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”大きな政府”と”小さな政府” 古沢襄
鳩山政権初の来年度予算は概算要求で戦後最大の九〇兆円を遙かに超すという。財源として国債増発が避けられないが、同時に増税も避けられそうもない。国民が”大きな政府”を選択したのだから、当然の帰結といえる。EU諸国と同じ消費税や国民福祉税の高い水準をやはり覚悟する必要がある。

税金は安く、福祉や年金は高くという虫のいい話は通らない。

政権交代をしたのだから、マニフェストで約束した公約を実行しようとする民主党の姿勢は正しい。問題は、その財源措置にあるが、麻生前政権が作った景気対策のための大型補正予算で不要不急ののものを凍結して刈り込むのも正しい選択である。しかし、どう刈り込んでも三兆円には届かないという現実がある。

さらに税収の大幅落ち込みが予想されるから、緊急措置として国債の増発して、二段底を迎えようとしている景気悪化を避けるのも当然のことである。いずれも”大きな政府”に舵を切った民主党政府が当面する課題である。

自民党はここぞとばかり”小さな政府”の主張に立って論戦を挑むであろう。しかし”小さな政府”では、中福祉、中負担しか望めないのも自明の理である。加えて選挙で惨敗した自民党には力がない。国民は高福祉を望んだのだから、高負担に耐える覚悟が求められる。

EU諸国はそれに耐えてきた。しかしその担い手だった中道左派政権は、ここにきて相次いで退場し、市場原理をとり入れた中道保守政権が誕生している。日本は一周遅れて中道左派政権が誕生させたが、それを今更否定しても仕方ない。

EU諸国の経験に照らして可能なかぎり持続する中道左派政権を目指す必要があろう。それが政策破綻し、国民が新たな選択をすれば、政権交代によって政策転換をすればいい。民主主義というのは時間がかかる制度だが、同時に国民意識が試されることも忘れてはならない。

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