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伊吹塾で「和魂」を考える 岩見隆夫
この夏、骨身にこたえる出来事が重なった。いずれも初めてのことである。まず異常な猛暑続きで熱中症による死者が相次いだ。次いで、100歳以上の行方不明者が続出している。

三つ目が、改正臓器移植法の適用第1号だ。改正前にはありえなかったケースで、臓器提供の意思を示す書面がなくても、家族の承諾で移植される。箱づめの心臓、肺、肝臓などがあわただしく移植先に分散運搬される映像は、平静に見ることができなかった。

臓器法改正案の国会採決は自主投票だった。当時の麻生太郎首相、鳩山由紀夫民主党代表らが反対票を投じた記憶がある。心臓死でなく、脳死を人の死とすることに抵抗を感じる人がまだ少なくない。

三つとも、死がかかわり、家族、社会が問われる。ことに、行方不明事件は、日本社会の異変を感じさせた−−。

たまたま6日、京都・宝ケ池の国立京都国際会館で催された2010サマーセミナーに参加した。<和魂の復活こそ日本再生の鍵−−日本人の心根(こころね)を育てたもの>というテーマにひかれたからだ。和魂漢才、和魂洋才と言うが、肝心の魂(精神)が怪しくなっている。

主催は伊吹文明元自民党幹事長の後援会。といっても、通常の選挙用研修会ではない。次世代育成のために<持ち出し>で続けてきた、いわば伊吹塾だ。27回目、世代を超え200人が受講、終日、4人の講師がびっしり講義した。

開会に当たって、伊吹は最近、外国人記者からよく、

「日本は大丈夫か」と問われ、

「大丈夫にするのが政治の責任だ。民主制の下では、主権者たる国民の自覚も不可欠で、この程度の国民には、この程度の政治、あの程度の首相になってしまう」と答えていると述べたあと、こう問題提起した。

「最後は人の値打ち、人間の矜持(きょうじ)だ。いまだけ、自分だけ、では衆愚政治になる。日本人は精神的に優れており、魂、心根、謙虚さを持ち合わせているはずだ。

いまこそ、自由と民主主義の悪い面の防波堤をつくろう。空港で両替しても、コンビニで釣り銭もらっても、数えずにポケットに入れることができるのは日本ぐらい。日本人はまだましです」

講義の内容を詳しく紹介する紙幅はないが、講師の一人、宗教学者の山折哲雄は、<鎮守の森と共同体>の題で、最初に島倉千代子のかつてのヒット曲「東京だョおっ母さん」を話題にした。

田舎から上京したおっ母さんは、宮城(皇居)、靖国神社、浅草とめぐり、最後の観音さんで悲しみを癒やす。東京鎮魂歌だ、という。

「いま日本人は慰霊の気持ちを持ち続けているか。テレビで<なつかしのメロディー>をやっても、あの歌は出てこない。

西欧文明の思想は生き残り、サバイバルだ。生き残るものと犠牲になるもの、犠牲者への関心はあまりない。日本は違う。村共同体の理念だ。大災害があれば、みんなと運命をともにしよう、と」

山折節が続く。

「それを支えているのが無常観、仏教が日本人に与えた最大の贈り物だ。永遠なるものは一つもない、人は生きやがて死ぬ。死を正面から見つめる。死生観という言葉は英語にもドイツ語にもならない。しかし、戦後の日本はそれを捨てた。だから、『東京だョ……』が消えていく。

これからの日本を、世界の中でどう位置付けるのか」79歳の老宗教学者は気がかりそうだった。いまだけ、自分だけ、は政界にもはびこっている。和魂を深く考える時なのだろう。(敬称略)

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コメント
【和魂は亡びず】
大丈夫,そんなに簡単には亡びません。戦いはまだ始まったばかりです。

昨年8月末の衆議院戦による政権交代。あれからの目まぐるしい一年を考えると,選挙というよりも“戦争”という形容がふさわしいように思われます。戦後65年間続いたアメリカよりの植民地支配に対する独立戦争だったのです。その先頭に立って闘っていたのがマスゴミ検察が情報を操作してまで強力に排除しようとしている小沢一郎なのです。小沢はアメリカの独立戦争におけるジョージ・ワシントンやインド解放の父マハトマ・ガンジーに匹敵する人物です。しかしながら,この闘いはまだ終了しておりません▼アメリカの独立戦争は東部13州のイギリス本国よりの独立を求めるものでありました。以後南北戦争がおきますが,日本では順序が逆で南北戦争(自民党と民主党)が先に起き,それから独立戦争(アメリカと民主党政権)が起きているという構図です▼そのような小生の思いを見事代弁してくださっている方々の存在は貴重です。中でも古川利明氏(元毎日新聞社会部・政治部記者)のブログ『ギャラリー酔いどれ』(2010.07.19〜22)にエントリーされた記事には非常に大事なことが簡明な言葉で整理されています。サイトに接続し,是非ともご自分の目で確かめられますよう。読んですぐに解らなければ,何度でもお読み下さい。そうすれば,今我々の身に何が起きているのかおわかりいただけることと思います▼自分を取り巻く社会で今何が起きているのか。それは非常な“違和感”となって現われました。新聞が,テレビのニュースが,バラエティ番組が,お笑いタレントやコメンテイターの発言が「何か変」というよりも「つまらない」,「面白くない」という感情となって現れたのです。結果,長年惰性のように続けてきた新聞購読またテレビの視聴を止めました。それは或る種の“予知”,人間に生まれつき備わった防衛本能だったのかもしれません。その補完(情報収集)は携帯電話のパソコン機能を使ってのインターネット検索でした。結果6年前に始まったというブログなるものの存在を知ったのです。そこにはテレビや新聞メディアの報道とは全く違った情報世界が広がっていました。プロアマ取り混ぜ,実名,匿名,玉石混淆な意見の表明が見られます。思えばそれらも各人の止むにやまれぬ危機意識からのもののように思われるのです。国民がこんなに政治に関心を持った時代はなかったと思います▼先に述べた違和感の原因が何によってもたらされたものであったのかは,やがて野中広務元官房長官の発言により明らかになりました。国民よりの徴税を原資とする官房機密費より夏冬二回,お笑い芸人をも含むマスコミ(新聞,放送界)人に付け届けがなされ,彼らは自民党政権に都合のいい発言をして世論誘導をしていたという事実が判明したのです。当然メディアはそのようなことを大々的に報じるわけにはまいりません。したがって,大多数の国民(ネット難民)はそのような事実を知りません。騙されたままなのです。年間数万円も払ってガセネタを掴まされていたのです▼我が身を振り返ってみれば非常に不思議な巡り合わせのように思われますが,昨年8月の衆議院選で配られた民主党の候補者一覧の一枚のチラシがきっかけでした。或る候補者の写真が際立っていたのです。結果,彼についての飽くなき探究が始まりました。もしそのようなことがなければ,かく言う私も新聞やテレビの情報に汚染され,まんまとマスゴミに騙されていたことと思われます。しかしながら,よくわからないのは同じ日本人の中にアメリカ様に魂を売り渡した輩が沢山おり,日本の独立運動を邪魔するものが多々いることです。またNHKのニュースでも『アメリカとの関係を修復しなければ』などとアメリカ寄りの発言をしているのを聞いて,我が耳を疑いました。日本人はどこまで阿呆になってしまったのでしょうか▼思えば,某大学では学長が学生に向かって『自らの国際化,地域の国際化に努めよ』と声を大にし,今春国際化推進室を立ち上げたとのこと。完全な時代錯誤です。日本人はもうこれ以上国際化してしまったのでは日本人でなくなってしまいます。今大切なのは,『これ以上の国際化は止めよう』という積極的な論客の発言です。第二の菅原道真の出現が切に望まれます。猛暑の砌,くれぐれもご自愛ください。
| 横町の隠居 | 2010/08/19 10:42 PM |
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