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おかしな国内感染者対応 石岡荘十
予想通り、海外に渡航歴のない人に、ついに新型インフルエンザの国内感染者が出た。「予想通り」というのは、潜伏期間1週間といわれているから、船で行き来する時代ならともかく、この時代、いかに厳密な水際作戦を展開しても、帰国した時点でまだ発症していない人を含め、100パーセントチェックすることは理論上不可能のだからだ。

事実、まるで月面に降り立った飛行士の宇宙服のように防護服に身を固めた検疫官が、水際で補足できたのは数人に過ぎない。そして今回の国内感染である。

そこで、産経新聞が「心強い」と拍手を送った政府のガイドラインでは、国内感染者が出た段階でどのような対策を展開ずることになっているのか、点検した。

ガイドラインは、正式には「新型インフルエンザ対策行動計画」という。鳥インフルエンザ騒動の時作られ、これを基に今年2月、改訂版を書いた。A4で69枚のもので、まず総論で、背景、流行および被害の想定、対策の基本方針とくる。そして各論では、

・ 第一段階 海外発生期
・ 第二段階 国内発生早期
・ 第三段階 感染拡大期/まん延期/回復期
・ 第四段階 小康期

と分け、それぞれの段階での対応策を示している。これに従えば、現段階は第二にあり、第三への途上ということになる。その際の「まん延防止策」はこうだ。

・ 住民に対し、可能な限り外出を控えるよう要請する
・ 学校や事業所などに対し、臨時休業、入学試験の延期を要請する
・ マスクの着用、うがい。手洗いを強く勧奨する

などなど。さらに医療機関に対しては

・ 発熱者の海外渡航歴を確認した上で、感染指定医療機関等の受診を指示するよう、周知する。
・ 新型インフルエンザの患者と判断された場合には入院勧告を行う---(一部、以下省略)

と地方自治体に対しヤマほどの対策を要請しているが、この場合の「要請」は事実上の「命令」であり、楯突くことなど出来ない。そんなことをすれば、後が怖い。

16日、民主党の代表選挙の最中行われた、舛添大臣の緊急記者会見での発言は、“有能な”医系技官による作文、ガイドラインの口パクだったことがわかる。要は、水際は国の責任だが、網をすり抜けたかどうかは分からないが、「国内の発症だから、地方自治体さん後はよろしく」というわけである。

これを受けて地元兵庫県や神戸市は、ガイドラインに沿って対策を講じている。

本メールマガジン(5/16号)で紹介した現職の厚労省防疫官である木村盛世氏は、ご自身のHPで、政府の対応をおおむねこう批判している。

http://www.kimuramoriyo.com/25-swine_influenza/
http://www.kimuramoriyo.com/

<成田空港の検疫に代表される“魔女狩り”を思わせる「検疫オンリー」作戦は、国際社会から奇異の目で見られています。BBCがヒースロー空港と成田空港を比較して、成田の姿を滑稽だとしている。

加えて、インフルエンザにかかってもいない人がマスクをするのも日本人だけです。マスクがインフルエンザ感染を予防したというエビデンス(医学的な根拠)はありません。

「マスクをすることによってインフルエンザにかからなくなる」という神話にすぎない。WHOや米国CDC(疾病センター)がいうように、国境封鎖や学校封鎖が意味がないということは歴史が教えています。

http://www.upmc-biosecurity.org/website/focus/2009_H1N1_updates/isssue_briefs/2009-04-28-BorderClose.html

5/6の時点で木村氏はこう予言している。

<強毒性であれ弱毒性であれ、封じ込めは不可能です。それは症状がはっきりしないことと、潜伏期が1週間程度あることが主な理由です。今の施策を徹底するなら鎖国以外、手立てはありません。インフルエンザである以上入ったら必ず広がります>。

<厚労省は、発熱外来をおかない医療機関に対して、発熱した患者を拒否してはいけないという事務連絡を出しました。厚労省から地方自治体への「事務連絡」は、事実上の「命令」です。

医療機関には抗がん剤を使っている患者さんもいます。白血病の治療をして免疫機能が低下している子供もういます。外来にもこうした患者が訪れます。今回の命令は、そのような人たちがいても新型インフルエンザ疑いの患者を断るなということです。

今回の厚労省通知は、体の弱い人や免疫が低い人が新型インフルエンザに感染して命を落とすこともいとわないと言っていると同じ事です。実際アメリカでは呼吸器に持病を持つ人が新型インフルエンザで命を落としています。

発熱外来とは新型インフルエンザとそれ以外の人たちを区別すべく作られているものですが、敷地の問題、マンパワーの問題あるいは予算の問題から多くの医療機関は発熱外来を作れずにいるのです。

米国CDCが、学校閉鎖に関するポリシーを変更しました。「WHOがPhase6に上げたとしても、学校閉鎖に関するCDCガイダンスが影響を受けるものではない。今回のポリシー変更に関してCDCは「インフルエンザA(新型インフルエンザ)は通常の季節性インフルエンザと変わりがないから」としていますが、変わりがあろうがなかろうが初期段階で行われる学校閉鎖や集会の禁止が効果を奏したという歴史的事実はありません。

http://www.hhs.gov/news/press/2009pres/05/20090505a.html

この批判を裏付けるように、16日夜になって、大阪府内でも疑いのある患者が出始めている。検疫騒ぎはなんだったのか。

批判はまだまだ延々と続くが、5/3のブログ。

<今回の新型インフルエンザが国内に入るのは時間の問題ですが、何カ月か後にくる第二波に備えてどのように行動するかが大切です。

じゃあ国民は何もできないのかと言ったら、そんなことありません。他の気道感染性のウイルス感冒の予防と同様に、手洗い・うがいをしっかりやる。それからウイルスに負けない抵抗力を持つために、休養をちゃんと取ってバランスのよい食事をしてストレスを溜め込まないことが大事です>。

“有能な”厚労省医系技官は、この提言を読んでいなかったのだろうか。

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