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中国は恐くない、日本は資源大国だ 桜井よしこ
幽霊の正体見たり枯尾花

恐い恐いと恐れれば、何でも恐くなる。菅直人、仙谷由人両氏らの民主党政権は、対中関係で枯尾花の恐怖に搦めとられている。

我が国を領海侵犯した中国人船長の勾留を延長した9月19日以降、中国は圧力をさらに高め、23日にはレアアース(稀土類)の輸出を止めた。同日、フジタの社員4人も人質のように勾留した。日本政府は、翌24日に船長釈放を発表したように、激しく動揺。経済界も同様だった。

頻りに強調されたのは、中国の稀土の輸出が止まれば日本の製造業はすぐに行き詰るという懸念だった。しかし、全体像を見れば、必ずしもそうではない。輸出停止で勿論、日本も困るが、それは後述するように、克服可能な問題だ。むしろ、非道な措置で国益を損なうのは中国のほうだ。

ワシントンポスト紙が社説で中国の手法は「19世紀型の重商主義」だと批判したように、国際社会の目に中国の蛮行が明らかになった。

そもそも稀土やレアメタル(稀少金属)とは何か。非鉄金属製錬業などを手掛けるDOWAホールディングス社長の山田政雄氏はその特徴は以下の4点だと語る。|狼緇紊紡減澆垢詢未少ない、∈亮茲砲金がかかる、6眤阿砲垢襪里非常に難しい、ぜ要がある。

稀土類はコンピュータのハードディスクドライブのモーター、光学機器などになくてはならない。これらの製品を製造する鋼に稀土の中のネオジムやテルビウム、ジスプロシウムなどを混ぜることで性能が著しく向上する。

「たとえばプリウスのモーターです。普通のネオジム磁石だと300度あたりで磁性を失います。けれど、サハラ砂漠から北極圏までの領域をカバーするような耐候性がないと、車として使えない。そうした優れた製品を作るのに稀土や稀少金属が必要です」と、山田氏。

稀少金属は、リチウム、ニッケル、フェロバナジウム、チタン、クロム、マンガンなど、約30種といわれているが、暮らしの中で目立つものに、たとえばインジウムがある。これはテレビの液晶パネルに使われている。
中国の弱点

山田氏は稀土や稀少金属の市場には他の鉱物資源の市場と大きく異なる特徴があると語る。

「大抵の金属はロンドンはじめ世界の市場で取引され、銅でしたら99・99%以上の純度でなければならないなど、品質規格がしっかりと決められています。明確な国際標準価格もあります。ところが稀土にはこの種の市場メカニズムがないのです」

国際標準価格も国際市場も形成されておらず、中国と各国、各企業が一対一の相対取引をするのが現状だ。市場は中国主導で稀土も稀少金属もここ数年価格が急上昇した。

2002年3月から07年3月までの5年間に、ニッケルの価格は1キロ当たり、6・54ドルから46・30ドルへと7・1倍に、インジウムは85ドルから720ドルへ8・5倍に、フェロバナジウムは6・38ドルから39・50ドルへ6・2倍に、稀土ネオジムは7・30ドルから31ドルへ4・2倍になった。

中国は国内市場が育つにつれ、輸出奨励から輸出抑制へと方針転換し、05年からは稀土類の輸出に関税をかけ始めた。当初5〜10%だった関税は引き上げられ、稀土については25%となった。輸出量も大幅に削減し、中国政府は今年7月、稀土の対日輸出枠を前年比4割減にすると突然発表した。

一連の措置には2つの目的がある。ひとつは、中国の稀土の温存だ。そのために、この7月、中国国内の鉱物資源開発への外資の参入規制に踏み切った。一方、07年には海外の資源開発のための政府系投資ファンドを設立、2000億ドル(約17兆円)を準備した。

もう一点は、稀土や稀少金属を必要とする国々に、輸出はしないが中国国内で生産するなら売ってやるとして、最新技術の中国への移転を誘導することだ。一連の措置の主要な標的は優れた技術をもつ日本企業だといってよい。気が弱く人の好い日本人は中国の圧力に容易に屈し、その罠にはまりがちだ。しかしよく見れば、中国の弱点が見えてくる。

稀土市場に詳しい人物が匿名を条件に語った。

「稀土や稀少金属の供給国が、現在、中国一国になった理由はなんといっても価格の安さにあります。けれど、まさにこの点に、中国の問題が隠されているのです」

鉱山開発では環境対策が重要だが、中国は殆ど気にしない。彼らが掘っているのは雲南省やベトナムとの国境沿い、チベットやウイグルの人々の地域である。環境に配慮しなくても、非難を受けない。開発コストは他国におけるよりもはるかに安い。加えて、人件費は月額1万円などというケースがザラにある。これでは、どの国も、価格競争は出来ないと、この人物は語る。

大切な資源を内蔵する製品

さらに中央政府が地方政府をコントロール出来ていない点が中国の稀土や稀少金属の値段を下げるという。

「中央政府が価格を一定水準に上げ、輸出を抑制しようとしても、地方政府が利権確保のために掘り出しては売ります。それをベトナムや香港経由で流すのです。実際にアンチモンやビスマスがこうして輸出された例を知っています」

中国の狙いと実態を見たあとは、日本の実態を見てみよう。我が日本には、実は稀少金属や稀土が都市鉱山の形で豊富に存在しているのだ。

都市鉱山というのは、さまざまな稀少金属を含む工業製品の山を指す。

山田氏が語った。

「物質・材料研究機構が、20種類の金属について調査したところ、我が国が都市鉱山として保有する埋蔵量は世界有数の資源国に匹敵することが判明しました。金は6,800トンで世界の埋蔵量の16%もあります。銀は6万トンで22%、稀少金属ではアンチモンが19%、インジウムが16%、タンタルが10%など、すべて1割を超えています。また金、銀、鉛、インジウムは、国別埋蔵量の順位で日本が第1位に相当するのです。枯渇が懸念されるインジウム、アンチモンも日本の都市鉱山の埋蔵量は決して少なくないのです」

日本はもっと自信を持ってよいのである。幾十年も多くの工業製品を生産してきた結果、資源が製品の形で蓄積されているのは当たり前なのだ。問題は、これらの大切な資源を内蔵する製品から、どのようにして、稀少金属を回収するかである。

我が国には、DOWAをはじめ、世界一の資源回収技術を有する企業が複数、すでに存在する。だからタテ割り行政で資源回収を阻んでいる現状を、合理的に作り直せばよいだけなのだ。枯尾花に脅えるのでなく、民主党得意の行政刷新を断行さえすればよいのである。(週刊新潮)

杜父魚文庫
| 桜井よしこ | 00:59 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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