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評価高いヒラリー・クリントンの外交力 宮崎正弘
クリントンとガイトナー 外交と財務を司る大国のふたり。中国を相手に堂々の勝負をいどむオバマ政権の中枢に陣取りながら・・・。

ヒラリー・クリントンほど、近年評判をあげた女はいないだろう。

外交の修羅場を女性が切り抜けられるものか、と彼女が国務長官に就任すると聞いて不安がる識者が多かった。彼女が苦手は中東イスラエルあたりで、中国とは意外とタフに渡り合っている。
 
第一にロバート・ゲーツ国防長官との二人三脚が奏功している。

共和党系、国防タカ派のゲーツはクリントン国務省との関係改善に努力し、最低でも毎週一度ヒラリーと昼食をともにするほどに外交における国防力のバックグランドの必要性を説いた。

そもそも米国外交の現在の根幹にあるのはアフガニスタンとイラクの戦争であり、外交に直接繋がる軍事力の展開について、従来のように国務省vs国防省のギスギスした関係では外交に齟齬が産まれやすかった。

第二にヒラリーの外交力を評価したのはペトロウス中央軍司令官(アフガニスタン戦争最高司令官兼務)。共和党も2012年大統領候補にロムニー(マサチューセッッツ州前知事)かサラ・ペーリンを立てる趨勢だが、ヒラリーが万一、オバマを押しのけての出馬となると手強いと見ている。
 
第三にヒラリーは後期オバマ政権で国務長官にとどまるか、或いは国防長官に横滑りかというほどに評判が高くなった(田中真紀子や川口順子でも外相をつとまった? 小池百合子でも防衛相はつとまった? 大人と子供をゴッチャにしないでください)。

米国の財務政策を司るボスはチモシー・ガイトーナーである。

中国に大甘の姿勢で、為替不正操作を黙認し、いまも中国を「不公平で人為的な人民元操作をしている」と非難しながらも、財務省報告では為替不正操作国とは認定しない。

それはひとえに9000億ドルをこえる米国債権を「中国様が買って下さる」からだ。

しかしガイトナーの交渉術は、じつは中国的なのである。かれは80年代に北京へ留学した最初のアメリカ人学生で、同級生には北朝鮮、西アフリカの国からの留学生ばかり、学生寮の部屋にはもちろん冷蔵庫もなかった。

ガイトナーの北京での留学生活は六年にわたり、だから北京語はぺらぺらである。中国人のマナー、伝統的交渉術もしっかりと身につけている。
 
父親のピーター・ガイトナーはフォード財団北京事務所の責任者となり、80年代から盛んに有能な中国人を米国へ留学させる。そのうちの二人が王岐山と周小川なのである。王岐山は副首相で中国の金融通貨税制政策を担当し、周小川は中央銀行総裁(中国人民銀行行長)として金利、為替、通貨供給に辣腕を振るう。
 つまり、ガイトナーの中国コネクションの強さ!

オバマ大統領はどちらかと言えば雄弁だが無能、しかし中枢に有能な人材に恵まれたようだ。
   
杜父魚文庫
| 宮崎正弘 | 03:09 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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