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自民の断末魔、「特大敵失」にも打つ手なし 花岡信昭
*いったん寝たら、どんなことがあっても起きるな!
前回コラムで、「潮目」を本物にできるかどうかは、自民党がカギを握っていると書いた。どうやら、自民党は「潮目」をつかみ損ねたようだ。

長崎県知事選、町田市長選で自公支援候補が大差で勝ったことから、自民党にがぜん有利な状況が生まれたかのように見えた。谷垣禎一総裁が音頭を取って「戦いのときはいまをおいてない」と、果敢に審議拒否戦術に打って出た。

ところがわずか3日で審議復帰とは、いったいどういうことか。

議会制民主主義の建前からすれば、審議を積み重ねてこそ議会である、ということはだれしも分かる。そこを審議ボイコットという強硬手段をとったのだから、いまさら「審議拒否は国民の支持を得られない」といった批判にドタバタする必要はない。すべて承知のうえで、国会攻防の大転換を目指したのではなかったか。

前回も紹介したが、国会の隠語として、審議拒否を「寝る」、審議復帰を「起きる」という。いったん寝たら、どんなことがあっても起きるな、というのが国会攻防の鉄則だ。

つまりは、寝たままにしていれば、相手があらゆる手を使って起こしにきてくれるのだ。

こういうたとえはよくないだろうが、古女房に「会社に遅れるわよ。起きなさい」と布団をひっぺがされるといった光景よりも、美女がやさしく顔なんかをさすって、「ねえ、起きましょうよ」とやってくれるほうが、願望としてはよほど楽しい。

*「公家集団」出身・谷垣総裁の脆さが露呈
自民党はこれができなかった。1週間でも2週間でも寝たままで動かない、というタフな神経が必要だった。国会を混迷に陥れれば、多数を制している民主党側が「起きる」ための算段をあれこれつくってくれる。国会とはそういうものだ。

そういう構図が出来上がれば、自民党は民主党から一本取ったということになる。自民党の存在感を誇示できる。それが、何らの果実も得られないまま、3日で起きてしまった。

谷垣氏は「公家集団」と揶揄されてきた自民党の伝統派閥・宏池会の出身だ。正直言って、切った張ったの世界には疎い。そのもろさが、こういう重要な局面で出た。

衆院議長の不信任決議案、議院運営委員長の解任決議などを出したところで、民主党が圧倒的な多数を持っているのだから、通るわけがない。民主党から多少でも賛成者を引きずり出せれば、それなりの効果はあったことになるのだろうが、それもなかった。

予算の組み替え動議には、子ども手当の廃止、消費税を含む税制改革、公共事業上積み、高速道路無料化の中止、八ツ場ダム中止の撤回......といった重要なポイントが含まれている。

財政危機を打開し、ばらまき政策をやめて「小さな政府」を目指すというのであれば、これは保守主義政党としての基本に沿うものでもある。

民主党のつくった予算では日本をだめにするというのだが、残念ながらと言うべきか、一顧だにされなかった。メディアの扱いも極めて小さなものだった。

*自民は民主・資金疑惑連発の"好機"も生かせず
かくして、新年度予算案は3日、衆院をいともあっさりと通過した。

これで予算の年度内成立が確定した。30日後に自然成立するためだ。参院では30日待たずに可決、成立させることになるだろう。

参院で民主党会派(国民新党などを含む)は自民党離党者を入れて過半数に達している。参院の独自性なるものを発揮して、30日以前に採決に持ち込むはずだ。

なんのことはない。国会攻防の練達者がずらりと揃っていると思われていた自民党が、手も足もなくひねられているという構図が浮き彫りにされただけだ。

民主党側には、鳩山首相(民主党代表)と小沢幹事長の巨額政治資金問題がある。内閣支持率の続落はこれによって引き起こされた。

そこへ北海道教職員組合から民主党の小林千代美衆院議員側に1600万円の違法献金が渡っていたという事件が表面化、組合幹部ら4人が政治資金規正法違反容疑で逮捕された。

民主党の代表、幹事長、議員という3段階のレベルで政治資金をめぐるスキャンダルが並んだのである。

民主党にとって、これ以上の厄介な局面はないといっていい。これを攻撃する自民党側には、格好の材料が出揃ったはずなのだ。

*日教組・自治労幹部の逮捕は民主にとって大きな痛手
北海道教組の不祥事が民主党にとって手痛いのは、参院選対策のため全国行脚に専念する小沢幹事長に代わって党運営の指揮を執る輿石東参院議員会長が日教組出身という事情もあるためだ。

小林議員陣営の会計責任者で今回、違法献金を受け取ったとして逮捕されたのは自治労北海道本部の財政局長である。

日教組、自治労とも、民主党の有力な支援母体だ。そこの幹部がごそっと逮捕されたのだから、民主党にとっては痛恨事であるはずだ。

北海道教組は日教組の中でも最左派に属し、尖鋭的な政治行動で知られ、日教組本部でももてあますほどの存在ではあったらしい。

輿石氏は今夏の参院選で改選を迎えるが、6年前の選挙では地元・山梨で県教組ぐるみの選挙運動を展開したとされ、当時の県教組財政部長らが政治資金規正法違反で略式命令(罰金)を受けている。

北海道教組の事件は、これを思い出させることになり、支持労組との「癒着選挙」が民主党批判の格好のターゲットになりかねない。

*新党構想の舛添氏も自民に愛想を尽かしたか
もっとも、輿石氏をあえて擁護するわけではないが、「日教組の大ボス」的存在と見られがちではあっても、その政治手腕はなかなかのものである。でなければ参院を束ねることなどできようがない。

自民党側の青木幹雄氏ら参院幹部も輿石氏には一目置いている。小沢氏もそうした輿石氏の力量を見込んで、党務を委ねたのである。

その点だけはあえて付言しておきたい。こういう事件が起きると、十把ひとからげで指弾されがちだが、政治的力量の見極めは冷静、冷徹に行っていかないと、政治展開を見誤ることになるからだ。

ともあれ、自民党はこれだけの「特大敵失」を前にして、有効な手をまったく打てないままだ。野党になると、かくも存在感が薄れるのかと慨嘆せざるを得ない。

だいたいが中堅幹部クラスの動きがまったく見えてこない。

民主党側には閣僚など日の当たる重要ポストにいる人が多いから、いやでもその動向はメディアに登場する。自民党側にはこれがない。

世論調査で人気の高いのは舛添要一氏だが、日本外国特派員協会の講演で党内事情を批判、谷垣総裁の辞任要求や新党結成の可能性にまで言及した。野党転落以後の自民党に愛想が尽きたといった思いなのではないか。

*鳩山邦夫氏が政界関係者に送った「不思議な手紙」
かと思うと、鳩山邦夫氏が政界関係者に一斉に郵送した不思議な手紙が話題を呼んでいる。長男の太郎氏(短期間、東京都議を務めたことがある)の支援要請である。

「私の父、威一郎の後を継ぐつもりなのか、参議院の全国区を視野に地方行脚をくり返しております......実際に立候補して堂々たる選挙戦を展開できるかどうかは、いまだ未知数であり、今後の本人の心がけ次第でありましょう」

鳩山氏の言う全国区とは比例代表のことだが、自民党は比例代表候補をこれまでに23人公認したものの、太郎氏は含まれていない。

鳩山氏がこの段階でこういう手紙を出すのは、自民党執行部に対して太郎氏の比例公認を認めさせようというデモンストレーションか。

もし、自民党が公認しなかったら、公認してくれる「新党」がありさえすれば、そちらに走るのではないか。党内では、そんな憶測が飛び交っているのである。

かつて、自民党最大派閥だった田中派・竹下派の合言葉は「一致結束箱弁当」だった。派閥総会で箱弁当の昼飯を食べ、結束を誓い合うのである。いま、自民党内にはそういうムードはほとんど見えない。求心力よりも遠心力、分裂機運が見え隠れする。

*公明が民主に接近か、小沢氏が学会幹部と会談
すでに、自民党の参院議員5人が離党した。

田村耕太郎、長谷川大紋、山内俊夫、吉村剛太郎、松田岩夫の5氏だ。山内、松田両氏は今期で引退するが、田村氏は民主党に、吉村氏は国民新党に入党している。

そうした一方で、小沢氏が2月26日、創価学会幹部と会談していたことが明らかにされた。

公明党は細川政権当時、小沢氏と「一一コンビ」として関係が深かった市川雄一元書記長を常任顧問として復帰させた。

米軍普天間基地の移設問題などで社民党が連立を離脱した場合、公明党との連携が一気に浮上する。これに備えたものであることは言うまでもない。

そうした民主党側の動きをなすすべもなく見守るだけの自民党では、なんとも寂しい限りである。

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