<< 「テポドン2号」は日本に何を残したか 花岡信昭 | main | イランがEU向けガス供給ビジネス 宮崎正弘 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - | pookmark |







辞任の腹を括っている 岩見隆夫
政治家は腹のなかで何を考えているか。厳密にはとらえにくい。腹のなかはたえず微妙に、ときに劇的に変わる、ということもある。

「一貫している」というのは褒め言葉として使われるが、そう映っていてもどこかで揺れている。

かつて、政治報道には<心境もの>という囲み記事があった。実力者Aがニュースの表面に出てくると、デスクが、

「Aを料理しろ」と担当記者に指示する。記者はAの表向きの発言とは別に、内面に去来しているものをそんたくして描くのだ。それが<心境もの>である。

だが、いつのころからか姿を消した。担当記者の筆が追従(ついしょう)的になりがちで、不評だったせいかもしれないが、<心境もの>が政治理解に欠かせないのは言うまでもない。

いま、進退問題で注視される小沢一郎民主党代表の関連記事は連日、新聞、雑誌にあふれている。そのほとんどは、小沢問題の追跡か小沢の性格分析だ。<いまの心境>が伝えられることは少ない。

小沢は何に思いをめぐらせているのだろうか。もう一人のキーマン、麻生太郎首相より小沢はかなり難解だ。麻生は先日、

「首相はドス黒いまでの孤独に耐えられないとだめだ」と心境めいたことを漏らしたそうだが、一般論としてはわかる。しかし、いまの麻生が懸命に孤独に耐えているとも見えない。

むしろ、小沢のほうが、孤独な男に映る。40年の政治家人生のけじめは、最後は一人でつけるしかないからだ。

91年夏、小沢は心臓病で倒れ、ひと月以上入院した。東京都知事選の敗北で、自民党幹事長を辞任したあとである。のちに、倒れて人生観は変わったか、と問われて、当時、新進党党首だった小沢は、

「多分、変わったかもしれない。枯れたっていえば枯れた。執念をもって何が何でもやるという力みがなくなったかな。自分一人で力んでも、どうなるわけじゃない。

僕はある意味で、一つの仕事は終えたと思っている。時代の流れはできた。これは誰にも止められない。かりにいま僕が辞めたって、この流れは止まらない。ただ、混乱が長く続くと、それだけ日本の国民全体が損をする。できれば早く収めたい」

と心情を明かした。(「小沢一郎 語る」文芸春秋・96年刊)

それから13年が過ぎている。小沢は枯れていなかった。力みがなくなったどころか、執念を燃やし、政権交代の道筋づくりに腐心した。

では、あの語りは病後の感傷だったのか。おそらく、そうではない。公設第1秘書の逮捕から1カ月余、小沢の胸中は、

<強気と弱気が交錯……>などと報じられたが、皮相的だろう。

小沢は代表辞任の腹を括(くく)っていると思われる。

「時代の流れはできた。誰にも止められない」と13年前に小沢が述懐したのは当たっている。政権交代の流れは確実に熟した。小沢の進退にかかわりなく、ゴールに行きつくに違いない。

だが、当面続投の裏側は想像がつくが、さらに続投に固執すれば、民主党は苦戦を強いられ、ゴールが遠のくことを選挙通の小沢は熟知しているはずだ。

「混乱が長く続くと、国民が損をする」と予告した事態になりかねないことも知っている。後継候補の一人である菅直人代表代行は、

「鋭いところもある」(8日付「朝日新聞」)と小沢を批評した。まさしく鋭い決断が政治を先に進める。(敬称略)

杜父魚ブログの全記事・索引リスト
| - | 19:53 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







スポンサーサイト
| - | 19:53 | - | - | pookmark |







コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://kajikablog.jugem.jp/trackback/943930
トラックバック

CALENDAR

S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
<< August 2019 >>

SEARCH

SELECTED ENTRIES

RECENT COMMENT

CATEGORIES

ARCHIVES

LINKS

PROFILE