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小沢一郎氏を読み解くキーワードとは 阿比留瑠比
依頼があったので、3月5日発売の新潮45別冊「『小沢一郎』研究」に雑文をしたためました。かかわった人間が言うのはナンなのですが、かなり面白い本に仕上がっていると思うので、紹介しておきます。

私が書いた記事はこんなものです。編集部の注文で、「親中反米」をキーワードに、主に外交について書いたものです。編集部がつけた「小沢氏には、中国も米国も、日本ですらどうでもいいのだ」というイントロ文が、私の書いた趣旨にぴったりでした。

目次は以下の通りです。で、執筆者たちの文を読んでいて、意外というかやはりというか、小沢氏自身とその政治手法についての見方で共通するものが多々あったので、私が勝手に抜粋したハイライト部分を紹介しようと思います。

あくまで私の独断と偏見によるテキトーな部分切り取りではありますが、「反体制」「人間不信」「民主集中制」「社会・他者への侮蔑・軽視」「ニヒリズム」…など、小沢氏の言動からはみな似たにおいを感じとるものなのだなと、改めて感じた次第です。ちょっと安心した部分もあります。

■ジャーナリスト、櫻井よしこ氏「小沢さん、あなたはそれでよいのですか」

《氏は、父佐重喜氏が祖父の不行跡ゆえに極貧の中で「食うや食わずで育った」と『語る』(文藝春秋)の中で吐露している。佐重喜氏は貧しさゆえに「反体制的な考え方」に傾き、「戦後の経済万能主義の社会や政治を嫌悪し」、「エスタブリッシュメント」に「非常に強い反感を持っていた」と小沢氏は振り返り、自身も「潜在意識の中では、体制に対する批判がものすごく強い」と告白する。 このくだりは、小沢氏を理解するうえで深い意味を持つ。》

《氏の主張は、冷戦時代のソ連共産党が実践してきた民主集中制そのものである。指導部を民主的な選挙で選んだあとは、党執行部が政策を決め、議員らは単に賛成票を投じるだけというのが民主集中制である。》

《権力とカネに執着する小沢氏は、氏が仕えた権力者、田中角栄と同じく、根本的なところで人間不信なのである。》

■編集中対談「渡辺喜美VS櫻井よしこ」

《渡辺 権力闘争と政策の実現のどちらがメインなのかよくわからない。権力闘争が自己目的化してしまっているという解釈も成り立ち得る。だって、透けて見えてはいけない話なんですよ、これは。あくまで表は表でなければいけないのに、裏が透けて見えるところが小沢さんの不幸なところでしょう。》

《渡辺 つまり、中国との戦略的互恵関係を構築するという作戦が根底にあるのではなくて、やはり自分の権力のデモンストレーションが優先されているのではないか。アメリカからお誘いがあると、「オバマ大統領はそれなりの時間をとって、会ってくれるんでしょうね」とすごむあたりは、小沢さんの面目躍如だなと思います。要するに、戦略が先なのか権力の誇示が先なのか、そういうところがよく分からない。》

■ノンフィクション作家、保坂正康氏「天皇」

《今回、小沢の天皇の意思を一方的に忖度する発言や土地購入の話などを聞きながら、この政治家は――奇妙な表現になるが――自らの利益につながることならどのようなことでも厭わない政治家なのだと改めて思った。その発言や証言は面白いことにすべて自分の利害得失からスタートしているという点では、きわめてわかりやすいといえるのかもしれない。》

《小沢発言の天皇の意思を忖度するという姿勢の背景には、師・田中角栄に通じる天皇観が読みとれるのではないだろうか。陛下はこう思われるに違いないとの認識は、自らがもっている天皇像を具体的に示しているともいえるし、天皇に対してあなたは私たちの助言や承認によって動けばいいのだという理解につながっていることがわかる。》

■政治評論家、屋山太郎氏「田中角栄」

《党内を覆うのは恐怖政治の空気である。物言えば唇寒し。そのかわりゴマをすると、評価は上がる。小沢本人から「いや、あいつには地位をやってる」というせりふを聞いたことがある。「それなのに何をびゃーびゃー文句言うんだ」と。そのときほど小沢という政治家の本質を体臭として肌で感じたことはない。ああなるほど、そういう考え方をするのか、と。人を使うのに、地位の欲しいやつには地位、金の欲しいやつには金を与える。「これは角さんだ、全くもって角さんだ」。そう恐れ入ったことを覚えている。》

《彼には、政治家の持つべき倫理性が決定的に欠如、欠落している。角栄と同じ発想、根性なのである。庶民道徳、常人の倫理観、常識からはかけ離れている。結局、我々に小沢という人間がなかなか理解できないのはそこだと思う。》

■不肖、阿比留「親中反米」

《小沢氏の日頃の言動からも「国連至上主義」からも、日本と日本人への蔑視、嫌悪感のようなものが感じられるのは事実だ。》

《知事選の帰趨が日米関係に与える重大な影響を意識しつつ、沖縄県民の反基地感情を煽っている。ここまでくると、小沢氏は政治的マキャベリストというよりもニヒリストであり、アナキストではないかと感じる。》
《小沢氏の考え方と政治手法は、いったん民主的に指導部(者)を選んだら、後はその決定に無条件に従わなければならないというものだ。このやり方が、レーニン主義を引き継ぐ旧ソ連や中国共産党などの「民主集中制」にそっくりであることは、「駐日中国大使館関係者が『わが国と民主党は似ていますね』と話していた」(官房長官経験者)ことからも明らかだ。

そういう意味で、小沢氏は中国に親近感を覚えているのかもしれないが、それだけで中国に接近してきたわけではないはずだ。結局、小沢氏にとっては自分の地位と権力を固め、自身に都合の良い環境を整備することがすべてであり、日本も中国も米国も、実はどうでもいいのではないかと思えてならない。》

■ノンフィクション・ライター、上條昌史氏「政治家、小沢一郎が誕生するまで」

《(大学)二年生のとき、クラス文集を作ったことがあり、「我がクラスの紳士録」という欄を設けた。その中で書いた一郎への寸評は次のようなものだった〈第一印象は、まあなんと虚無的な顔をした奴だろう。人生のすべてを知りつくしたような第一印象。でも、ちょっぴり子ども子どもした点があるな。大人と子どもの同居の型かな?〉》

《一郎は今なお永田町で語り継がれる珍事を引き起こしている。国会に初登院するとき、幼稚園児のように母親を伴って現れたのだ。母親同伴で国会へ行くのは国会議員としては前代未聞の出来事であり、爛泪競灰鶺聴瓩箸靴沌葫蕕気譴發靴拭》

■ノンフィクション・ライター、君島文隆氏「小沢一族の深き闇――実母を巡る謎と『朝銀信組』の金」

《(小沢氏の母の実家である)荒木家のある親族が、昭和61年5月、自宅を担保に朝銀千葉信用組合(登記簿には千葉朝鮮信用組合と記載)から3億5000万円を限度額とする巨額の融資を受けていたことがわかったのだ。》

■ジャーナリスト、内海武一氏「乳母、姉が語った『人間・小沢一郎』」

《(家政婦だった)早川サク 私になついてくれました。毎日いっしょに寝ていました、夜になって私の布団にそっともぐりこんで来ては抱きつくんです。「おばちゃんといっしょだとあったかい」と言われてね。》

《姉 実は几帳面な人間。あまり知られていないと思いますが。たとえば、子どもたちがベーゴマで遊んでいても、遊び終わるとそのベーゴマをきちんと整理してしまうんです。そんなことでもしっかりやらないと気がすまない性分。》

■政治ジャーナリスト、岩見隆夫氏「小沢一郎・政界40年『我が闘争』の軌跡」

《利権政治家、破壊的改革者、戦略家、独裁者の四つの属性はバラバラでなく、当然有機的につながっている、と私は思う。つなぎ目の糸は何だろうか。ひょっとすると、人間嫌いのニヒリズムではないか。》

《政治家志望の目的は体制変革にあった。体制、という言葉を小沢はよく使う。エスタブリッシュメントに対する嫌悪も口にする。既成の権力機構、権威的組織を指しているのだろうが、それは自民党そのものか自民党の支持基盤である。》

《父・佐重喜、田中角栄ほどに苦労はしていないが、もっとも強く感化されたこの二人に共通する人間不信が、小沢にも伝染していたと思われる。側近との訣別のケースが異常に多いのも、他人を信用しない性癖によるとみるほかはない。小沢にとって不幸なことだった。》

■精神科医、名越康文氏「不確かな父性 小沢一郎現象を読み解く」

《小沢さんは数冊の著書を通して、若い政治家に『信念を持て』と説く。そのためには『二十四時間政治家であれ。とことん有権者と付き合え』といいます。実に明快で強烈で、ぶれないメッセージです。興味深いのは、小沢さんにとっての狄念瓩箸浪燭覆里が具体的には語られない点です。》

■タレント、ビートたけし「顔が全てを語っている」

《この人はしょせん選挙屋としか呼べない人でしょう。野球賭博のハンデ師とか、そういうタイプだね。現場で野球をやっているわけではないのに、「勝った」「負けた」だけで騒いでいる。ハンデ師のくせに偉そうな顔をしている。》

《小沢さんという政治家はテキ屋としての手腕は見事だけど、何一つ国のことを考えてないんじゃないか。「普通の国を目指す」とか言っていたけれど、言っていることの内容は区会議員レベルだよ》

《結局、小沢一郎というのは、票にさえなれば、誰にでも頭を下げるし、何でもやる。品物を売るためにはどんなことでもやる商売人と同じ感性の人でしかないんだ。》

■衆院議員、小池百合子「日本よ 小沢ルールから抜け出せ」

《小沢氏の20年間は、日本の失われた20年とぴったり重なる。さらなる混乱は、世界史における日本の存在を危うくするものとなるであろう。》

《さて次のゲームは何だろうか。小沢ルールによる小沢ゲームにずっとつき合い続けるわけにはいかない。》
■「政経調査会」主宰、佐藤昭子氏「『田中角栄』と『小沢一郎』」

《田中は地べたをはいずる苦労を人生で経験してきた。世間の裏も暗さも辛さも全部知っていて、ある種の人間としての諦観を持っていた。だから、「おまえ怒ったってしようがない。そういうもんだよ」とよく言ったものだった。その点、イッちゃんは弁護士のお坊ちゃんで、人生の本当の厳しさを味わっていない。》

■第76・77代内閣総理大臣、海部俊樹氏「三たび交えた私が感じるどうしようもない小沢の性癖」

《田中派では、親分が黒と言えば、白でも黒になるというギャングもかくやの掟がまかり通っていました。「それが嫌なら出ていけ!」というわけです。しかし、出ればつぶされるから、みんな黙ってしまう。どこかで見聞きした話でしょ?そう、小沢一郎のやり方ですよ。》

《物事がまとまりかけると、自分の存在価値が低くなるから、つぶす。つぶすためには、横車でもなんでもゴリゴリ押して、荒れるなら荒れるでよろしい――小沢はそんなことを繰り返しました。》

《あの壊し屋に関わるとほとほと疲れる――三度、小沢一郎と交えた私の正直な感想です。人の陣地に手を入れて、誘惑してその気にさせておいて、壊す。あの性癖は、死ぬまで治らないのではないでしょうか?あそこまでいくと、もう病です。》

■文芸評論家、福田和也氏「不逞な不遜、小沢一郎の裁かるる日」

《崇高なもの、尊重すべきものを前に頭を垂れ、自らを省みるというような敬虔さが、ひとかけらもないのだ。》

《政治に関わる人間がもつべき、最低最小の謹厳さ、権力を振るうことへの緊張と恭敬が欠けているのだ。公務とそこに付随する権勢を一体のものとして扱い、誇示し、利用することについて、何の畏れもないのだ。》

《その獰猛さ、強靱さは、人間性にたいする、国家社会にたいする、文明にたいする、不逞きわまりない侮蔑、侮りによって成り立っている。政治を、国家を、国民を舐めきっている。》

■評論家、遠藤浩一氏「『反小沢』不在の悲哀」

《なんだか強面で指導力がありそうに見えるけれども、人間としての中身は空疎で、小心、薄情、独善的、傲慢、二枚舌、自分の罪は子分になすりつけるとくれば、人が離れていくのも当然である。》

《国家の上に党を置くのは全体主義に特有の構造である。ナチス支配のドイツ、旧ソ連、旧東欧諸国、現在の中国と北朝鮮、いずれも基本的に同じ構造を有している。これらの国では軍隊は国家ではなく党に所属している。小沢氏の国連至上主義は日本国及び日本人は信用しないが諸国民の公正と信義(すなわち国連)は信頼できるという点で、まさに現行憲法と同じイデオロギーを体現したものと言える。》

《彼らは着実に手続きの簡素化を進め、「民主集中制」に向かう一方、醜聞に対する感覚を麻痺させ、外国人参政権や夫婦別姓など国家や家族の根幹にかかわる制度変更を強引に進めようとしている。政権を取ってしまえば皇室もそれに従うのが当然とまで言い放っている。何かというと「民主主義」を叫ぶ一方で、選挙に勝ったら何でもありというのは、これまた、全体主義に特有の光景である。》

■作家、曽野綾子氏「小沢氏の表現力の危機」

《私が感じたことは、小沢氏は他人の能力を見下す癖のある方なのかな、ということだった。つまり「そんな説明で人を納得させられる」と思う方なのである。普通の人間は、嘘をつく時はもっと必死になる。それこそ「ない知恵」絞って現実味を与える。》

《つまりこの程度の証明にもならない説明をしておけば世間は納得するだろうというなめ方が、今回の事件を大きくしたのである。》

…しっかし、この程度のどこか空虚な人物が政界の最高実力者であり、この手の本が緊急出版される現代日本社会というのはある意味、不幸だなとも平和だなとも感じてしまいますね。さて、本業に戻るか…。

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