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マスクは誰のためか 石岡荘十
第一次オイルショックのときだったか、トイレットペーパーはじめ、白いものがが無くなるという風評が飛び交い、買い占め騒動がおきたことがある。結果的にあれは流言蜚語の類だったが、いま、関西地方を中心にマスクの買いだめ現象がおき、売り切れになるところが続々だという。

いうまでもなく、新型インフルエンザの国内感染者が蔓延しつつあるとマスコミが速報で煽るものだから、いざ一大事、家族を感染から守ろうと庶民がマスクの買いだめに走った結果である。

しかし、本メルマガ(5/17)でも紹介したように、WHOやCDC(米疾病センター)の見解は「マスクで新型インフルエンザを防げるというのは、神話であり、事実、インフルエンザ防止にマスクが役立ったという歴史的なデータはない」とプレスリリースで発表している。

そのせいか、今回の騒動の“震源地”で死者も出ているあるメキシコや、隣のアメリカの様子を報じるテレビ映像を見ても、マスクをしている市民は少ない。

一方、国内感染第一号が出たと報じられている神戸はじめ関西地方の市民は、少なくとも3人に1人はマスクをしているという報告があるだけでなく、政府のガイドラインにしたがって地方自治体の首長が、「マスクをせよ、学校を休校にする、外出をするな」と記者会見で呼びかけ、国家非常事態さながらの騒ぎである。

海の向こうと日本では、なぜこうも違うのか。そもそも、マスクというと西欧では顔全体を覆うフルフェイ・スタイプのものをいう。

少年のころ読んだあの不気味な「鉄火面」(原作 アレクサンドル・デュマ)の翻訳物を思い出すが、近年では、「オペラ座の怪人」、仮面舞踏会の仮面、野球のキャッチャーマスク、フェンシングのあれのようなのが「マスク」のイメージのようだ。

眼の下から顎までだけを覆うマスクは、「サージカル・マスク」つまり(手術用の)外科マスクといって区別し、一般的には「感染者がウィルスを飛散させないためにする」という用途に限定されている。

日本のように予防目的で健康な人がマスクをするのは珍しいというのが、世界の常識である。あちらでは医学専門家の間でも推奨されていないという。

自分を守るためにするのか、風邪を引いた人が他人(ひと)に迷惑をかけないために、マスクをかけるのか、考え方に違いがある。

だから、この時期NYあたりに出かけてマスクをしていると、こんなふうに警察官に誰何されるかもしれない。

警察官「汝、感染者なりや」
旅行者「否、余は感染者に非ず」
警察官「ならば何故、マスクを使用するや」
旅行者「我国では、予防のため使用する也」
警察官「奇怪! 理解不能。我と同行せよ」

こんなトラブルに巻き込まれ「ちょっと来い」ということになるかもしれないから、どうしてもマスクをしたいのなら、こんな問答を想定した英語をどなたかに作ってもらって、あらかじめ学習しておいた方がいい。

ところで、国内感染者が何人になったと逐一報道するのは無意味。それどころか、いたずらに危機感をあおるだけだと苦々しく思っている。

熱が出て疑わしい人は、最終的に新型インフルエンザと確定するためには、ウイルスの遺伝子の配列を調べる。PCR検査法といわれ、これで陽性となるとクロと判定される。しかし患者の症状はいろいろであり、微熱があるが医療機関には行かず、安静にしていたら治ってしまったという人もいる。

国や地方自治体が、本気で“蔓延”の程度を把握したいのなら、全国民にPCR検査をしたらいい。交通安全週間の違反の取締りと同じように、キメ細かく検査をすればするほど何万、いや何百万という灰色の患者が出てくるだろう。

この人たちのシロ、クロを判定することは物理的に不可能だ。だからといって症状がたまたま出た人だけを対象に判定した結果を、あたかも全体の実数だという印象を与えるのは、明らかに誤報だ。

WHOは「今回の新型インフルエンザは毒性も低く、通常の季節インフルエンザと変わらない」として冷静な対応を求め、異常な対応を戒めている。

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