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カダフィ忠誠組にトリポリ独立論? 宮崎正弘
カダフィ忠誠組はトリポリに集結。一部にトリポリ独立論。東部と西端(チュニジアより)からトリポリ侵入は困難な軍事状況。

カダフィの軍事力分割統治のノウハウはイラクを軍事力と秘密警察で治め、反対派を抑え込んだサダム・フセインの管理方式に似ている。普通の陸軍は五万人を擁するが、カダフィは国軍には猛訓練をさせず、装備も劣悪のままにとどめた。

空軍はカダフィと同族出身だけで固め、さらに3000名のエリート兵士も同様に同族だけ。「革命委員会」という名前のもと、実態は精鋭軍だが、じつはカダフィのプライベート護衛部隊だ。SS親衛隊のリビア版だろう。

そしてリビア空軍はトリポリ爆撃を命じられ、ふたりのパイロットがマルタへ逃げた。 

息子のハミスには最強軍団3000名を与え、武器も最高の装備で武装している。安全保障補佐官を務める三男のムアタシムはこれらカダフィ親衛隊の装備、予算に28億ドルを要求したそうな。

またカダフィの外国人傭兵部隊の全容をNYタイムズが次のように伝えた(2月24日付け)

チャド、スーダン、二ジール国籍のカダフィ傭兵はスーダンで激しい軍事訓練を受けた後、リビアに契約で赴任した。およそ2500名で構成されており、『『イスラム汎アフリカ旅団』とよそよそしい旅団名を名乗る。
 
つまりカダフィ忠誠組が、これほどの陣容でトリポリを固めたのだ。もし、この陣容が報道通りであるとすれば、リビアの内戦は長期化しよう。

おそらくそうなれば、スーダン南部が独立したように、トリポリ、ベンガジ、南部リビアに三分轄という案も、浮上するだろう。

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頼みのエジプトはムバラク大統領の老衰、過激派の跳梁跋扈が顕著。古都アレキサンドリアではコプト教のキリスト教会が爆破テロに襲われた。(再録)

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世界の火薬庫、中東爆発は秒読みか   宮崎正弘


「ナイル河以東からインダス河以西にかけて米国は政治的強迫観念に取り憑かれ」(英誌エコノミスト、1月1日号)、そのため過去十年間に米国は一兆一千億ドルをイラク、アフガニスタンの戦費に費やしたとして、同誌は続けた。「イスラエルには過去一年だけでも270億ドルもの軍事支援を注ぎ込みながら中東和平の成果はまったく芳しくない」。

イスラエルとパレスチナの不和は次の紛争勃発が予兆される状況になった。オバマ米大統領には前ブッシュ大統領、元クリントン大統領と比べて政治能力、とくに中東和平への調整力が失われている。

一方で経済成長めざましいトルコが政治発言力を強め、イランは軍事大国になりつつある。イランの核武装は秒読みであり、これは否応なくサウジアラビアや湾岸諸国の不安を高める。

イラクは多くの犠牲をだして、民主化らしき政権が誕生したものの、米国の思惑をはずれてイランに理解をしめし、トルコは政治発言力をたかめるほどに経済成長をなしとげ、サウジは親米姿勢をとりながらも独特の外交を展開した。

頼みのエジプトはムバラク大統領の老衰、過激派の跳梁跋扈が顕著となり、古都アレキサンドリアではコプト教のキリスト教会が爆破テロに襲われて数十の死傷者がでるほどに治安が悪化した。

2011年1月1日のミサに出席した多くのキリスト教コプト教徒は自爆テロの犠牲となった。古都アレキサンドリア、クッディシーン教会での出来事。24名が死亡、80名が負傷した。

この衝撃はエジプト国内ばかりか中東全域と欧州に拡がった。パリには25万人のコプト教徒が暮らし、ドイツにも多い。パリのコプト教会にはインターネットで脅迫状が舞い込み、厳戒態勢にはいった。

そもそもコプト教とはなにか。西暦貳世紀にアレキサンドリアで福音書を書いたマルコを教祖とする東方教会の流れ、離婚と再婚を認めない厳格なキリスト教で、エジプト国内の信者およそ800万人。あのガリ元国連事務総長もコプト教徒である。
 
地下の動きはあった。2010年1月6日。この日はコプト教徒にとってクリスマス・イブにあたる。1月7日がコプト強のクリスマスだ。エジプトで7人が狙撃され犠牲となった。うち6人がコプト教徒だった。
 
同年6月に「ハーリド・サィード事件」がおきた。イスラムからコプト教徒に改宗したハーリド・サィード青年が麻薬取り締まりと称した警官に殴り殺された事件だ。イスラムからほかの宗教への改宗に、イスラム過激派は寛容ではない。コプト教徒らは立ち上がって抗議した。

同年10月31日、舞台はイラクの首都バグダッドの中央部にあるキリスト教教会だ。アルカィーダが人質をとって立てこもり、改宗したムスリムに死刑を、キリスト教徒を殲滅せよなどと叫んで銃撃戦となり、51名が死亡した。

同年11月24日、カイロ近郊でモスク建設をめぐりイスラム教徒とコプト教徒が衝突、暴力的なデモにより二人のコプト教徒が殺害され、150名が逮捕された。

1月1日のアレキサンドリアにおけるテロに抗議して首都のカイロなど各地で抗議デモが発生し、エジプト最大の「ムスリム同胞団」は冷静、秩序回復をよびかける一方で「この社会不安の元凶は貧部の差、不公平をもたらしたムバラク政権だ」と批判した。

抗議デモにはコプト教徒のほか若いムスリムが加わった。エジプトの評論家はムスリムがコプト教徒とデモを共闘した事実は「歴史の皮肉」と評した。

おしりもイラクには過激派のサドル師が帰国した。ナイジェリアではイランから出荷されエジプトのガザへ向かうとされる大量の武器が見つかった。

つまり中東全域において親米政権、親米勢力が激減し、イスラエルは孤立を深めている。

レバノンに蟠踞する「ヒズボラ」はイランとシリアの支援をうけて、地域内に五万発のロケット砲を配備しているとされる。これはイスラエルの生存を脅かす。

ガザを暴力で支配しようとしたテロリスト組織の「ハマス」も勢力を挽回、エジプトの地下組織が息を吹き返した。さらにエジプト国内にはファタの組織が復活している。

「ヒズボラはイランとシリアから供与されたゼルザラ!)型ミサイル(射程200キロ、爆薬600キロを装填可能)を保有し、ガザのハマスはロシア製コルネット・ミサイル(誘導巡航型)を装備した」(同エコノミスト誌)。

他方、米国では議会のイスラエルロビィは健全とはいえ、影響力低下は目に見えている。

理由は米国が中東に依存する石油は10%であり、死活的利益の対象であるという論理がいまや説得力を欠くからである。

アメリカ国民の大多数にとっては毎日支払うガソリンの価格のほうに関心があり、外交目標とか世界の秩序とかには、さほどの関心がなくなった。だから危険は増すのである。(この文章は『月刊日本』一月号からの再掲載です)
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そして拙論の予測通り、中東に混乱と激震が襲った。

杜父魚文庫
| 宮崎正弘 | 07:31 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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