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香港誌が「不動産はもう買うな」  宮崎正弘
ジム・ロジャーズ「不動産バブルの崩壊? そりゃ、投資の世界。ありうることさ」。香港誌『NEXT』が「不動産はもう買うな」と警鐘を乱打している。

香港の不動産価格が、不思議なことにまだ上昇していた。平均年収の十一倍というのが相場。過去2年で70%近くも価格が跳ね上がり、庶民はまったく手が出せない。

96年香港返還直前まで、香港の不動産価格は値崩れを引き起こし、どん底だった。共産党が香港を回収し、人民解放軍が駐屯し、恐怖政治が始まるとして、金持ち階級は、財産を売りはらい、カナダ、豪州、米国へと逃げた。96年あたりまで不動産は投げ売りだった。

カナダのバンクーバーはホンクーバーと呼ばれるほどに香港人でいっぱい、サンフランシスコのチャイナタウンは興隆をきわめ、ついには市議会に中国系議員が六名、市長もチャイニーズ・アメリカンである。

香港は英国植民地だったので、英国の市民権が25万人ほどに与えられた。かれらは一切の財産を処分して、ロンドンへ飛び立った。

▲返還後、予測をこえる現象がおきた

96年、香港返還。その後、「一國両制度」が意外に守られて、90年代になるとぼつぼつと亡命先から外国人パスポートのまま香港へ帰国しビジネスを再開する人らがめだち、不動産価格が上昇に転じる。

中国のソフトな戦術が功を奏したと言えるかも知れない。

考えてみれば香港の経済特色は金融と不動産、製造業は軽工業、繊維くらいしかなく、あとはサービス産業である。したがって香港財閥というのは戦後しばらくは海運業からはい上がった人たちが多かったが、やがて不動産で大もうけした人々が輩出する。

海運業は寧波人脈。繊維産業は上海人脈。地元香港の多数は広東人だから、香港へ共産党の圧政からのがれて流入してきた人々を嫌った。

ただし、こういう流れ者は、いずれ何処かへ移動するだろうから、香港の不動産ビジネスには本格的にのめり込まなかった。

香港財閥一位の李嘉誠率いる『長江実業』は不動産開発でなりあがり、以下、新鴻基、新世界、ヘンダーソンランドという「四天王」とシャングリラ集団の郭一族が、世界でも指折りの金持ちとなる。香港ドリームの実現である。

そして李嘉誠もヘンダーソンの李恒基も新世界の鄭前会長も広東人である。

この頃、筆者は年に数回ほど香港へ通っていたので、上記ビジネスエリートの、李嘉誠をのぞく全員とインタビューしたことがあり、またマンション販売の現場を視察してきた。

条件の良い物件は競争率が数十倍。権利をおさえた人はその場で、業者に転売していた。香港人の株式投資のスタイルは独特で、朝買って、株式があげればすぐに売って、昼飯代にする。ディ・トレードにサラリーマンばかりかOLも主婦も学生も参加しているのである。

▲流れはこうやって変化していた

2000年代となると、中国大陸から本格的に投機マネーが香港に流入する。なにしろ年間1500万人が、中国各地から香港へ「観光」目的の投資ツアーと買い物にやってくる。年間1300万人がマカオへ博打にやってくる。

そして次の流れが生まれた。

第一に香港に残った人たちは、香港の不動産購入をあきらめ、隣の深センのマンションを買い始める。十分の一の価格、そして深センから香港へ逆通勤をする人が、なんと二十数万人となったのだ。
 
第二に香港の国際金融都市という機能に目をつけた、巧知な共産党幹部、とりわけ地方のボス、太子党が香港にダミー会社を陸続として設立する。

香港は法人税が上限16・5%、ここに曖昧な会社を登記し、さかんに資金洗浄を行い、さらにそのあぶく銭で、不動産投資を始めたのだ。

第三に共産党支配の恐怖が消え、逆に香港が稼ぎ場という奇妙な自信が生まれる。これは香港をむしろ資金洗浄のツールとして利用する共産党幹部のビジネスマナーを目撃してから香港人が本能的に得た実感的教訓だろう。
 
かくして香港の不動産市場は、実需とは無縁の、ギャンブル場と早変わりし、過去二年で70%も上昇した。2011年第一四半期だけで24・2%もあがった。

▲強圧的金融引き締め効果がじわり広がる

中国政府は北京、上海、広州ばかりか地方都市の不動産狂騰を沈静化させるため、金融引き締めを強行し、それでも効果がないとわかると頭金を60%、住宅ローンの審査厳格化、銀行には預金準備率を引き上げて、資金の回収を急がせる。

その余波が香港にも押し寄せ、住宅ローン利率引き上げ、頭金50%の強制。価格崩落はまだないが、取引量は前年比ですでに40%も落ち込んでいる。

香港の市場アナリストは「2012年までに25%ほどの価格下落が起こりうるだろう」と予測する。最大デベロッパーの新鴻基元会長のウォルター・クォクは言った。「15%ほど下落するでしょうね。すでにピークを打ったとみています」。

世界的な投資家=ジム・ロジャーズは「不動産バブルの崩壊? そりゃ、投資の世界。ありうることさ」と率直に言った(ヘラルドトリビューン、6月24日付け)。

香港誌『NEXT』が「不動産はもう買うな」と警鐘を乱打した。

6月23日、温家宝首相は記者会見し、「中国はかならずインフレを退治する」と大見得を切った。庶民から見れば大言壮語、投資家からすれば虚しき強がりに聞こえた。

杜父魚文庫
| 宮崎正弘 | 19:30 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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