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共同の危機、時事と産経新聞の合併? 宮崎正弘
米国新聞・雑誌メディア、いよいよ経営が深刻化、ボストングロープも廃刊か。ネット社会は何を築き、何を毀すのか、そして何処へ行くのだろうか?

▲命脈がつきかけて。。。。。。
ピュリツァー賞を五つ、またまたNYタイムズが貰った。2009年4月20日に発表された今年度ピュリツァー賞は、国際報道、速報、写真など五つの部門でNYタイムズが栄冠を勝ち得た。注目されたニューメディアは、インターネット部門での受賞はなかった。

NYタイムズは、とくにアフガニスタンの戦争報道、オバマ大統領が選挙中に暴風雨のなかでの行動風景の特ダネは写真部門で。

ところがめでたさが続いたのは一日だけだった。

翌日、同紙の赤字は予想以上に悪化、09年第一四半期は7400万ドルに膨らんでいたとの発表があった。主柱の広告が激減し、売り上げ6億900万ドルのうちの55%を占めた広告費が三割近くもダウンしていた。

NYタイムズは本体整理の前に、社内のリストラを断行したが、傘下の「ボストン・グローブ」の廃刊を検討しているという。同紙はリベラル派の牙城、保守陣営は喝采を贈るだろうけれども。

いよいよ断末魔の様相ではないのか、これは。

というわけで、世界のジャーナリストが現在戦々恐々としているのは、明日の我が身のことである。

明日のアフガニスタン、明後日のパキスタンの運命も重要ではあるが、明日NYタイムズは生き残っておられるのか? 

日本で言えば朝日新聞はまだ存在し続けているのか?広告業界とて、今年は大型倒産が出るだろう。

▲通信社のビジネスモデルも破綻
日本では共同通信の危機が叫ばれ、時事と産経新聞の合併がまことしやかに囁かれ、GM倒産シナリオより真剣に語られている。

共同通信は部数に比例してのニュース配信料金を決めているから、地方紙でも中央の全国紙でも部数が減れば、その分、配信料金は安くなる。
 
衝撃は、米国からやってきた。通信社のビジネスモデルも破綻しかけているのだ。

AP通信が米国加盟者の経営支援のため、配信料金を2010年には20%前後引き下げるという「英断」を下したのだ(4月6日)。

この値下げ措置は2年連続であり、配信している加盟社は1500,売り上げのうち3500万ドルが減収となる。
 
ひとつには通信社の配信料金が高すぎるという批判があり、これは米国や欧米に限らず日本でも高いのだが、「値下げしてくれなければ加盟者を脱退します」というクレームも相当あるという。

米国ではシカゴ・トリビューンの会社更生法申請につづき、シカゴ・サンタイムズ、アリゾナ州の地域紙、ツゥーソン・シチズンズなども廃刊した。

▲オピニオン雑誌の将来性
仏文学者の鹿島茂氏が「活字メディアの危機」という随想(日経、4月14日夕刊所載)のなかで、「指示表出系活字メディアが全滅したあとも、かろうじて自己表出系活字メディアは残ると思う」が、「自己表出系活字メディアが残るにしても、それは現代詩がおかれている状況にほぼ等しい。つまり、それで食べていくことは出来ないということである」。

この指摘を我流に置き換えてみると、ようするに主張をもつメディア、たとえば産経新聞や、正論、VOICE、月刊日本は残り、分析だけで主張のない「論座」も「諸君」も休刊したように、いずれメディアは残っても、それでは食べてはいけない。

率直にいえば、当該雑誌はそれ自体の経営では、以前から食べていけないし、本体が経営的に安定しているからこそ総体メリットとして、経営的にはぶら下がって、その社の「良心」として発行を続けてきた。産経新聞、PHP研究所、あればこそ。

この間に母体の変身によって「諸君」は休刊に追いやられ、独立系は半世紀つづいてきた「自由」がついに体力つき、『月刊日本』は主幹の個性と人望で維持できても、商業主義的には市場での持続が難しい。
 
米国もじつは似たようなもので、鹿島の定義した「指示表出系活字メディア」とは、要するに主張をもった雑誌、新聞などを意味するが、米国保守メディアは日本とまったく同様な状況に陥っている。

保守の牙城は『ナショナル・レビュー』、1955年アイゼンハウワー大統領時代に保守思想家のウィリアム・バークレー・ジュニアが創刊した。

ウィリアムが死去したあとも、息子のクリストル・バークレィが引き継ぎ、米国保守論壇に大きな影響力があった。

そのバークレィが『ナショナル・レビュー』主宰の座を降りた。オバマ政権誕生前後、この主宰者は黒人大統領が米国に必要と発言したのが原因とされる。あのときに米国の保守派は、ほぼ全員でジョン・マケイン共和党候補を、支持の熱狂の強弱を別として、支援していたし、副大統領候補にサラ・ペイリンが突如登場した折にも、殆どがサラを評価した。同誌はサラを評価しなかった。

それゆえ、選挙終盤戦でのバークレーに対するブログ上の非難囂々、ブログの投書欄も批判で山積みとなって、バークレィは辞任表明へと至るのだ。

だが、それは同誌衰退の直接的原因ではなかった。ナショナルレビューでバークレィ親子らが展開した論陣は、まさしくネオコンの主流にして保守の反主流の主張だった。

政治の波はときにして保守本流に有利となり、イデオロギー的ないし宗教的危機に陥ると思想的な保守化が違う流れをつくる。

同誌は、或る時期の保守論壇を牽引した『諸君』のように、保守思想を優先させるため、曖昧で融和的に政策がぶれると強く共和党政権にも噛みつき、民主党政権では殆どの政策に的確に論理的に反対の論陣を張り、アメリカ人保守派の団結の典型をみた。保守を代弁する雑誌だった。

ところが911テロ以後、ブッシュ政権擁護が強すぎた結果、保守系のブログのほうに興味深く面白く役に立つ議論が移行した。『諸君』が戦闘性を希釈させ、訳の分からない左翼、リベラルにもページを分かち、保守派から飽きられてしまった側面に酷似している。

さてクリスタル辞任後、同誌の発行部数が意外にも、169000部から185000部に部数が伸びた。

オバマ政策のジグザグ、北京への急傾斜など保守層の危機意識の増大がバネだろう。

従来、民主党政権下では保守メディアが伸びるのは当然のことであり、カーター時代のあまりにデタラメな外交への不満、批判が高まって、当時、ナショナルレビューは25万部を突破したこともあった。

ともかく、この雑誌には「主張」がある。だから活字メディアとしても命脈を保てるが、顔のない雑誌は、これからの戦国時代に存続がさらに難しくなるだろう。

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| 宮崎正弘 | 07:02 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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