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菅首相退陣こそが、政治・経済の収縮局面を打開する 花岡信昭
※次第にシビアになる菅首相への見方

「3・11」の衝撃から1カ月余り経過して、新聞各紙もようやく特別編成から通常の紙面構成に戻りつつある。福島第1原発の事態収拾までにはなおかなりの時間が必要だが、日本中がある種の「落ち着き」を回復しつつあるのは、結構なことには違いない。

だが、政治も経済もなにやら「収縮」してしまっているのはどうしたことか。節電対策の徹底などは歓迎すべきだが、必要以上の自粛ムードは被災地の復興戦略にも悪影響を与えかねない。

風評被害を抑え込み、あの興奮状態から冷静な「平時」の雰囲気をつくり出す努力が、政治や経済、さらにはメディアにも求められているように思える。

菅首相の立場からいえば、社会全体が日常性を取り戻していくと、その責任問題が改めて厳しく問われるという皮肉な展開を導くことにもなる。「この非常時に政局的次元で首相引きずりおろしを画策するのはよくない」といった指摘が薄まるからだ。

日本経済新聞社とテレビ東京が行った世論調査(4月15−17日)では、内閣の原発対応を評価しないという声が70%に達し、復旧・復興や被災者への対応についても評価しないという回答が56%だった。

菅政権に対する国民の目は依然として厳しく、菅首相の政治リーダーとしての資質を疑問視する向きが大勢であるということだろう。

※4月24日の統一地方選敗北は、退陣の最後のチャンス

このコラムではすでに何度も指摘してきたが、戦後最大の大惨事に直面して、いわゆる救国大連立といった政治構造への転換が求められているのはいうまでもない。大連立が無理なら、与野党協調体制と言い換えてもいい。

そうした大転換を可能にするには、菅首相の退陣表明、民主党のバラマキ型マニフェストの撤回といった対応がはかられるのであれば、より容易になる。現時点ではそういう政治状況になっている。

それは、自民党などへの協力を求めるうえでの民主党側の誠実さを示すものとしても必要だ。復興戦略では財源確保のための大増税も予想されており、政権側が身を削る努力を見せなければ、自民党なども乗れるわけがない。

4月24日は統一地方選後半戦の投開票日だ。前半戦に続いて、政権党である民主党に芳しくない結果が出るであろうことは半ば当然視されている。

それが折り込み済みとなっていることから、菅首相の責任問題もおそらくはあいまいなまま推移するだろうと見られている。

シビアな言い方を許してもらえば、「政治家・菅直人」にとって、24日の結果は退陣表明への貴重な「最後の」好機でもある。この段階なら選挙敗北による引責ということになり、これは政治の世界では過去何度となく見られてきたことだ。堂々たる敗北、堂々たる退陣、ということになる。

※退陣したほうが政治力を残せる

この機会を逃すと、「3・11」対応の不手際を理由とした退陣要求が党内外から突き付けられる可能性がいよいよ高くなる。すでにその兆候は随所に出ている。

これをはねのけ、あくまでも政権継続を目指そうとするのも政治家としての選択だろうが、ここで選挙敗北を最大の理由として身を引けば、政治力を残しての退陣となる。その後の復興戦略での与野党協議に指導力を発揮できる可能性が出てくる。「ポスト菅」の選定にも力を示すことができる。

政治の世界では、ステージの転換が予想以上のパワーを生み出すことがままあるのだ。おそらくは24日の深夜から25日未明にかけての菅首相の判断が、その後の政治展開を大きく左右することになるだろう。

政治家、とりわけ首相というトップリーダーともなれば、その出処進退が計算以上のすさまじい政治的効果を生むのだということを、改めて指摘しておきたい。

政治の世界の展開は早いので、すでに大方が忘れてしまっているのだろうが、3月11日に菅首相は在日外国人からの献金が発覚し、その進退問題が浮上していたのである。巨大地震がなければこれが最大の政治問題となっていたはずなのだ。

※「フクシマ」を米仏はじめ世界中が緊張して見つめている

さて、「3・11」対応は原発事故の収拾を踏まえた一大復興戦略が最大の課題だが、原発対応があまりにセンセーショナルに伝えられているためか、その陰に復興戦略が隠されてしまっている。

原発事故が深刻な問題であることはいうまでもなく、原発先進国の米仏をはじめ世界中が緊張して見つめている。

サルコジ仏大統領に続いて、クリントン米国務長官も短時間ながら来日した。「フクシマ」の収拾は世界の原発政策を左右しようとしている。

東京電力は6−9カ月後に冷温停止の安定した状況にもっていくとする工程表を発表したが、目標通りに達成できる保証はない。厳しい状況のもとで必死の作業を続ける現場の努力に期待する以外にない。

M9・0という歴史的な巨大地震によっても自動停止したという事実を忘れてはなるまい。これは日本の原発の基本的な安全性を証明するものだ。

問題は津波被害によって電気系統が致命的な損傷を受け、「冷やす」対応に手間取り、汚染水の除去に苦慮しているということだ。ここをクリアーできれば、原発の信頼性はよみがえる。

現時点では関係者が一様に恐縮しきっているから、よけいなことは言えないのだが、フクシマは日本の原発の安全性の高さを立証したのである。そのことを踏まえておかないと、日本の原発政策は完全に行き詰まることになる。

※原発の必要性は今後とも変わらない

スリーマイル以後、アメリカですら原発をつくれなくなっている。今回の事故によって、代替エネルギー開発の重要性が叫ばれているが、それは当然だとしても、原発の必要性を根本的に転換させるものではない。

政府、東電など関係者に必要なことは、原発推進の基本に立ち返るための状況づくりを視野に入れながらの復旧対応である。「脱原発」を政治的スローガンとして喧伝するのはたやすいが、これは日本の経済社会の今後を考えれば、あり得ないことだ。

日本は電力供給の30%を原発に依存している。この比率を高める必要があるのは「3・11」があろうとなかろうと変わりはない。

太陽発電や風力発電などには限界があり、原発の効率性には遠く及ばない。化石エネルギーに頼ることにもタイムリミットがあり、世界の火薬庫ともいわれる中東のオイルパワーを減殺させるという点で、原発推進政策は日本にとって貴重な平和戦略でもある。

そうした厳粛な事実を政治の場から発信し続けなくてはならない。メディアの役割も重要だ。各地の放射線値や風評被害で大騒ぎしている間はなかなか言い出せない事情は分かるとしても、その原点だけは踏まえたい。

それになにをおいても指摘しなくてはならないことは、事故を起こした原発の建屋内や周辺はともあれ、これまでのところ、ただちに健康被害に結び付くような計測データは出ていないことをわきまえるべきだ。

政府や東電がそこのところの対応を間違え、「脱原発」勢力を勢いづかせてしまったら、日本の将来にとって多大な悲劇を生む。冷静、沈着な対応がいまこそ必要だ。

※節電対策は効果をよく見極めて実施せよ

その一方で、節電対策が根付きつつあるのは、われわれの生活習慣を改めるうえで想像以上の効果があったといえるのではないか。

繁華街や電車内、駅構内などはずいぶんとうす暗くなったが、十分に対応可能であることも分かった。考えてみると、われわれはあまりに明るすぎる環境を当たり前のように思ってきたのではないか。

都会暮らしで夜になれば暗くなるという当然の事実を思い知ったのは、生活文化の側面からも歓迎すべきなのかもしれない。

<<読者から>>

★初めまして。仙谷氏を首相に、とのことですが、自衛隊を暴力装置と言った人間に自衛隊員がついてくるとお考えでしょうか。

今後の復興にもまだまだ自衛隊の力が必要な時にその様な人物を据えるのは政局としては正解でも、現地で復興のために働く自衛官が、いくら国のためと意識しても心底から指揮官についてこないのではないでしょうか。

先日の東電のプランが楽観的で今限界まで働いている人々のことを考えてないのと同様、仙谷氏を推すのは現場に目が向いていないのではないかと思われます。(doさん)

[花岡コメント]
ご意見、ありがとうございます。誤解なきよう。仙谷さんを「推して」いるのではありません。いまの政治力学を解剖すると、その可能性もあるということです。ご指摘の点はまさにその通りでしょう。

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