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「こんな国に」が欠けている 岩見隆夫
8月。政治決戦の夏、いよいよ本番だ。お盆も忘れてしまう動乱の8月は、33年ぶりになる。あの夏、ロッキード事件で日本中がひっくり返っていた。この国はどこに行ってしまうのか。

初めての<首相の犯罪>に愕然(がくぜん)としたのだったが、今年は初めての<首相の選択>だ。政治腐敗も手に負えないが、選択はもっと難しい。

各党のマニフェスト(政権公約)がほぼそろった。この国をどうする。細かな約束も大切だが、次の主要6党のキャッチフレーズに注目する。

 ▽日本を守る、責任力(自民党)
 ▽政権交代−−国民の生活が第一(民主党)
 ▽生活を守り抜く(公明党)
 ▽「国民が主人公」の新しい日本をめざす(共産党)
 ▽生活再建(社民党)
 ▽輝け日本!(国民新党)

登場する言葉の回数が日本3、生活3、国民2、つまり似ている。キャッチフレーズが魅力的かどうかは、わかりやすいだけでなく、人を引きつける迫力がほしいが、それが乏しい。

6党とも政党側の決意表明に終わっていて、肝心の<こんな国に>が欠落しているから引きつけないのだ。

ある論戦シーンが印象に残っている。01年5月14日の衆院予算委。質問者の麻生太郎自民党政調会長が、就任ほやほやの小泉純一郎首相に問いかけた。

「総理は日本を変えるという、その変える国はどのような国を考えておられるのか」
小泉の答弁はとりとめない。麻生が続ける。

「幕末の倒幕思想の中心をなしたのは、佐久間象山の弟子の2トラ、一人が吉田寅次郎、のちの松陰、もう一人が<米百俵>で最近脚光を浴びている小林虎三郎だ。

この思想を結果的に実行していったのが伊藤博文以下の政治家で、伊藤が松陰の門下生だったとはいえ、この人が思想家だったわけではない。

今回、<第3の開国>と言われているが、ここの思想の部分がいちばん大事で、われわれ頭の雑駁(ざっぱく)な政治家には手に負えない。総理はどう考えるか」

小泉は、
「万機公論に決すべし、と言うが、多くの知恵のある方々の……」

などとかみ合わない。麻生はいいところを突いていた。しかし、7年後、逆に問われる首相の立場になると、それこそ雑駁な発言を繰り返し、<強く明るい国>などと思想性と無縁のことしか言わない。

麻生の2代前の安倍晋三元首相が唱えた<美しい国>は不評だったが、それでも国造りの含意が多少はこめられていた。どんな国をイメージしながら、政治のかじ取りをするのかを国民は知りたい。

「ひと口で言って、あなたは日本の将来の姿をどんなふうに」
と聞かれ、16年前、新党さきがけを旗揚げした武村正義は、

「小さくともキラリと光る国を目指す」
と答えた。小国主義を標榜(ひょうぼう)したのは戦後、新党さきがけだけで、同党に参画した田中秀征は細川政権の時に、「質実国家」という目標を編み出した。

目標は当然いろいろだ。国民がそのなかから選ぶ。順風の民主党も<子ども手当>のレベルを並べただけではおぼつかない。

国家ビジョンをひと口に凝縮するのは確かにむずかしい。民主党首脳は、
「以前は学者が考えてくれたのに、最近はそれがない」
とぼやくが、学者頼みでなく、各党とも琴線に触れる言葉を絞り出してほしい。(敬称略)

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