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尖閣、海洋権益の確保が狙い 渡部亮次郎
今から30年前、外務省で大臣秘書官だった頃、アメリカ局安保課の事務官だった岡本行夫さんが書いている。(「人界観望楼」10月1日付産経新聞)。

尖閣諸島に攻め込んできた中国の最終的な目的はエネルギーの確保に留まらず、南シナ海、東シナ海、さらには日本の正面の太平洋での海洋権益の確保にある、というのである。

したがって今後、中国は古森義久さん(ワシントン駐在産経記者)が指摘する如く 〃海梁減澆慮下─´空からの偵察 潜水艦の巡航 た緇經歪など中国はまさに多種多様な方法でアジアの海を舞台に日本に対しても領有権紛争、主権紛争を挑んでいるのである。

菅認知症内閣は、当然ながら以上のような「認識」が無い。相手は「布告なき」宣戦を挑んでいるのに未だに「冷静な話し合い」しか考えられない。事態は毛沢東が言った流血なき戦争(外交)を通り過ぎて流血を伴う外交(戦争)の段階に突入しているのに。

産経の世論調査によれば菅よたよた内閣が唯一の拠り所とする支持率は今回の腑抜けを批判し、一挙に15ポイント以上下落したそうだ。

戦略を持たぬ内閣だ。支持率の更なる低下を恐れれば、フジタの人質のことを考えすぎて、巡視船にぶつかってきた中国船の証拠ビデオの公開をもたもたと躊躇うであろう。

躊躇いは「善意」と考えるから、当然中国は「譲歩」し、人質を解放すると考える。しかし逆だ。日本の足許(あしもと)を見て更なる攻撃に出てきて、おたおた内閣は仰天することになる。

壮大な狙いからして中国当局の目は既に尖閣や人質から先のほうに移っているはず。なにしろ尖閣諸島に攻め込んできた中国の最終的な目的はエネルギーの確保に留まらず、南シナ海、東シナ海、さらには日本の正面の太平洋での海洋権益の確保にある、というのだから、作戦は広く綿密に練られている。

共産党内部の権力闘争の中で、担当者はそれこそ命がけで作戦を練っている。だが、菅内閣は世論調査の数字と戯れて向こう受けばかりを狙っている。民放のディレクターが単騎で政権を担当しているみたいだ。笑えぬ喜劇と言うしかない。

<問題の構図は、尖閣だけを見ても分からない。中国の狙いは、南シナ海、東シナ海、さらには日本の正面の太平洋での海洋権益の確保にある。

中国は1992年に「領海法」を制定し、尖閣諸島を中国領土に編入した。深刻なことは、尖閣が台湾や南シナ海諸島とともに、同じ法律の同じ条項で中国領土に編入されたことだ。

当時、日本政府はこれに対してごく形式的に抗議しただけだ。中国は最初から日本の足元を見ている。仮にも中国が(歴史的に中国人が上陸したこともない)尖閣を取れば、単に無人島が中国の手に渡るだけではない。

そこを基点に、12カイリの領海と200カイリの排他的経済水域が設定される。日本の安全保障と経済活動に甚大な影響が出る。

今回、中国がここまで強硬だった背景には、日米関係の弱体化をかぎとっていたせいもあろう。

かつてアーミテージ元国務副長官は、こう述べた。「米国が中国とエンゲージしていくためには、まず日本との関係を強化することが必要だ。そこが強くないと中国は米国と日本の分断に力を注いで、米国とまともに向き合ってこない。

逆に米日関係が強固であれば、中国はあきらめて、初めて正面から米国と向き合ってくる」。日米同盟関係がきしんでいる今、中国はアーミテージの第一シナリオの対応をとってきた可能性がある。

(渡部註:今回鳩山前首相は「私だったらもっと中国と上手く話し合って解決できた」と発言したが、中国に付け込まれるほど日米関係を壊したのは鳩山だ。それなのに何を言うか。一昨日おいで!)

しかし中国にとっては誤算となった。クリントン国務長官とゲイツ国防長官が共に、「尖閣は日米安保条約の適用対象」と言明したからだ。中国にとってはヤブをつついて蛇を出したに等しい。中国が最も困るのは、米国との関係の悪化だ。尖閣を巡る日中の緊張のなかで、米国は明確な形で日米同盟の立場にたった。

いちばん重要なのは、日米関係の立て直しだ。尖閣で中国はそのことを教えてくれ、日本国民の安全保障意識も高めてくれた。この意図せざる中国の貢献には感謝と言うべきか。(岡本)>

杜父魚文庫
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