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鳩山一郎元総理の追想 古沢襄
鳩山一郎元総理の孫に当たる民主党の由起夫氏(代表)と自民党の邦夫氏(前総務相)が、このところ新聞紙面によく登場する。この二人は良くも悪くも祖父・一郎の性格を見事に受け継いでいる。違う点といえば、鳩山元総理は空前の”鳩山ブーム”を呼んだ国民的な人気があったことであろう。

昭和34年3月11日に亡くなった鳩山一郎氏の自民党葬が東京体育館で行われた。六〇年安保の前年だが、五〇〇〇人の参列者の前で、女婿の渡辺暁雄がタクトを揮い「英雄行進曲」を日本フィルハーモニー交響楽団が演奏したあと、五〇〇〇人が賛美歌を合唱した。その強烈な印象が今でも残る。

鳩山一郎氏は秀才といわれた。また”お坊ちゃん政治家”と生涯言われ続けた。お坊ちゃん政治家の資質は由起夫氏も邦夫氏も受け継がれて、秀才の名は邦夫氏にもある。だが、一郎氏には国民の多くから愛される大衆性があった。

昭和13年のことになるが、一郎氏は政友会の八代目総裁に擬せられたことがある。対抗馬は中島飛行機の社長だった中島知久平氏。順序からいっても、政治経歴、人気からいっても一郎氏が上であった。しかし自由主義者とみられていた一郎氏に軍部が反対工作をした。軍部の鼻息をうかがう代議士たちが切り崩しにあって、寝返りが続出し一郎氏は総裁の座を逸した。

戦後、昭和21年4月の初の総選挙で一郎氏の日本自由党は第一党になった。だが、総理大臣を目前にして5月にGHQ命令で追放処分を受けている。二度にわたって桂冠を目前にしながら逸している。悲劇の政治家といわれ、一郎氏の政治生命が、これで絶たれたと世人が思ったのは無理はない。昭和26年に一郎氏は脳出血で倒れた。皮肉にもこの年に一郎氏の追放令が解除されている。

一郎氏が追放令を受けた時に曲折があったが、親しかった吉田茂氏に後事を託した。交渉に松野鶴平が当たったが、吉田氏は政治に興味があったわけでない。ゴネル吉田氏に/融不干渉∋餠發凌看枳詰儉いやになったら勝手にやめる・・・三条件をつけて納得させている。吉田氏は松野氏に対して「一郎氏が追放令が解除されて、やれるようになったら、いつでも辞めると伝えてくれ」と言っている。

だが総理大臣になって吉田氏は政治好きになった。追放令が解除された一郎氏は約束を守る様に働きかけをするが、ワンマン政治に執着した吉田氏に跳ね返され、「吉田君はダボハゼのようにずるい奴だ」と憤懣をあらわにする。

これを苦労なしに育った一郎氏のお坊ちゃん性と酷評する声が吉田側近から出ている。

当の一郎氏も「僕のことをお坊ちゃんとだというが、僕はお坊ちゃんたることがいけないとは思わない。変にがさつで、うるおいがないのは僕はきらいだ。議会の中にいても、人と話していても、むやみにがさつな者にぶつかると、僕はしみじみ悲しくなる」とさえ言った。

一郎氏の鷹揚さと人づき合いの良さは天性のものだった。新聞記者の間でも一郎フアンが増えている。それが”鳩山ブーム”を生んだと思う。戦前の帝人事件など臭い話はあるが、政治家として明朗で、くせのない、比較的に清潔な政治家というのが、鳩山一郎氏の人気が衰えない秘密ではないか。貴族主義的でワンマンと呼ばれた吉田茂氏の不人気とは対極をなす宰相だったのは間違いない。

宰相となった一郎氏は吉田政治のアメリカ中心の外交から転換し、懸案であった日ソ国交回復を成し遂げた。日本の独立確保という視点から再軍備を唱え、改憲を公約にしたが、一郎氏が唱えると極端な反対論が党内から出なかったのも人柄が為せる技だったかもしれない。由起夫氏と邦夫氏が祖父を超えるには、まだ時間がかかりそうである。

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