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売られ続けてきたポンドとユーロの先行き 古沢襄
EUは大変なことになっている。EUの中核であるドイツでは、ユーロの先行き不安からドイツ独自のマルクに戻るべきだという声もあがっているという。ドイツが抜けるEUは底なし沼に落ちる様なものだから、メルケル首相はEUとユーロを守ろうと地方選挙で訴えたが敗北した。

イギリスも労働党政権が退陣して、英保守党と自由党の連立政権がスタートしたがポンド相場は下がり続けている。遠いヨーロッパのお話ではない。EU各国はリーマン・ショック以降、景気対策のために国債を増発してきた。ようやく落ち着いてきたと思ったところに、ギリシア危機が発生した。ポルトガルやスペインにも波及するかもしれない。

不況脱出の景気対策のために国債の増発もやむをえないというのは、自民党政権の時代から続いてきた財政運営の手法だが、民主党政権になってからは選挙目当てのバラまき政策が加わって、国債増発が危険水域を遙かに超えてしまった。ギリシャに端を発したEU危機は日本でも起こり得る。

危機が生まれれば、国債は紙くずと化すかもしれない。私たちの世代は敗戦によって戦時国債が、ほんとうに紙くずになったことを経験している。だが、このパニックが起こっても、一部のはげ鷹ファンドはしたたかに儲けるとウオール・ストリート・ジャーナルは伝えている。

はげ鷹ファンドが虎視眈々と不安定なポンドとユーロのEU経済を狙っているのは確かであろう。日本の政情混迷が続けば、EUの次には日本も狙われる。普天間移設の騒ぎどころではなくなる。財政政策なき素人内閣を選んでしまった国民が、その時になってホゾを噛んでも遅すぎる。

<キャメロン英保守党党首はロンドンで異例な政治的混乱のあと、首相の座に就いた。ユーロ圏諸国は金融が底なしの淵に落ち込んだあと、1兆ドル(93兆円)近くの金融安定化策をまとめた。 これらは、あなたとあなたの資金にとって何を意味するのか。

要するにこういうことだ。この夏に英国か欧州を訪れることを考えているなら、持っているドルの一部をすぐにポンドやユーロに両替すべきだ。両通貨とも、9日の救済策につながる不透明さの中で長い期間下落してきたが、これは長続きしないかもしれない。実際、状況が見えてくるに従って、いずれの通貨もわずかに底値を上回った。11日のポンド相場は、キャメロン氏がブラウン首相の後継者になることが明らかになったあと、0.01ドル程度値上がりして、1ポンド=約1.49ドルとなった。

しかし、話を先に進める前に重要な警告を出す必要がある。休暇を海外で過ごそうと計画する私の友人らは時々、為替レートは次にどうなるのかと私に尋ねる。私はいつも、分からないと答える。私はほとんどの経済予測、見積もり、予想といったものに疑問を抱いている。年を取り、(おそらくは)もっと賢くなればなるほど、一段と懐疑的になってきたのだ。私はあまりにも多くの専門家の予測が外れるのをみてきた。

すべてのエコノミストやストラテジストが2004年、ポンドは対ドルで急上昇を続けると私に語っていたことを思い出す。幸運なことに私は彼らを無視し、ポンド相場が崩れる前にポンドをドルに戻した。

07年には経済危機の到来を予測していた一部の非常に賢い人々は、危機の結果ドルが崩壊すると私に話していた。実際は危機が来たときにドルは上昇した。

それでは私はなぜ今、ポンドとユーロは買いだと感じているのだろうか。

それは、メルケル独首相あるいはキャメロン英首相が次に何をするか知っているふりをしているからではない。投機筋の持ち高がユーロとポンドについて既にネットで大幅にショートとなっていることを為替市場のデータが示しているためだ。彼らは両通貨がずっと下落を続けない方に大きく賭けてきたのだ。

ダンスケ・バンクの分析によれば、この持ち高のネット・ショートは極端な水準に達している。そして市場においてはこれは強材料となる傾向がある。結局のところ、みながショートになれば、だれがもっと売るというのか。

両通貨とも既にずっと下落してきたのだ。

ポンドは年初の1ポンド=1.61ドルから下落してきている。07年末には2ドルを超えており、英国を訪れる米国人にとって物価は30%近く下がったことになる。

ユーロは1ユーロ=1.44ドルから1.27ドルに下がった。2年前には1.60ドル近くだった。

金融市場の仕組みを知っていれば、こうした相場の変動は驚きではない。大手投資家は不確実性を恐れる。そして欧州は彼らにたっぷりと不安を与えたのだ。

英国では先の読めない総選挙が行われ、その後に政治的空白が生じた。ユーロ圏ではギリシャなどの債務危機に直面し、ユーロ圏にはこれに対処できる政治的意思、あるいは政治的構造があるのかという深刻な疑問が生じた。

こうした状況では思惑やうわさ、それに恐怖心が出てくることになる。

もちろん依然として多くの不安はある。英国は多額の財政赤字に対処する厳しい措置を必要としている。それにもかかわらず同国は経験不足のリーダーと、政策が大きく異なる政党によって支えられなければならない少数与党による政府を持つことになった。同国では1年以内にもう一度総選挙が行われるとみる向きが多い。ユーロ圏の財政危機は解決されたのか、あるいは単に先送りされただけなのかという問題も残っている。

もちろん、何があってもおかしくないし、通貨は現在の水準からどの方向にでも動く。さらに、もし為替レートが購買力を反映するものであるなら、ユーロはおそらく1.10ドル程度にまで下げ続けるだろう。

しかし、もしあなたがユーロかポンドを買うのにいいタイミングを決めなければならないとしたら、これらの通貨が不透明さと思惑によって既に長い間下落した時点を探すことになるだろう。まさに現在のような時点だ。(ウオール・ストリート・ジャーナル)>

<ギリシャの財政危機をきっかけにした世界的な株安・ユーロ安が再び強まっている。先週末の欧米での値下がりを受けて、17日の東京市場では株価が一時、2カ月半ぶりの安値をつけ、欧州統一通貨ユーロは対ドルで約4年ぶりの水準まで下げた。欧州の各国政府などが10日に打ち出した緊急対策の効果は早くも薄れ、欧州経済への不安が再燃している。

17日の東京株式市場で、日経平均株価は一時、先週末終値に比べ304円下落し、3月4日以来約2カ月半ぶりとなる1万0100円台まで下げた。その後、買い戻す動きも出たが、終値は226円75銭(2.17%)安い1万0235円76銭。東京証券取引所第1部全体の値動きを示すTOPIX(東証株価指数)は同16.02ポイント(1.71%)低い920.43。出来高は26億1千万株だった。

東京外国為替市場でユーロ売りが止まらず、円高が進んだことから、午後に入って、欧州に製品を輸出する企業の株を中心に売られる動きが加速した。

東京外為市場のユーロ相場は対ドルで一時、2006年4月以来、約4年ぶりの1ユーロ=1.22ドル台前半まで下げ、リーマン・ショック直後の08年10月下旬につけた最安値(1ユーロ=1.23ドル台前半)を更新。対円でも1週間ぶりの1ユーロ=112円台に入り、午後5時時点で前週末同時点より3円24銭円高ユーロ安の1ユーロ=112円89〜93銭だった。

円は対ドルでも買われ、午後5時時点では同72銭円高ドル安の92円00〜02銭。

市場では、一連のギリシャ支援策をいったんは好感。その後も欧州中央銀行(ECB)の国債買い入れなど具体策が動き出したが、先週半ばに再び株売り・ユーロ売りの相場に逆戻りした。

ギリシャの財政再建などが計画通り進むのかどうかを疑問視する投資家がなお多いためだ。ギリシャ支援策に続いて、財政悪化が懸念されるスペインが公務員の給与を削る財政再建策などを発表したが、「(欧州各国が)緊縮財政を取れば、欧州での景気回復の下ぶれリスクが高まる」(みずほ証券の林秀毅グローバルエコノミスト)と景気の先行きを不安視する声も強い。(朝日)>

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