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中国と北朝鮮は「悪の枢軸」 古森義久
東アジアの諸問題に対する気鋭の評論で知られる筑波大学大学院教授・古田博司氏の論文の紹介です。北朝鮮の無法ぶりを制御するために中国に良識的な仲介や調停の役割を期待することの幻想を指摘しています。

正鵠を射た認識だと思いますが、ただ一点、日本の核武装の展望に対するアメリカの対応については、オバマ政権はもちろん反対とはいえ、共和党寄りでは容認論が意外と広がっていることは古田氏の判断とはやや異なるようにも思えます。

持ちつ持たれつ中朝「悪の枢軸」

北朝鮮が23日、韓国・延坪(ヨンピョン)島に砲撃を加え、軍人2人と民間人2人を爆殺せしめた。朝鮮戦争以来の物理的攻撃である。暴挙だと、誰もが怒る。しかし、韓国は本格的な報復攻撃はできない。中国漁船による海保巡視船への体当たり攻撃で露呈した日本側対応と同じである。東アジアには核保有の均衡が存在しないからである。

◆東アジアの平和の終わり

両核保有国は、平時を準戦時状態ととらえ、核を潜勢力として非保有国を脅す。小規模戦闘も辞さない構えで、ボディーブローのように相手を撃ち、しだいに無力化させていくのである。これを「核抑止力攻撃」と仮に呼ぶ。今年3月の韓国哨戒艦撃沈事件以来、こうした攻撃が常態化しつつある。つまり、東アジアにおいては、平和はすでに終わったのである。

では、日韓にも核を持たせてしまえばよいではないか、というのは米リアリストの学者たちだ。そうはいかない。日本が軍事大国になることを何より恐れているのは米国である。日本が自前で核を持つのは、ハワイまで米防衛線が後退したときでしかないと、カーター元米政権で大統領補佐官(国家安全保障問題)を務めたブレジンスキー氏は言ったことがある。

私は2007年3月16日付の本欄で、北が寧辺(ニョンビョン)の核施設を手放さないことを予言しておいた。寧辺の核、泰川の電力、亀城の機材、三位一体のこれ以上の立地はあり得ない。09年5月8日付の本欄では、北が08年3月以来、火力発電所を重油稼働に切り替え、水力発電所群が増設されている、と書いた。これらはすべてウラン濃縮に利用された電力で、重油と機材は中国の援助によるものだ。11月22日に報じられた寧辺のウラン濃縮核施設は、その成果である。

国連安全保障理事会がいくら制裁を決議しようと、中朝国境の物資の流れは止められない。原油パイプラインも中国丹東市から北の新義州市まで伸びている。制裁決議に中国が賛成したとしても、現実は同じなのだ。中国は北を援助し、国境の町は中国製品であふれる。平壌の女性は中国製の口紅で化粧し、元山の女性は中国製の中古自転車で寒風を切って走る。

◆助け、裏切り、恨まずの関係

中朝は助け合うべき地政学的位置にあり、歴史上もそうだった。豊臣秀吉の朝鮮の役では明軍が南下したが、朝鮮の碧蹄館付近で日本軍に撃破され、李朝を捨て和睦に入った。満洲のヌルハチの時には、李朝が援軍を出したが、サルフの戦いで満洲軍に降(くだ)り明を見限った。朝鮮戦争時は、中国義勇軍が故金日成氏(後の国家主席)を助け、手の空いた彼は政敵粛清にいそしんだ。「助け、裏切り、恨まず」の関係は今日も続く。

この10月25日、中国支援軍朝鮮戦争参戦60周年記念大会が平壌で行われ、金正日総書記は中国の軍事代表団と接見、翌26日には党中央委員会、中央軍事委員会の幹部たちを引き連れて檜倉郡にある中国人民支援軍烈士廟を訪れ、戦死した故毛沢東主席の息子、故毛岸英氏の銅像に献花した。ここには09年10月、莫大(ばくだい)な支援を手土産に温家宝首相も訪れ、有事には安全保障支援を行う意思を示した。北が2度目の核実験を行って、同年6月に国連安保理で制裁決議が採択された直後のことである。

記念大会にも廟献花にも、10月10日の党創建65周年閲兵式で初めて公式に姿を現した、金正日氏の三男、金正恩(ジョンウン)党軍事委員会副委員長が同行している。高麗人参で太らせ、故金日成似に整形させたというのは韓国人一般の推測だが、そこまで外見的に追いつめられなければならないほど、27歳といわれる同氏は若くて初(うぶ)な姿を労働新聞紙上にさらしていた。

◆金正日登場時も破壊活動頻発

1980年代に金正日氏が後継者として登場したとき、北は国際的にさまざまな破壊工作を繰りかえし、国内的には氏が軍事的英才だと煽(あお)っていた。今回もその路線だとすれば、今後、さらに大きな破壊活動を企図しなければ3代目のカリスマ継承は難しかろう。

2000年代初め、まだ日朝航路があったころ、北の地方ツアーに参加した。北は山がちで、共同農場を開こうにも平地が足らず、段々畑を耕していた。しかし、インカ帝国よりも稚拙だった。石垣を作らなかったために、山は雨で崩れ、土砂は川に流れ込んで中州を作った。これが毎年8月ごろ、北を襲い、同じ川筋で韓国に迷惑をかける洪水の正体である。

共同農場には崩れ落ちた岩がごろごろしていた。北には鉱物資源が豊富に眠ると言う者がいる。だが、雨水の落盤で危険な炭鉱からさらに下の層をどうやって掘るというのか。南北統一後を見越して投資を煽る者もいる。だが、あのように荒廃した大地を整備するには数兆ドルもかかることだろう。

要するに、北は中国のたかり国家となり、中国は核抑止力攻撃のパートナーとして北朝鮮を利用しつつ、膨張政策を続けることだろう。独裁と非人権を共通価値とする彼らが日米からの安全保障を武力で引き出そうとする限り、この性悪説の世界に終わりはない。(産経・正論)

杜父魚文庫
| 古森義久 | 06:20 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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