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ドン・オーバードーファーと伊藤正 古沢襄
北京の伊藤正氏の「北の暴走 食い止められるか」記事は、北朝鮮の金正日総書記訪中について戦後の中朝関係を俯瞰しながら解説している。共同通信社の外信部記者時代から一貫して変わらない中国観の持ち主だったが、ワシントン特派員頃から北朝鮮にも関心を持ったのではないか。

国際ジャーナリストとして傑出する人に共通するのは、過去の事実を検証しながら自分の視点を定める”歴史観”と、それを台本にして将来を見据える”先見性”ではないかと思う。元ワシントン・ポスト記者のドン・オーバードーファー氏は、その典型である。

伊藤正の解説記事は、読みようによっては特ダネ性のない解説だと斬り捨てられそうである。だが、私は伊藤氏も「ドン・オーバードーファーに似てきた」と思いながら読んだ。豊田祐基子さんによるとドン・オーバードーファー氏はシンクタンクで教鞭をとっていた姿を見たとか・・・。1993年にジャーナリズムの一線から退き、朝鮮半島の南北間の衝突と和解をめぐる四半世紀の歴史で、いくつかの著作を書き続けている。

伊藤氏にもそういう日がくるに違いない。

<4年4カ月ぶりに訪中した北朝鮮の金正日総書記に対し、中国側は破格の扱いをした。党政治局常務委員9人全員がそろい、それぞれが、出迎え、視察同行から会談、会食などに参加した。2000年以降の過去4回の訪中も同じだった。それは中朝関係の特殊性に通じている。

北朝鮮は異常な国家だ。ラングーン事件(1983年)、大韓航空機爆破事件(87年)など韓国に対するテロを実行、いままた哨戒艦沈没事件への関与が濃厚になった。外国人拉致、麻薬の密輸、ドル紙幣の偽造などの国家犯罪も数限りない。経済は破綻(はたん)、一般国民を飢餓と抑圧の中に置き、大量破壊兵器の開発に邁進(まいしん)、地域の平和と安定を脅かしている。

こんな国を甘やかし、支え続ける中国には、国内外から疑問の声が上がる。ある専門家にその疑問をぶつけたところ、特殊な中朝関係史から、北朝鮮を支援せざるを得ないとのことだった。

中朝関係は(1)新中国発足から毛沢東死去(49〜76年)まで(2)改革・開放前夜から中韓国交樹立(77〜92年)まで(3)それ以降から現在までーに大別される。朝鮮戦争で築かれた「血盟」関係は、毛沢東時代で終わり、改革・開放開始後は、離間が年々顕著になった。

その背景には、中国の対韓接近策があり、北朝鮮は対韓破壊活動に加え、ひそかに核開発に着手している。中国は、北の要請を無視して、ソウル五輪(88年)に参加、92年には韓国と国交を結んだ。最初の北の核疑惑が浮上した94年、金日成氏が死去、後継者の金正日氏は、核開発に没頭してきた。

金正日時代も中朝の離間は強まる一方だった。97年、北京訪問中の黄長●朝鮮労働党書記(当時)が韓国に亡命した事件は、金総書記の対中不信を決定的にしたといわれる。90年代半ばから深刻な経済危機に陥った北朝鮮に対し、中国は援助を惜しまなかったが、北側の対中不信を変えることはなかった。

2006年の北朝鮮の核実験で、中朝関係は新たな危機を迎えた。金正日氏は核をバックに、国際社会への挑戦的態度をとり、中国を困惑させている。中国側が懸念しているのは、北がさらに孤立し、経済困難を深める結果、北の体制が崩壊することにある。

金正日総書記の訪中を中国側が繰り返し要請したのは、核実験で悪化した両国関係を修復し、各国と協調して経済再建を図るよう促す狙いだったとみられる。6カ国協議への復帰もその一環だ。

中国側の危機感は、首脳会談における胡錦濤国家主席の5項目提案にみられた。その中で胡氏は、重大な問題での意思疎通と国際・地域問題での協調強化を求め、地域の平和と安定を守らねばならないと強調した。核実験はむろん、哨戒艦沈没事件のようなことを起こすなとの警告ともいえる。

温家宝首相は金総書記との会談で、北朝鮮の経済発展と民生改善を支持するとし、中国の改革・開放の経験を紹介したいと述べている。これは軍事優先の「先軍政治」を批判し、中国の改革・開放に学べと言っているに等しい。

金正日総書記は胡、温両氏に賛意を表したが、北朝鮮側の会談詳報は5項目提案も、改革・開放のくだりも省略している。権力を息子に世襲し、金王朝の持続を目指す金総書記にとって、改革・開放は危険な選択だし、核開発も北の内政問題という立場だろう。

中国は根気強く、北の変化を促す方針のようだが、北の暴走はいつになったら止まるのか。●=火へんに華(産経)>

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