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首相「鳩まね」に共産党「どの面下げて沖縄に」 阿比留瑠比
《ああ、同情深い者たちにおけるよりも大きな愚行が、この世のどこで行われただろうか?また、同情深い者たちの愚行以上に多くの悩みをひき起こしたものが、この世に何かあっただろうか?》(ニーチェ「このようにツァラトゥストラは語った」)

さて、私は安易に他者の「思い」や「気持ち」を分かったような顔をして口に出すのが嫌いです。それは、その相手自身を単純化・類型化して決めつけた上で、それを理解・尊重している自分は道徳的に優れた立派な人物であると暗にアピールし、かつ自己陶酔しているにすぎないことが少なくないからです。

もちろん、他者を配慮し、尊敬の念を持って扱うことは大事だと思いますが、それをことさら、自分の美点のピーアールや信念(?)披瀝の材料・道具とし、てんとして恥じない姿を見ると、何と羞恥心に欠けた、他者を心の底では見下したやり方だろうと感じることがしばしばです。たとえご本人は、自分のことをヒューマニズムあふれた素晴らしい人間だと感じていたとしても。

今回の米軍普天間飛行場移設問題に関してもずっとそれと似たことを考えています。私自身、過去に沖縄に7回前後出張し、名護市でも現地の市議や住民の意見を聞いたり、議論したりしたことがあります。古い話ですが、沖縄サミット取材時には、最終日に同僚たちと現地のスナックに打ち上げに行き、そこで働く女性から「安易に『沖縄の心』と言ってくる人は信用できない」と聞き、やはりそうだろうなと感じたことを覚えています。

まあ、何が言いたいかというと、やたらと沖縄県民の「思い」や「気持ち」を連発したあげく、解決に向かっていた問題をひっくり返して事態をどんどん複雑化し、袋小路に追い込んでいるように見える鳩山首相のことについてです。4日にようやく就任後初めて沖縄を訪問する彼は昨夜、この期に及んで記者団にこう語りました。

「大事なことはやはり、国民のみなさんの声、特に(普天間の移設問題に関しては、沖縄の県民のみなさん方の声、これを大事にしたいと。今日まで私もその思いで行動してまいりました。沖縄の県民の、住民のみなさんのお声を大事にしたいと。その意味でもうかがいたい」

「これは連立与党の中で当然すりあわせは必要だと思います。今もすりあわせをいろいろと行っております。ただ、やはり考え方、それぞれの政党の特徴がございますから、その考え方も大事にしたいとは思っております。これからもすりあわせをしていきながら、政府の考え方を1つにまとめていきたい」

…彼はつい先日は、「まず米国の理解を得ることが大事だ」と言っていましたね。主観的な彼の「思い」の中では、これらは矛盾することなく実現できることなのでしょうか。この言葉を聞いて同僚記者は、「首相は、自分が何を言っているのか分かっているのだろうか」と頭を抱えていました。

もう、これ以上なにを書いても空しいばかりなのですが、彼が29日に「国際生物多様性年イベント」で披露した鳩の「形態模写」はあまりにも、形容しがたくグロテスクで無惨なものでした。首相としてうんぬん以前に、芸人でもない還暦すぎたいい大人が人前で恥ずかしげなくやることかと。

これについては、私の周囲の反応も、普通に日本国民としての怒りや恥ずかしさを表明するよりも、「見なかったことにしたい」「何も言いたくない」という、もはやコメントすること自体が煩わしく汚らわしいというものが多かった気がします。

私自身は率直に、気がおかしいのかとまず感じ、かつ、こういう醜態を自ら演出してしまう人に「沖縄の思い」を口にされたら、沖縄県民も迷惑だろうし、腹が立つだろうなと思いました。少なくとも、私が沖縄県民だったら、「来るな」と言いたくなります。本当のところ、鳩山氏は壊れかけているのかもしれませんが。最近の彼の目つき、表情は明らかに異常・異様なものを感じますし。

鳩山氏は、やはり29日の連合のメーデーであいさつした際には「時計の針を逆に戻そうという力が徐々に強まっている」とも述べました。私はこれを聞いて、彼は被害妄想に陥っているのではないかと受け止めました。自分が勝手に引き起こした混乱・混沌は、すべてメディアをはじめとする他者のせいだと思いこんでいるような…。

で、昨日、共産党の小池晃参院幹事長の記者会見内容を読んでいて、私の感想と非常に近い部分があったので、ここで紹介します。なんか最近、共産党の主張に妙にシンパシーを感じます。やはり、現政権があまりにも旧社会党・社民党的なので、社民党よりは共産党の方が整合性があり、明快な分、しっくりくるのかもしれません。

「一体沖縄に行って、何を語るのかということですよ。言葉悪いけど、どの面下げて沖縄行くんですかと。だって国外、最低でも県外だというふうに言っていたわけですよね。それが今の案というのは、腹案というのはついにだいたい明らかになってきたけれども、辺野古の海に埋め立てではなくて、くい打ちだと。一体何がこれが検討の結果なんだと、私は本当に県民を愚弄することに他ならないというふうに思います。

で、沖縄に行くんだったら、私も日曜日の県民大会、出席をして、本当に地鳴りのような沖縄の県民の怒りの声を肌で感じました。鳩山さん、沖縄に行くんだったら、その沖縄の思いをしっかり、こう、鳩の物まねなんかしてないで、沖縄の思いをしっかり受け止めて、それをアメリカに伝えるっていうのが、あなたの仕事ではいかと」

脱力、倦怠、諦観、虚無感、無関心、無感動…。鳩山氏を見ていると、さまざまなマイナスの感情に囚われそうになります。今回の沖縄訪問についても、ある民主党議員は、「鳩山は県庁までいきつけないで、立ち往生するのではないか」と予想していました。そして、「辞めるよ」と。まあ、この予想通りになるかどうかは分かりませんし、参院選まで居座るかもしれませんが、「史上最低の総理」の名声は歴史に、そして日本人の脳裏に深く刻まれることだろうと思います。

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