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日本固有の文化文明を壊す『夫婦別姓法案』に反対 桜井よしこ
民主党の小沢一郎幹事長らの強い指導で推進されているのが外国人参政権法案である。これは民主党の政策集「INDEX 2009」には書き込まれていたが、選挙に際して掲げられたマニフェストからは削除された。同法案の問題点についての国民の理解は進み、危機感も強まっているが、その陰であまり注目されていないのが夫婦別姓法案である。

夫婦別姓法案も、民主党政策集に記載されているが、マニフェストには載っていない。双方共に、日本社会に深刻な負の影響をもたらすと思われ、それだけに有権者の反発を買い選挙には不利だとして、マニフェストに盛り込むのが見送られた経緯がある。

民主党の夫婦別姓法案では夫婦は別姓、子どもは父母どちらかの姓になる、複数の子どもがいる場合、子どもの姓は、父母どちらかの姓に統一するという内容だそうだ。ただし、従来の民主党法案は、子どもごとに父母どちらかの姓を選択することになっていた。

なぜ、こんな法案が生まれてくるのか。夫婦別姓を是とする人びとのなかに、女性の自立や人格の尊重を理由とする人は少なくない。仕事を続けるとき結婚によって姓が変わるのは、通常、姓が変わらない男性に比べて不公平で女性の権利の侵害だとする声もある。

後者については、現在も許されている「通称」で解決する問題ではないか。結婚後も旧姓で仕事を続けることは可能で、その実例も少なくない。

前者の理由についても、歴史を振り返り、他国の例を見れば、姓が変わることをもって「女性の自立や人格」が損なわれるという考えが的はずれであることがわかる。

韓国では、結婚後も女性は旧姓を名乗る。女性運動が華やかだった1960〜70年代に、韓国の事例は女性蔑視の例として語られたものだ。差別するがゆえに、夫と同じ姓を名乗らせず、族譜(家系図)にも載せないのだといわれた。

その説明の正否は、ここでの重要事ではない。重要なのは、韓国の場合も含めて、すべての国の家族制度のあり方は、その国の文化文明、価値観を反映しているということだ。日本には日本の家族制度があり、それは私たちの文化文明であり、先人たちが長い期間をかけて築き上げた価値観だ。

では、日本の女性たちは自立もできず、人格も尊重されずに生きてきたのか。答えは否であろう。日本の女性たちが、同時代の欧米の女性たちに比べてどれほど力を持っていたかについて、多くの人びとが書き残している。渡辺京二氏の『逝きし世の面影』(平凡社ライブラリー)には外国人が見た日本の女性の生き生きとした姿が多出する。長岡藩の城代家老の娘、杉本鉞子の『武士の娘』(ちくま文庫)には、日本の女性たちが手にしていた現実生活における力の程が描写されている。

そしてもう一冊、磯田道史氏の『武士の家計簿』(新潮新書)には、武士の家庭における俸禄(給料)の配分の実例が示されている。おカネの配分はすなわち力の配分である。

それによると、一家内での女性の取り分は驚くほど多い。俸禄を稼いでくる本人よりも妻や母、祖母のお小づかいのほうがはるかに多いのだ。前述の鉞子は、妻は銀行家でもあると書いたが、女性が家の経済を差配したということだ。このような日本の社会の実態を見れば、民主党の夫婦別姓法案の必要性や根拠は揺らぐ。

同法案の源をたどれば、その考えは戦後の占領政策の下で行われた徹底的な家制度の破壊に行き着く。現在、私たちが直面する多くの問題が家庭の破壊に端を発するという側面を持つのは周知だ。今必要なのはよい家庭を築く努力を社会ぐるみで行うことであり、さらなる家庭の崩壊と社会基盤の液状化をもたらす夫婦別姓を推進することではないのである。(週刊ダイヤモンド)

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