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先軍政治と経済重視の路線? 古沢襄
共同通信社外信部にいた頃から黒田勝弘さんの朝鮮半島分析は光っていた。産経新聞に移籍後、それがさらに磨きがかかった気がする。朝鮮半島の分析家は数多くいるが、私は黒田さんが第一人者だと信じて疑わない。

私自身も朝鮮半島情勢に人一倍、関心がある。日本の安全保障にとって朝鮮半島情勢こそが一番影響するとみるからである。韓国が嫌いとか、北朝鮮が憎いという情緒的な感情でもの事をみてしまうのは間違っている。

1960年代以降、朝鮮半島分析は日本の公安情報が高く評価されてきた。公安情報は朝鮮総連の情報に依拠する面が多かったので、米国のCIAも日本の公安情報を注目していた。また韓国KCIAの北朝鮮情報は米国や日本では得られない特殊情報を持っていた。

だが最近は日本の公安情報の確度が落ちている感じを受ける。朝鮮総連と北朝鮮政権の密接度が以前ほどではなくなったことが影響していると思う。KCIAは金大中大統領時代に改組されてしまった。こういう中で日本の朝鮮半島の分析家が数多く生まれている。多くは大学の朝鮮半島の分析家たちである。

私が黒田さんの仕事を高く評価するのは、共同・産経時代を通じてソウルにいて、豊富な経験と分析を駆使してナマの情報を発信し続けているからである。久しぶりに黒田さんの北朝鮮情勢の見方に触れることが出来た。

黒田さんは二年後の2012年に注目している。それを目指して北朝鮮は金ジョンウン氏への権力移行を着々と積み上げている。今回の一連の権力人事はその一里塚というとらえ方である。この点は日本の朝鮮半島の分析家とあまり違わない。

だが黒田さんの分析は、先軍政治の基本構造は変わらないが、これまで軽視されてきた朝鮮労働党の組織強化が、中国の影響を受けたとみている。中国は金日成・金正日の世襲政治には違和感を隠さない。また極端な先軍政治は北朝鮮経済を破綻させると危ぶんでいる。

そこから先軍政治を維持しつつ、北朝鮮経済にも目くばりをした政権の“家族支配”を明確にした点が注目ポイントだとした。「党重視の中国から後継体制支持を取り付けるための措置」との見方もあるとしている。

ことしに入って金正日総書記が二度にわたって訪中した謎もこれで解ける。ただ先軍政治と経済重視の路線は下手をすると二律背反に落ち込む危険性がある。失敗すれば金ジョンウン後継体制は揺らぎかねない。

<【ソウル=黒田勝弘】北朝鮮の今回の一連の権力人事は、金正日総書記の後継者として3男の金ジョンウン氏を公式に登場させ、金総書記の妹の金敬姫・張成沢夫妻を権力中枢に配置したことなど、あらためて政権の“家族支配”を明確にした点が注目ポイントだ。

また党中央委員や政治局員を選出しこれまで機能していなかった党組織を整備したが、これも金ジョンウン後継体制を支えるための基盤つくりである。

個人独裁の北朝鮮では党はさして意味を持たない。金総書記は1980年以来、30年間も党大会を開いていない。党中央委員会総会も17年ぶりである。

今回の新しい党体制は後継者・金ジョンウン体制への権威付けにすぎない。「党重視の中国から後継体制支持を取り付けるための措置」との見方もある。

金ジョンウン氏は「人民軍大将」の軍称号とともに党中央委員と「党中央軍事委副委員長」のポストを与えられた。“金正日・ジョンウン体制”は今後とも軍の力を背景に権力維持を図ることに変わりはない。

後継者・金ジョンウン氏については今後、「革命の血統」を強調した経歴や業績に関する“神話つくり”が行われるはずだ。「強盛大国」元年とする2012年に党大会を開き、公式に「後継者推戴(すいたい)」をPRするかもしれない。

北朝鮮をめぐっては「2012年問題」がいわれる。北朝鮮は「金日成誕生100年」と「金正日誕生70年」が重なる12年を「強盛大国の大門を開く年」としてきた。金ジョンウン氏の誕生年を最近、1982年にしたのも、12年を「誕生30年」にするためとの説がある。

北朝鮮にとって12年は“3代の権力”を祝う一大祝賀イベントの年となる。

「強盛大国」元年に向けた課題は3つ。まず「軍事」はすでに核開発に成功し“大国”への道は開かれた。「指導体制」は金ジョンウン登場で後継体制つくりのメドはついた。

残るは「経済」だ。国民を食わせられない経済疲弊のままでは金ジョンウン後継者に対する国民の支持も忠誠も生まれない。逆に後継体制は揺らぎかねない。

そこで出てくるのが路線問題。経済を立て直し国民の後継体制への支持を広げるため、中国のような開放経済を選択するのか。そうすれば中国からさらなる支援も得られる。そこに踏み切れるかどうか。

逆に後継体制つくりという権力過渡期なため、開放経済で外部の自由な風が吹き込むのは体制維持には危ないと、軍体質で統制強化を続けるのか。

一方、核兵器は軍事独裁体制の「強盛大国」にとって、そして金ジョンウン後継体制の安全のためには絶対手放せない。“金ジョンウン登場”にもかかわらず「新しい北朝鮮」「開かれた北朝鮮」のイメージはなかなか出てこない。

12年は韓国、米国、中国、ロシアも大統領選などで政権交代期を迎える。世襲永久独裁の北朝鮮に政権交代はないが、影響力を持つ周辺国の政権や政策には変化がある。

周辺国をうまく“利用”しながら民族、国家を維持してきた朝鮮半島の人びとにとって、そうした対外関係は体制の生死にかかわる。北朝鮮としては12年の周辺の変化も踏まえ、路線問題など後継体制の方向を設定することになろう。(産経)>

杜父魚文庫
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