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アフガン出兵せずに中国は鉱山開発 宮崎正弘
アフガニスタンの血の犠牲の影で、最も裨益するのは中国。戦争の隣で中国企業はアフガニスタンの鉱山開発、それを守る米兵。

オバマ政権は依然としてアフガニスタンへの四万人増派に慎重である。

現場ではマクリスタル司令官が「増派がないと勝ち目はない」と語り、ゲーツ国防長官はホワイトハウスに早期決定を促し、ところが与党・民主党が反対するばかりか、早期撤退論に転換、さらに皮肉にも野党・共和党が増派賛成という奇妙な政治構造に陥った。

アフガニスタンにおける犠牲は増えつづけ、米兵の死者は800名を突破、NATO軍が数百。

一方で、兵力を派遣していない中国は、はやばやとカブール南方の銅鉱山開発に着手し、(このアイナク鉱山には鉄鉱石、金、銅のほか宝石類の埋蔵が確認されており、中国の国有企業が数億ドルで落札)、そのサイトを米兵が守備している。

アフガニスタンの経済復興の目玉でもあり、巨大なジレンマのなかで米、NATOの苦肉の選択である。

しかし米国内には「安保ただ乗り論」として嘗ての日本の替わりに中国批判がぼつぼつと登場し始めた。「アフガニスタンへ西側が安全保障の理由から深く介入したことが、中国の戦略的野望の実現に貢献する」(IHI,10月8日。ロバート・カプランが寄稿)。

  ♪

(読者の声)貴誌2733号で英紙インデペンダントの記事に対して、宮崎さんが「謀略的な報道の類いでは?」との分析。賛成です。

インペンデント・UKを読んでいたのですが、タブロイド版を出して成功したころから、そのセンセーショナル(このドル追い出し記事も)な書き方に抵抗を感じるようになった。

謀略好きのイギリス人にテイラーした高級趣味の中道左の三流新聞です。昨年から部数落ちて22万部ぐらいで、4位かな。

ザ・デイリー・テレグラフが84万部ぐらいで、リベラルのガーデイアンが36万部ぐらい。どれも、現在、財政困難ですね。

さて当該記事ですが、ガイトナーらの借金財政を牽制したいのでしょう。絞首刑が妥当のグリーンスパンまでが、「税金を上げろ」と言い出す始末ですから。

さて中国の成長は永久に続きますか?人間だけは有り余るが、輸出に頼っている経済ですから、今持ってる3兆ドルを原資に、安い資源を買いまくる。そのお返しに、武器〜航空機〜バス(ジャマイカで乗ったバスは中国製だった)〜コンピューター〜携帯電話器機〜玩具までの中国製品を買ってもらうという計算のようです。

多国との通商を滑らかにしたいがために、RMBを世界に認めさせたい。日本も、高い人件費でモノを作って売る時代じゃない。アフリカ〜オーストラリア〜ロシア〜イラン〜イラクへと資源買いに出かけるべきなのです。

米・中・日の資源獲得競争の時代です。だが、鳩山民主党政権の安直な経済政策(ないに等しい)では、船底のキングストン弁を抜くがごとし。(伊勢ルイジアナ)

(宮崎正弘のコメント)この場合の「船底のキングストン弁」とは鳩山船長の日本丸では、いずれ自沈するという意味ですね。アメリカからご覧になる日本はかくも悲惨な状態ですか。

十年とちょっと前、シチリア島のパレルモのホテルに三泊し、夜ひとりで暇なので、バアへ行ってウィスキーを飲んでいたら偶然、英国からきていた老婦人と知り合って二時間近くお喋り。彼女は教師あがりの年金生活者で相当教養のある方とみました。

ケルトの末裔で、誇り高きケルトの伝統を維持するために孫にもケルト語を教えていると言った。それからロンドンのフリート・ストリート(新聞街)の話題となったので、「イギリスの新聞は何が良いか、あなたは何を読んでいるか」と尋ねると、彼女は即座に「インデペンダント」と言いました。

あの時代、まだ『インデペンダント』紙には知的権威が残っていたということでしょうね。

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