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「たばこ発言」のその後 岩見隆夫
たばこと政治家の話である。

最近の統計によると、喫煙人口は下降線をたどっているが、それでも、成人男子の3人に1人、男女合わせると4人に1人が吸っている。ざっと2200万人、小さい数字ではない。

一方、たばこ論争は、ほぼ言い尽くされた。分煙主義で折り合ったとみていい。喫煙人口はさらに減るかもしれないが、強制力でどうなるものでもない。

そんな時、新任の小宮山洋子厚生労働相によるたばこ値上げ発言が飛び出し、世間を驚かせた。独特の笑みを浮かべながら、

「1箱700円台まで上げても税収は減らない」2200万人がカチンときたのは間違いない。去年、値上げしたばかりじゃないか、と。

私もそうだが、喫煙者は頭(ず)を低くしている。極力ご迷惑をかけまいと、分煙による<控えめ喫煙>が定着した。戦後社会で、これほどの集団的自己抑制は例がない。

唐突な小宮山発言は尾を引いている。女優の淡路恵子(78)は60年間1日3箱のヘビースモーカーだが、「愛煙家通信No.3」(ワック・11月刊)のインタビューで、

「あの(小宮山発言の)テレビを見てものすごく腹が立ったんです。あんな嬉(うれ)しそうにニコニコして、1箱700円が当然みたいに言われるとね、ムカムカムカムカ、この怒りをどこへぶつけようかしらと思いましたね」

インタビューには<たばこは私の6本目の指>という題がついていた。

淡路の怒りは喫煙者のいわば民意である。それをどこまで察し、くみ取って発言するか、という政治家のセンスが問われているのだ。

ところで、政治家とたばこ、いろいろ逸話が残っている。葉巻は吉田茂元首相のトレードマークだった。終戦間際、吉田は戦争終結のため活動したとして憲兵隊に連行されたことがある。その場にいたお手伝いに、

「葉巻に気をつけろ」と言い残した。それを聞きとがめ、翌日、また憲兵隊がやってきて、葉巻を箱ごと押収、バラバラにほぐして調べたあと、燃やしてしまったという。

葉巻の中に機密書類でも隠してあると思ったらしいが、吉田が言ったのは、「大事に保管しろ」という意味だった。

橋本龍太郎元首相も愛煙家で知られた。村山政権発足まもない94年7月のナポリ・サミット。不慣れな村山富市首相を補佐して、橋本通産相が走り回る。

米通商代表部(USTR)のカンター代表とも会談、別れぎわにカンターが、「次はワシントンで会いたい」と言うと、橋本はこう切り返した。

「ワシントンは好きじゃない」
「……?」
「ワシントンでは、たばこが吸えないじゃないか」
「君が来るなら灰皿を用意しておくよ」
「それなら行こう」

ワシントンでの再会は同年9月。しかし、自動車交渉が難航し、険悪な空気になる。橋本は、「だって、カンターさん、あなた私との約束を守っていないじゃないか」

と灰皿の約束を持ち出し、一転、日米双方大爆笑になった。しかし、灰皿は届かない。

「USTR中探し回ったが、灰皿はない。すまないけど」と出されたのはコーラの空き缶だった。

長い歴史が、たばこにはある。小宮山はたばこ嫌いで通っているが、だからといってたばこ好きを切り捨ててすむなら、政治は簡単だ。(敬称略)

杜父魚文庫
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