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『鳩山不況』を日本経済が乗り切る方法はあるのか 宮崎正弘
手続きのスタイルだけ変革し「交替」のイメージ政治では不況突入を逃げられまい。鳩山首相の辞任は時間の問題となったように見受けられる。

しかし彼が野垂れ死にしようが、オザワが捕縛されようが、この不決断政権が産んだ「鳩山不況」は、これから本格化するだろう。

財政出動、公共事業拡大をなすべきときに正反対の縮小財政やるんだと財務官僚に振り回され、せいぜいが「事業仕分け」の猿芝居。経済をわかっていない政治家の群れが、アイディアの枯渇した財務官僚と組めば、こういう惨状に陥ることは火を見るよりも明らかだった。

簡単に言えば需給バランスは供給過多、実需不足。それがデフレを産む。銀行に眠って投資に向かわないカネがおよそ120兆円。いま、日本経済がおかれている立場は悪質なデフレ経済である。女性エコノミストの誰だかが言った。「ユニクロ栄えて国滅ぶ」と。

こうした危機的なデフレ状況に、政府はインフレ対策のごとき金融通貨政策。金利を上げると良いのに、ゼロ金利に据え置き、円高に対しても独自の為替介入はなく、ひたすら米国の指示待ちという状態だ。ゼネコン業界は「オザワダム」をのぞいて、プロジェクト軒並み凍結という『前原ショック』から立ち上がれない。

いまの小鳩政権は「維新」でも「革新」でもなく、やっていることは事業仕分けや普天間基地み直しなどに見られるように「この政権にみられるのは政治手法の変革である」(佐伯啓思「日本の行く末」<『新潮45』、正月号巻頭論文>)。前政権とスタイルが違うだけ、政策の基本は同じ、現状維持、先送り政治である。

日本のみならず世界経済を見渡せば、米国は展望がますます暗く、失業率は10%を超えて消費は落ち込み、地方銀行は現在までに113行が倒産、来年(2010)は500行を越える、と予測される。

日本に当てはめると地銀、信組が軒並み経営不振となると地方経済はガタガタとなりシャッター商店街しか残らないように米国の地方都市の廃れ方もひどいことになっている。回復の兆しはない。オバマ政策の元で『繁栄』している分野は『戦争産業』くらい?

▲『ユーロ高』の修正はあるか?
欧州は筆者がマーヒトリヒト条約前後に予想したように「ユーロ」加盟国の経済が明暗を分け、統一通貨の分裂という潮流が明確に予兆される(拙著『ヨーロッパの悪夢』『新生ドイツの大乱』)。

ユーロの矛盾はスペイン、ギリシアに顕著。統一通貨であるために、身丈を超える通貨価値によって国内産業が壊滅にいたり、マーヒトリヒトの取り決めである財政赤字GDP3%以内という数字を守れる国は僅か。

とりわけ、スペインの失業は19・3%、ベルギー11・9%、EU加盟国平均9・8%に達し、息切れが明らかとなり、「ユーロ」からの離脱もシナリオに加わってきた(数字は英誌エコノミスト、12月19日号)。通貨発行は主権行為であり、これを共通通貨にゆだねるのは主権放棄に繋がる。

そこまで理解しながらもユーロを強行したのは独仏主導、アンチ米国感情の噴出にほかならず、その上、加盟国を増やしたために旧東欧諸国の経済も根底を脅かす。

EUが採用したユーロ高政策はロシア、産油国からのエネルギー輸入のためとはいえ、矛盾が露呈した。産油国は全面的なユーロ切り替えを躊躇った。
 
アジアに目を転ずれば、西アジア産油国は09年11月に突発した「ドバイ・ショック」によって深刻な金融危機に陥り(とくにサウジ、UAEなど)、ドルに代替するかに思われたユーロ決済は伸びず、人々は金投機に向かう。金は史上空前の高値を日々更新している。

イスラム金融でかろうじて経済を拡大させてきたマレーシア、インドネシア、パキスタン、そしてインドのイスラム圏にも悪影響がおよび、98年アジア通貨危機前夜のごとく。

インドは西ベンガルにおけるマオイストの跳梁にすっかりつむじを曲げ、過去数年の中国との密月に終止符が打たれる可能性もでてきた。

加えて中国が高性能武器をパキスタンへ輸出し続け、インドの安全保障上の脅威となっており、あまつさえ印中友好時代にインド各地へ潜り込んだ中国人工作員がインド国内でのスパイ活動など暗躍も目立つようになったという。

▲中国のひとり勝ちはいつまで続くのか
ならば中国はどうか。中国は「ねずみ講」(ポンジスキーム)的な経済構造となっていて、特権階級は未曾有の繁栄を謳歌し、国有企業の私物化、恣意な株式上場による資金調達をして、蓄えた資産を米国やスイスへ送っている。

上場で謳われた資金調達を設備投資に回さず海外投資に振り向けたり、私腹を肥やす輩があとを絶たない。中国経済とは賄賂、汚職の虚構のうえに成り立ち、強気の公共投資と金融緩和は、表面的なブルドーザとクレーンの乱立で景気回復、世界経済牽引を装ったものの、内実は崩壊寸前、じつは不良債権を天文学的に積み上げただけ。

民間投資で目立ったマンションとて中産階級が購入した住居はひびが入り、傾き、水道、電気がまともに機能せず、おからビル。訴訟、倒壊事故が各地に続発している。いまの不動産と株高は最後のババを誰に掴ませるかといゲームである。来年はドバイショックにつぐ『上海ショック』に見舞われるだろう。

▲日本はどうするのか?
日本はデフレ・スパイラルという悪性の螺旋階段にあって、しかも鳩山不況という経済無策の政権が判断を間違えた諸政策を、むしろ一番タイミングの悪いときに繰り出すから、事態はますます悪化する。

GDPは個人消費、民間設備投資、政府支出の公共事業に加えて経常収支の黒字がかさなって集計される。日本の個人消費は落ち込み、しかも値下げが続くからGDPはマイナスとなり、民間設備投資はマイナス2%(ゼネコン事業がないから当然であろう。

しかもトヨタもホンダも新工場は中国へもっていく)、輸出純増による経常黒字までが激減となれば、のこるは財政出動(政府支出)による公共事業の急拡大しかないではないか。

八ン場ダムは止めるのでなくあと八つ造っても良い。核融合プロジェクトを維持拡大し、スーパーコンピュータも、リニアも何もかも復活する必要がある。補正予算が緊急に必要であろう。

こういう際には農業への投資拡大に加えて防衛産業のテコ入れも視野にいれておくべきである。

そもそもデフレ不況の基本原因は30年前の水準にまで後退してしまった公共事業を元に戻し、ゼネコンを活性化させ、GDP8−10%前後(1980年は対GDP比10%、現在はGDPの4%)にまで高めるほかに、この急場を凌ぐ手だてはない。

また老朽化した隧道や橋梁など抜本的修理の必要とされる道路関連プロジェクトも数万件と言われ、これらを後ろ向きにしか見ない鳩山政権の経済政策は愚鈍の最たるものと言わなければならないのである。

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| 宮崎正弘 | 06:16 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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