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円高より中国の国債に注目している 宮崎正弘
世界の金融界は円高より中国の国債に注目している。これで人民元は本当にハード・カレンシー入りが出来るかどうかの試金石。

人民元建て中国国債を、しかも香港で売り出した。空前の60億元。投資家からどれだけの人気が集まるだろうか?

中国国債を中国いがいの国や地域で発行するのは初めて。香港は特別行政区とはいえ、独自の行政長官、基本法があり、法律が異なり、表現の自由が残存し、いやなによりも、香港は国際金融センター。

それゆえに中国は香港を大事にしてきた。その香港で、中国は赤字補填のための国債を人民元建てで発行する。

問題点は次の通り。

一、二年物国債利率は2・25% 三年物が2・7%。いずれも国内より高い金利が設定されている。(中国本土の利率はそれぞれ、1・82%,2・31%)

二、「国債」であるからには中国政府が元本保証と思いきや、これは政府保証がつかない(そんなことあり?あるんです。中国ではナンデモアリですから。券面にはこう謳われている。「満腔の誠意と中国政府への信頼とで」。この謳い文句、米ドルの券面を思い出しますね。「IN GOD WE TRUST(神を信ずるのみ)」ですから)。

80年代前半から中国の地方債を日本の邦銀は3000億円近く引き受けた。地方政府が保証するとばっかりおもって買いまくり、結局デフォルト。地方政府は知らん顔だった。日本の銀行は大損害を被り、爾後、中国の儲け話には基本的に乗らない。

三、誰が買うのか?
いまのところ幹事行が中国銀行と中国交通銀行。誰がいくら買ったかは顧客情報だから秘密の上、香港で人民元口座をもつ個人か機関しか購入できない。

結局、いくら売れ、いくら売れ残ったかの公開は10月22日になる。それまでは誰が買っているか、外国の機関投資家がどれだけ買っているかの情報は伝わらない。

肝要なことは、これは人民元を国際カレンシーの仲間入りになるか、どうかの試金石でもあり、売り切れになれば、いよいよ人民元がアジア全域で通用する時代の幕開けである。

もし売れ残れば(今年二回、中国国債は売れ残った)、表向きの「中国の時代」という勇ましさとは別に、世界からの信頼はまだ薄いという実態を映し出すことになる。結果の公表が待たれる。

日本のマスコミは円高のことばかり報じているが、いま世界が注目しているのは人民元の挑戦である。

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