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禁煙・喫煙の間を彷徨う 古沢襄
この一、二年間、禁煙を三、四ヶ月した後に二、三日思い出した様にタバコを吸ってまた禁煙という生活を繰り返している。禁煙を続けられないだらしのない性格だと思われそうだが、もともと禁煙のつもりはサラサラない。

数年前までは一日に四箱吸っていた。口腔喫煙というか肺まで吸い込む喫煙でないので身体に異常を感じることはなかった。「九〇歳過ぎてもヘビー・スモカーなのに肺ガンにならない人もいる。タバコを吸わないのに還暦前に肺ガンになる人もいるので、タバコの弊害には個人差があるのではないか」というのが、私の口癖だった。

ところが三年ほど前から夜中に咳き込むことが多くなった。黄色いタンも出る。心配になって胸部レントゲンを撮影して貰った。医者は「異常ないですよ」という。ためしにタバコを四、五日やめたら咳き込まなくなった。

咳き込むのが納まると、またタバコが吸いたくなる。

二年ほど前、突然、背中に猛烈な痛みがでた。骨髄腫の告知を受けて三年目だったので、慌てて専門医のところに駆けつけたが、医者は骨髄腫が進行している兆候は出ていないと言った。

「背中を強く打った覚えはないのですか」と言われて、うっかりヘビー・スモカーであることを打ち明けてしまった。「禁煙できない様なら来年のお正月は迎えられませんね」・・・日頃、優しい医者の顔が鬼の様に見えた。

以前はものを書くのにタバコがないと筆が動かないと言ってきたし、本当にそう思ってきた。しかし時々禁煙をしている間に、もの書けない思いをしたことがなかった。惰性というか、一種の思い込みだったのであろう。

禁煙をしてみると朝、目が覚めて口がねばつく感じが嘘の様に無くなった。タンも出ないし、夜中に咳き込むこともなくなった。これほど目出度いことはない。

だが半年近く禁煙を続けていたら、大げさにいえば記憶障害の様な兆候が出てきた。私は寝床に入って、すぐは寝付かれない。一時間ぐらいは、その日の出来事を思い出したり、明日に書く原稿のことを考えている中に、いつの間にか寝てしまう。

翌朝は四時には目を覚ますので、前夜に考えついた原稿の書き出しに沿ってノート・パソコンに向かうのが日課。ところが書き出しの原稿がいつまでたっても思い出せない状態が何度か出ている。

人並みに老化現象が出てきたと半分は諦めていたが、ある日のこと思いついてタバコを二箱買ってきた。久しぶりに吸うから五臓六腑にしみ渡る。不思議なことに二本目を吸っていると前夜の記憶が鮮明に甦った。

それが一度や二度ではない。あまり科学的ではないが、タバコには脳細胞に刺激を与える何かがあるのだろうか。吸い出すと二、三日はタバコが放せない。しかしタンが出るし、咳き込む日々が訪れる。

「やっぱり禁煙だ」とタバコを潔くやめて、また三、四ヶ月すると”記憶障害?”が突然やってくる。慌ててファミリーマートにタバコを買いにいく。一箱だけにしておけば、いいものを二箱買うのだから未練がましい。かくして心ならずも禁煙・喫煙の間を彷徨う老境を送っている。

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