林立し、そしていわずとしれたチャイナタウンの活況がある。すでにアンゴラで発行されている華字紙は四紙。

トレーディングプレィスとは地位の逆転(TRADING PLACE)ポルトガルの旧植民地だったアンゴラの経済的躍進は、逆転現象という数々の異変をもたらした。

アンゴラは奴隷の積み出し港だった。カリブ海の中継地に運ばれ、アメリカ大陸へ大量に奴隷が送られた。

状況は真っ逆さまになった。いまは不況にあえぎ、高い失業になやむポルトガルから多くの出稼ぎがルアンダで就労している。原油が状況を変えたのだ。アンゴラがポルトガルで、ポルトガルがアンゴラになった。

アンゴラの外貨準備高は240億ドル。ただし一日2ドル以下で暮らす貧困層が国民の三分の二をしめ、富は一部に独占されている。

国連の人権ランキングは148位。そのアンゴラの国営産油企業はポルトガルの有力銀行「ミレニアムBCP」の最大株主である。アンゴラがポルトガルの総合メディア「ゾン」の10%株主になっている。

▲旧植民地に土下座するのも厭わない

数百のポルトガル企業はルアンダに営業拠点をかまえ、ポルトガルの大学をでた若者が働き、いまや在アンゴラ・ポルトガル人の数は91900名(03年は21000名だった)。 

「旧植民地アンゴラから金融支援を仰ぐ」目的があるか、どうか。ポルトガルの首相ペデロ・パソス・コエルホは11月18日に首都ルアンダを訪問し「アンゴラからポルトガルへの投資を歓迎する」と熱烈に述べた。

対してドス・サントス(アンゴラ大統領)は、「ポルトガルが経済的苦境に直面していることを理解している」と述べ、救援の用意があると嘗ての宗主国の首相に言った。

ポルトガルは1050億ドルの金融救済を国際社会に依存し、そのキャッシュ払底ぶりは深刻、旧植民地に土下座するのも厭わないほどである。

杜父魚文庫
| 宮崎正弘 | 14:44 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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