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自由と民主主義とは別の価値観を力で押しつける勢力との対峙 桜井よしこ
2月10日、エジプトのムバラク前大統領は、最後の演説を行った。スレイマン副大統領に権限の一部を移譲し、自身は9月まで現職にとどまって、即時辞任は拒否すると述べたのだ。米国のオバマ大統領はこの演説に怒り、エジプト軍もこれを了承せず、結果として、30年に及ぶムバラク体制はこの時点で崩壊した。

その後、自由を求める国民のデモはイラン、バーレーン、さらにリビアにも広がった。これら諸国の国民運動が勢いをつけ、体制転換につながるのかは予断を許さない。文字どおり大激変の時代に入った中東で、米国、イスラム穏健勢力、イスラム原理主義勢力、インド、中国、ロシア、イラン、アフガニスタンなどがどう動くのか。

そうしたなか、2月14日、アラブの声を伝える中東のテレビ局アルジャジーラの取材に米国務長官のヒラリー・クリントン氏が答えていた。アルジャジーラは9・11テロを起こしたウサマ・ビン・ラーディンの肉声をたびたび伝えるなど、イスラム原理主義勢力の声をも代表するテレビ局である。

クリントン長官はひたすら「米国はエジプト国民と共にある」と手を替え品を替え伝え続けたが、アルジャジーラの側の質問が興味深かった。彼らはざっと以下のような問いを突きつけた。

「エジプト軍はエジプト国民の革命を支持する側に立つと表明したが、軍最高評議会の動きについて、米国は、これで十分と思うか」「軍最高評議会の非常事態宣言はいつ解除すべきか」「米国の声を中東の人々すべてが聞いている。米国は軍と国民のどちらを支持するのか」「エジプト軍に米国は過去30年間、多大な支援を与えてきた。それは成功したと思うか」「エジプト軍はイラン軍よりも多くの国民を殺してきた。このことをどう思うか」などである。

アルジャジーラの側に、米国に対する色濃い拒否反応の感情があるのが見て取れる。米国が支えたエジプト軍が多くの国民を殺害し、その数は、米国が厳しく批判するイランの独裁政権下で殺害された人々の数より多いなどというのは、その典型である。クリントン長官は、即、反論した。

「まったく根拠がありません。エジプト革命が起きて、エジプト人自身が『われわれはわれわれの手にエジプトを取り戻した』と言っているのに対し、そんな言葉はイラン国民の口からは出てこないでしょう」

米国が支援してきたエジプト軍は、明確にエジプト国民の意思を尊重して行動しているのであり、それは自由と民主主義を掲げてきた米国と共通の価値観を基盤とする勢力なのだと、クリントン長官は強調したわけだ。

アルジャジーラ側は、中東勢力の鍵の一つは米国が握っていることを明確に認識し、米国をさらなるエジプトの自由化にコミットさせようとする。それが、エジプト軍はいつ非常事態宣言や夜間外出禁止令を解除すべきか、どのくらい早期にそれを行うべきかとの問いになっていた。

むろん、これはクリントン長官が具体的に答え、指図したりすることではない。クリントン長官が、それはエジプト自身が決断することであり、米国はエジプトの自由と民主主義のために「モラルサポート」(精神的支え)を与え続けたいと繰り返したのは当然である。

エジプト国民の動きにどう対応するのか、ムバラク大統領の退陣を即、行わせるのか、それとも秩序ある政権移譲のための時間を設けるのかについて、米国は逡巡したうえ、前者を選んだ。それがもたらす最終的な結論は、今は見えない。そのなかで、世界は米国の掲げる価値観とは別に、ひたすら力で押してくる諸国によって突き動かされる危険がさらに強まりつつある。中国、ロシアがその典型であり、その両国のターゲットになっているのが、今の日本である。(週刊ダイヤモンド)

杜父魚文庫
| 桜井よしこ | 15:13 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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