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菅政権は言論の自由を抑えるのか 古森義久
日本の政治のホープ稲田朋美議員が菅政権の言論抑圧への動きを批判する鋭い一文を書いています。

自衛隊入間基地で催された航空祭の祝賀会で、地元協力団体、航友会の会長があいさつして、こう述べた。「このままでは尖閣諸島と北方領土が危ない。こんな内閣は間違っている。まだ自民党政権の内閣の方がまともだった。現政権の顔ぶれは左翼ばかりだ。みんなで一刻も早く菅政権をぶっつぶして、昔の自民党政権に戻しましょう。皆さん、そうでしょう。民主党政権では、国がもたない」

11月3日にあったこの出来事を防衛大臣、副大臣、政務官の政務三役が問題視し、10日には、防衛事務次官が「隊員の政治的中立性の確保について」と題した通達を出した。航友会会長の発言を「誤解を招くような極めて不適切な発言」と批判し、今後、「かかる事案が二度と起きないよう」各種行事への部外団体の参加などに制限を加えるというものである。

要するに、防衛省、自衛隊主催の行事や施設内での行事に参加する団体や民間人に政治的発言をしないよう要請し、そうしそうな団体、民間人は呼ばないし、その恐れのある人がいる団体が開催する行事には、自衛隊員の参加を禁止する、という趣旨である。

しかも、当分の間、防衛省・自衛隊主催の行事や施設内での行事で部外者団体代表があいさつした場合は、その概要を書面で防衛省大臣官房文書課に提出させるという「事務連絡」までしている。

≪憲法違反はらむ「検閲」も≫

通達と事務連絡は明らかに、憲法第21条が保障した表現の自由、言論の自由に重大な制限を加えるものである。看過できないのは、事前に団体や民間人の思想をチェックし「誤解を招く恐れがある」ときは参加を認めないとする点で、実質、「検閲」に当たる。

「検閲」は21条2項で固く禁じられている。それが罷(まか)り通れば、表現の自由、言論の自由が封殺されて、民主主義の基礎である自由闊達な議論は失われるからだ。

航友会会長のあいさつは、事実無根の誹謗(ひぼう)中傷の類ではなく、民主党政権への批判であり、言論の自由の範囲内の発言だ。それを「極めて不適切な発言」と決めつけ、「かかる事態は二度と起こさない」と言明するのは、政府による名誉棄損的行為ですらある。

そもそも、健全な民主主義社会は政権に対する自由な批判、自由な言論があってこそ実現する。この問題は18日の自民党部会でも討議され、保守派の言論人や政治家が自衛隊施設内の行事で講演やあいさつをすることが通達で制限されるのかどうか、多くの質問が防衛省の事務方に出された。通達の表現があいまいだからである。

≪自己規制がさらに自由阻む≫

それがまた、罪作りなのだ。なぜなら、自衛隊施設を運営する現場の多くが後難を避けようとするあまり、「疑わしきは罰する(発言させない)」という自己規制を働かせ、通達が想定している以上の表現の自由の制限という憲法違反を重ねかねないからだ。

菅直人政権の閣僚たちが多用する「誤解を招いた」という表現もいかがわしい。通達は、航友会会長のあいさつを指して、自衛隊側が隊員の政治的行為の制限(政治的目的のために国の庁舎、施設等を利用させること等を禁止)に違反したとの誤解を招くような極めて不適切な発言を行ったとしている。だが、誰がそんな誤解をするのか。誤解したのは、航友会会長が入間基地の管理者と通謀して政治的活動をさせた、と邪推した防衛省の政務三役だけだろう。

≪誤った「政治主導」の所産≫

防衛事務次官の通達と事務連絡は民主党がお題目のように唱える「政治主導」の所産でもある。あいさつが民主党政権を称賛する内容だったら許されていたはずだと考えると、いかにも滑稽(こっけい)で、稚拙な「政治主導」ではないか。この通達と事務連絡によって今後、防衛省の文書課は、全国の防衛施設から寄せられるあいさつ文の要旨の分類と検討を行うそうだ。そんなつまらない任務に当たる暇があったら尖閣を守れと言いたい。

「誤解」といえば、ソウルの日本大使館に反日デモをした岡崎トミ子氏を国家公安委員長に任命した菅首相は代表質問への答弁で、岡崎氏が「誤解を招いたことについて反省している」と擁護した。法務委員会で私が直接、「誤解」と「反省」を質(ただ)したところ、自分の活動は反日ではなく国益に合致していたと強弁、「誤解」とは反日ではないのに反日と思われたことだと答えた。自らの行動を反省していないことは明白である。

「法務大臣はいい。(答弁を)2つ覚えておけばいい」と国会軽視発言をした柳田稔法相を、菅首相は最後は事実上、更迭したとはいえ、「思慮が欠けていたと反省している」と擁護してきた。自衛隊を「暴力装置」と蔑(さげす)む表現をした官房長官、反日デモ参加を反省しない国家公安委員長、無能を自ら認めたくだんの法相、先の憲法違反の通達を出させた防衛相、これらの閣僚が政治主導すれば、航友会会長の言う通り、「日本はもたない」ことは明らかである。菅首相の任命責任は極めて重いと言わざるを得ないのである。(産経)
杜父魚文庫
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