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民主党政権への3つの懸念 佐藤鴻全
◆景気は中折れか?◆
本日の総選挙投開票結果によって、民主党勝利、民主中心連立政権樹立が決まった。この機に、来るべき民主党政権への内政、外交軍事での懸念事項について検討することとする。

先ず内政としては、現政権与党だから当然ながら基本的に無駄遣いは無いとする自民公明より、現財政に無駄遣い有りとする新与党民主の方が、どこまで出来るか別にして増税に依らない財源を探し出し新しい政策を打つ余地はあるだろう。

ただ、景気動向への影響としては、民主党のマニフェスト等によれば、平成22年度からですらガソリン税等の暫定税率廃止(2・5兆円)等の他には完全実施されるものが少なく、子ども手当は半額支給(2.7兆円)、高速道路無料化や医師不足対策は段階的実施となっている。

最低保障年金(1人月7万円)を中心とする年金制度改革に至っては、4年間掛けて制度設計の上決定し、40年かけて完全実施するとのことだ。

一方、麻生内閣の今年度補正予算については、民主党は具体的には「基金」の創設中止等のみ謳っているものの、基本的に執行凍結を図っていく模様であるため、その間相当な総需給ギャップが生まれる。

加えて、民主党政権で財務大臣就任が噂されるのは、例えば旧大蔵官僚出身で財政均衡論者の藤井裕久氏であり、財政再建の道筋は具体的に示していないものの基本的に緊縮財政気味のマインドを持つ岡田克也幹事長はじめ、中堅若手には小泉改革初期にその緊縮財政に拍手喝采したものが多い。

財政均衡論は中期的には目指すべきものだが、経済危機の最中に行うものではない。

民主党の言ってることをそのまま行えば、現在残念ながら政府支出と輸出の改善に頼る日本経済の景気の中折れはほぼ必至である。

ハコモノ撤退を選挙演説で叫ぶ鳩山民主党にどんな具体的な手があるか、諸政策の前倒しを含め空白の期間を埋める対策を相当規模で行う必要が出てくる。

◆給油中止とアフガン地上部隊◆
外交防衛問題では、民主党は先ずアフガニスタンで試される。

民主党は、海上自衛隊のインド洋での給油活動について、新テロ対策特別措置法の期限が切れる来年1月で活動を終了、海自を撤退させる意向だ。

国際貢献と対米協力として、代わりに「国連原理主義者」の小沢一郎氏が党代表時代に考えていたのは、国連の「明確なお墨付き」があるアフガニスタン国際治安支援部隊(ISAF)に地上部隊を派遣する事だった。

一方で小沢氏は「武力ではアフガニスタンを治められない」とも発言しており、小沢氏の流れを汲む鳩山代表が考えているのは自衛官、警察官、医師、技術者、NGOボランティア等の混成部隊の派遣のようだ。

これらにより、小沢氏は米国への従属を排しながら、米国と国際社会へ貢献を行うことにより、理念の実行とプラグマティックな外交的実利の両立を図ろうとした。

米国のオバマ政権は、アフガニスタン安定のため、掃討部隊を増派している最中である。

最近の米国内の世論は、アフガンの「ベトナム化」を嫌い、むしろ撤退に傾いているが、オバマ大統領は更なる大規模な増派に前のめり気味だ。

オバマ氏がアフガンに拘る理由として、1)昨年の大統領選挙でのイラクからの撤退主張で有権者から弱腰と見られないようにするため、2)軍産複合体の要請、3)政権の後見役で、外交政策の重鎮ズビグニュー・ブレジンスキー氏等の考える要衝の地であるアフガン確保の地政学的戦略、4)正式に表明している通りテロとの戦いアフガンをテロリスト世界拡散の元凶と見ているため、等が考えられる。

恐らくは、真の理由はこれらが融合したものと見るのが妥当だろうが、オバマ氏の中での上記1)2)3)4)それぞれの割合、優先順位が分からない。1)の理由が薄れてきた以上、オバマ氏はタイミングを見てアフガン漸次撤退に向かうのか?

しかし、その場合オバマ氏がケネディー元大統領のような運命を辿らないかは、誰にも分からない。

そのため米国自身の今後のアフガンへの関わり、アフガンの行く末が不明であり、日本が国連の錦の御旗の下とはいえ混成地上部隊を送ることは、隊員の生命は勿論のこと、アフガン国民からの敵意、国際世論の評価等、相当なリスクが伴う覚悟が必要だろう。

◆米中急接近への対処◆
外交防衛問題で長期的に大きな視点で取り組まなければならないのは、米中急接近への対処だ。

中国の軍幹部が米国側の海軍幹部に太平洋二分統治を申し出る等、中国のパワーが増大している。

昨秋のリーマンショックによる世界同時不況の後、潜在的内需と膨大な景気対策を背景に中国経済だけが元気な状況だ。

世界は大きく中国内需頼みになり、オバマ政権は中国と急接近している。

ヒラリー・クリントン国務長官は、景気対策を賄う米国債を買ってもらうために中国の人権問題に五月蝿く注文を付けなくなり、米中は急接近し「G2」と言われるようになった。

かつて自民党の加藤紘一氏や小沢氏が「日米中三角形論」を唱えた時は、「日米関係を蔑ろにするのか」と国内各界で批判を浴びたものだが、最近ではその三角形にも入れて貰えないほど米中蜜月化が進んでいる。

日本は存在意義を失わないために、何かしら三国間の中で役割を見付けなければならない。いや、むしろ役割を作りださねばならない。

産業界を例にとるなら、富士フィルムがデジタルカメラの浸透で役割を失ないかけている中、現像技術を応用して化粧品ビジネスに活路を見出すような大胆な方向転換が必要だ。

大きな画としては、長期的には米国から中国へのパワーシフトが避けられない以上、軍事面でのその動きを出来るだけ遅らせること、中国が民主化なしに強大化することを避けること、米国がソフトランディングすることを助けること、新しい世界秩序の妥協点を見出しそこへ向けて世界を動かすこと、貿易・国際金融・通貨の新しいルール作りに積極的に関わること、米中間の調整をすること、環境・新エネルギー技術の供与等が考えられる。

これらのことを行うための基礎固めとして、先ず日本の主体性の確立が必要である。核の傘は別として、それ以外の自主防衛の構築は避けられない。

米国も一枚岩ではないが、コスト削減のため極東から駐留軍を削減する大きな流れは変わらないだろう。

貿易立国として、先進的技術をより加速するとともに、国際的発言力を増すために、国際貢献、とりわけ現地の民衆に感謝され長く記憶に残るようなものの促進や、国際世論を味方につける戦略性等が必要だ。

◆民主党に改革は出来るのか◆
連立を組むであろう社民党の一国平和主義的志向や、党内の前原誠二氏を筆頭とする従属的親米論傾向、鳩山氏や岡田氏自身がかつて初期小泉改革を礼賛していたような市場経済市場主義や緊縮財政的傾向、逆に農政族等による保護主義的傾向やナショナルミニマムを超えた社会主義的傾向等々、政権内側の混乱がある。

これに、マスコミ、新野党の自民公明等外側から、「左派と右派」、「親米と反米」、「自由経済と社会主義」、「緊縮財政とバラマキ」、「保守と革新等」のレッテル貼りの単純化された二分論が襲いかかる。

これらに惑わされて右往左往するのが、これまでの民主党の姿だった。

しかし真実は二分論の中にはない。また、足して2で割る日本流のなかにもない。

役割を終えた旧来の構造を壊し、その中の相矛盾する要素を分解し、それらの特徴を生かし組み合わせて、機能する新しい構造を作り上げること。

れが、改革の本質に他ならない。

具体的な対策を打って経済を中折れさせずに、諸政策を通し「ナショナルミニマムを伴う自立社会」への改革に繋げてゆくこと、米国の恣意性や混迷に巻き込まれないようにしつつ「日米間の対等な関係」に具体的目鼻を付けること、主体性を確立し日米中、国際社会の中で役割を確立し「国際的大義を伴った長期的な国益の追求」を目指すことが民主党への懸念を振り払う道である。

中途半端に旧来の社会構造を壊し、新しき構造の建設なく放置プレーをした事を持って「構造改革」と称した偽物の改革者の時代は去った。

民主党が真の改革者になれるかは、ひとえに各議員の情緒に惑わされない理念的思考の確立と責任感、そしてそれを評価する国民の姿勢に掛かっている。

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