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キッシンジャーの「眼鏡」 岩見隆夫
誰が何を語るか。誰の発言が示唆的か、を注視する。今週は元米国務長官、<外交の巨人>と言われたヘンリー・キッシンジャー博士(以下、キ博士)だった。

88歳である。15日夜、テレビ局(BSフジ)のスタジオにつえをつきつき現れたのを見て、今昔の感があった。私が初めて実物に接したのは1973年9月、ニューヨーク国連本部の記者会見室だった。屈強なシークレットサービスたちに囲まれ、ぎらぎらと輝いて見えた。

しかし、老いたとはいえ、舌は滑らかだ。親交が深かった宮沢喜一元首相は、<実務家としての手腕ともうひとつ、相手の立場になってものを考える「エンパシー」(共感、感情移入)といわれる能力がある。

彼はユダヤ人だが、その種の能力は多分ユダヤ人と、それから日本人だけが持っている特質ではないか。生粋の英米人は自分の思想なり信仰なりが強く出すぎて、相対的なものの考え方を認めない>(宮沢著「戦後政治の証言」)と書いているが、この夜もキ博士の話には対日エンパシーが十分に読み取れた。

−−東日本大震災の前と後。
「日本のみなさんは深く国のことを考えるようになった」

−−日米関係、普天間。
「今は良好。若干のギクシャクがあったが克服された。平均的なアメリカ人は沖縄の基地がどこにあるか知らない。日米は将来の戦略的な関係について、共通の視点で見ている」

−−TPP(環太平洋パートナーシップ協定)。
「日本ではほとんど農協問題、アメリカではアメリカとアジアがつながっていると示すのが目的だ。日本の首相がこれをどう表現するか」

−−中国封じ込めの意図は。
「私は中国に行った最初の米政府高官だ。中国を孤立させるなら支持しない。ゆくゆくは中国も平等のパートナーとしてTPPに入ってくる」

米中、日中論がしばらく続くが、中国へのエンパシーもにじみ出る。中国びいき?ついで、半世紀以上の付き合いになる中曽根康弘元首相との対談。誕生日が同じ5月27日、中曽根が5歳年長だ。

主題は世界を揺さぶるインターネット情報の功罪。キ博士が、「私はあまり活発なユーザーではない。孫をがっかりさせている」

と言えば、中曽根も、「私も使っていない」

功罪について、キ博士は、「バラバラの情報をすぐ入手できるが、知識、英知までもっていくのが課題だ」

と言う。中曽根が、「情報自体には行動させる力がない。日本はアメリカに比べて貧弱だ。情報を活用する情報省のような本部がない」

と情報小国・日本に触れると、キ博士も応じた。

「確かに印象として、(日本の)収集能力は優れているが、どう活用するか、判断できない。言語の問題もある」

しかし、キ博士は言おうとして避けた問題があるはずだ。情報漏えいである。72年8月の米ハワイにおける日米首脳会談。冒頭、キッシンジャー大統領特別補佐官が立ち、

「これからベトナム情勢の説明をするが、日本はすぐに情報が漏れる。注意してもらいたい」

とクギを刺すと、田中角栄首相がすかさず、「それなら聞かなくていい」

と言ってのけた。キ補佐官もニクソン大統領も仰天する。しかし、この田中発言だけはしばらく漏れない。情報管理がゆるい実態は今も続いている。(敬称略)

杜父魚文庫
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