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「民・自」ともに10%で、どうなる「消費税選挙」の行方 花岡信昭
参院選が24日、公示された。 「小鳩同時辞任」の劇的効果によって、菅直人首相率いる民主党ががぜん勢いを盛り返したようだが、このごろの選挙情勢は瞬時にして変わる。

テレビ・ネット時代で、情報の伝わるスピードが速くなり、要人のちょっとした失言などが起きると結果を左右しかねない。 それにしても、消費税が選挙戦の最大の争点になるとは、予想外だった。

自民党は「10%」を打ち出し、これに菅首相がパクッと食いついた。菅首相にはそれなりの計算があったのであろう。 鳩山前首相が普天間問題にしろ、夢のような理想論に走りがちだったことから、一転して地に足のついた現実論を唱え、政権担当能力を示そうということか。

増税を掲げて選挙は戦えないというのが、政治の世界の常識であった。それを、民主も自民も同様に「消費税10%」を掲げるというのだから、状況の変化に驚かざるを得ない。

世論調査でも、消費税増税への一般の理解度はだいぶ進んできたことがうかがえる。

消費税が前面に出てきたことで、民主党にとっては、普天間問題での鳩山前政権の稚拙な対応や「政治とカネ」問題をわきに追いやることが可能になった。 まったく異質のテーマをぶつけることで、それまでの対決課題を薄めてしまうという高等戦術である。

思い起こせば、政治記者時代、消費税(時期によって、一般消費税、売上税などと称された)では、きりきり舞いさせられたことが多い。

*「大型間接税などあり得ない」が常識だった

一般消費税として浮上したのが1978年、大平政権当時であった。 あれからもう32年だ。大平正芳首相はこれによって生命を縮めた。

あの当時、筆者が勤務していた産経新聞では、ワンマン社長が週に1回、現場記者から報告を聞く会議を開催した。編集担当役員をはじめ、幹部がずらりと勢ぞろいする。社論会議と称したが、われわれは「御前会議」と呼んでいた。

筆者はちょうど社歴10年ぐらいのころで、なぜか報告者として呼ばれることが多かった。一般消費税がテーマとなったときの情景をいまだに覚えている。 夕刊フジの代表が「増税などとんでもないこと。真っ向から反対キャンペーンを張り、つぶします」と述べたので、思わず口をはさんでしまった。

「夕刊フジはサラリーマンの新聞ではないのですか。サラリーマンにとって、一般消費税導入で所得税負担が軽くなり、可処分所得が増えるのなら、大歓迎していいはずではありませんか」とやったのだ。

会議室は凍りついたように静まり返った。ヒラ記者が夕刊フジ代表に異論を主張したのだ。幹部たちは一斉に社長のほうに向きなおり、その言を待った。

「そういう考え方も一理ある。十分、検討するように」

そんな指示だったように記憶している。こちらは若気のいたりで、思いを正直にぶつけてしまったのだが、あとで、幹部の一人から「社長がどやしつけるんじゃないかと、ひやっとしたぞ」と肩をたたかれた。

ことほどさように、あの当時はこの種の大型間接税などあり得ないというのが通常の感覚だった。 その後、消費税が内政テーマの主軸となっていく。

*消費税は日本の政界を揺るがす一大事だった
中曽根康弘首相は売上税導入を打ちあげたが、果たせなかった。 これが1986年だ。中曽根政権を引き継いだ竹下登首相により、89年4月、税率3%で消費税が施行された。

中曽根首相は衆院総選挙で300議席獲得した功績により、任期1年延長となって、5年の長期政権となった。後継者として、安倍晋太郎、竹下登、宮沢喜一の「安竹宮」3氏が浮上、中曽根首相がこの中から指名することになった。直前まで、われわれは安倍氏だとばかり思っていたが、指名されたのは竹下氏だった。

中曽根政権発足は田中派の全面的支持によるもので、当時、「田中曽根内閣」などといわれた。中曽根氏は竹下氏を指名することで、そのときの恩義に報いたのかとも思われた。

その後、かなりたって、竹下氏に「中曽根さんはなぜ竹下さんを指名したのか」と聞いたことがある。 「売上税だよ。やってくれるか、と何度も念を押すんだ」といった答えが返ってきた。

中曽根氏は3氏に導入の覚悟があるかを問い詰め、最もはっきりと「やります」と答えたのが竹下氏で、これが後継指名の決め手になったという。

その後、94年には細川護煕首相が突然、「7%の国民福祉税」を打ち出し、一夜でひっくり返った。 橋本龍太郎首相は97年、5%に税率をアップし、これが参院選敗北、退陣に結び付いた。 消費税は日本の政界を揺るがす一大事だったのだ。

*国民総背番号制の導入と切っても切れない関係

そう考えると、「消費税10%」が当然のように出てきた政治状況は隔世の感がある。 このごろは、直間比率の是正とか「クロヨン」「トーゴーサンピン」といった言葉を聞かなくなった。消費税論議の前提として、そうした「そもそも論」を改めて始めなくてはなるまい。

日本は戦後のシャウプ税制によって、直接税の占める比率が異様に高かった。納税意識の浸透という目的があったためだ。現在でも直間比率はやっと7−3程度になったほどである。 「クロヨン」とは、給与所得者、自営業者、農林水産業者の所得が捕捉される割合が9割、6割、4割とバランスを欠いている実態を指す。

これをさらに厳しい視点から見たのが「トーゴーサンピン」(10−5−3−1)で、「ピン」は政治家だ。 税の公平を確保する観点からいえば、まず納税者番号などによる「名寄せ」が必要だ。

一時、グリーンカードの導入が本格的に検討され、埼玉に大型コンピューターを入れる建物もできたのだが、金丸信氏のツルの一声で吹き飛んでしまった。 つまりは、国民総背番号制の導入と消費税が切っても切れない関係にあることが分かる。

税制は国家の財政構造を変えるわけだが、国民の意識にも重大な変化をもたらすのである。 国の借金がGDP(国内総生産)の180%、880兆円に達するという財政状況は看過できないところまできている。このままいくと、借金1000兆円、GDP比200%時代がすぐにも到来する。

私見をいえば、早期に「消費税20%」を実現させるべきだと思う。 その場合、当然ながら、所得税、法人税の大幅引き下げが前提となる。

所得税は各種控除などの面倒なことはやめて、高額所得者でも低所得者でも同率の簡素な税にすればいい。これによって、サラリーマンは可処分所得が増え、企業は国際競争力が増す。

*消費税への向き合い方で政局の主要プレーヤーに

消費税アップによって、個人にも企業にも活力が生まれることになる。20%の税率なら50兆円になる。一気に財政危機から脱出できるのだ。 消費税増税に対する反対論は「それより先にムダの排除を」とか、「年金生活者など弱者にきつい」といったものが大半だ。

議員定数の削減をはじめ、ぎりぎりまで歳出カットに努めるのは当然としても、これにはおのずと限界がある。その厳粛な事実を踏まえないと、消費税増税は現実のものとはならない。

弱者対策は別の視点から行えばいい。だいたいが、財政破綻にいたったら、社会福祉の水準は一気に低落するのである。福祉崩壊を未然に防ぐ意味でも、消費税以外に切り札は見当たらない。

国際的に消費税の動向を見れば、EU諸国ではおしなべて15〜20%である。25%という国もある。5%という超低率の消費税を実施しているのは、日本のほか、マレーシア、台湾ぐらいだ。

日本記者クラブが行った9党首討論会では、消費税増税に前向きの民主、自民に対して、ほかの政党のほとんどが反対した。

たちあがれ日本の平沼赳夫代表が「将来的に4〜7%引き上げ」、新党改革の舛添要一代表が「社会保障目的税化が条件」と主張したのが目立った程度だ。

消費税増税を主張する勢力が、いつの間にか、大勢となっているのだ。 新党の埋没現象などがいわれる中、消費税増税反対派が必ずしも多数派とはなっていない状況を注視する必要がある。

消費税への向き合い方によって、今後の政局での主要プレーヤーとなり得るかどうかが問われるかもしれないのである。

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