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毛沢東は板に寝た 渡部亮次郎
「中国がひた隠す毛沢東の真実」は何度読んでも面白い。初版2005年10月7日、著者 北海閑人 訳者 廖健龍 刊行「草思社」

著者の身元は完全に遮蔽されている。ばれたら当然粛清されるからである。毛沢東の化けの皮を剥げるだけ剥いだ。

訳者あとがきに依れば香港の雑誌「争鳴」に1996年ごろから北海閑人の名で発表されるようになった毛批判文集で、筆者は「江戸っ子にも似た、気風のいい生粋の北京っ子のようだ。北方語、北京語や古来の熟語を好んで使うところから。年配の知識人である。

この書の最終章は「毛夫妻の私生活―飢饉のさなかに、数多の別荘」である。中でも夜中に起きて、昼間寝る生活だったため、周囲がいかに苦しんだかを読むと他人事ながら笑いたくても笑えない。

1972年9月政権に就いて間もない田中角栄首相は、中国との国交正常化をなすため、われわれ80人の同行記者団を引き連れて北京空港に降り立った。

しかし、肝腎の田中・毛沢東会談が行われるのか行なわれないのか一切の説明がなかった。それがある朝起きたら「今日未明に行なわれた」との発表。既に終わったのだからTVの取材は不能。NHK記者の私としては面子丸つぶれ。

聞けば毛が昼間眠って真夜中に仕事をするという習慣は革命当時に身につけたもの。1949年3月23日、党の中央機関を率いて北京に入城したとき56歳。劉少奇、朱徳、周恩来らは生活を昼型に戻したが、毛だけはそうしなかった。

そうだから中南海にある機関の人員は誰もが昼夜転倒した毛の執務習慣に従うしかなかった。田中角栄も若い頃から早起きでは有名だったが、寝るのは夜だった。毛に引見できたのは確か午前1時ごろだった。

毛はしばしば突発的に何かを思いついた。それが夜の11時、12時だろうが、早朝3時、4時だろうが相手を呼び出した。劉少奇、朱徳、周恩来、陳雲、トウ小平を含めて、呼び出された者は、たった今、睡眠薬を飲んで横になったところであっても、秘書に寝台から揺り起こされ、直ちに毛主席に会いに行かされるのだった。

劉少奇は1959年、廬山会議の間、真夜中の2時に毛に呼ばれたことがあった。彼は睡眠薬で熟睡中だったので、2人の衛士に担がれ、車に押し込まれて、毛のところに運ばれると、濃いお茶を飲み、煙草を吸ってやっと目を覚ました。

毛は北京入城後、最高指導者になると、嘗て無い政治権力を持つようになって常に「全党推戴」「全民熱愛」の類の称揚と栄誉に囲まれ、それが身体に染込んで精神のバランスを失った結果、感情の起伏が激しく、些細な得失に拘泥する疑心暗鬼の精神病患者になった。

毛は両性愛者だったと言う人も居る。若い衛士や看護婦は1度は彼のセックスの相手をさせられた。

毛に十分に睡眠をとってもらうため中南海で雀退治が行なわれた。幹部職員には1日何羽というノルマが課せられた。それでも北京市内の雀が入ってくるので市内全部の小中学校の児童・生徒に雀捕りの号令が掛けられた。或る幹部は孟浩然の詩を読み替えて詠んだ。

「春眠暁を覚えず いたるところ 雀啼く 日夜パチンコの声死雀幾羽か知らん」

毛は板のベッドでしか眠れなかった。北京入城後の仮住まいのベッッドはシモンズだった。「おれは木の板になれているのだ」彼のベッドは遠い河北省に置いてきてしまった。仕方なし深夜にも拘らず大工を集めて木の板のベッドが作られた。

1949年12月下旬、毛沢東は初めて当時のソ連を訪問し、モスクワの迎賓館に泊まった彼は専用列車に料理人から厨房道具、野菜、果物、調味料を持ち込んだが、モスクワの冬は寒く、ソ連側は魚は冷凍魚しか提供できなかった。それを知った毛は怒った。「死んだ魚など捨てろ」。江青の影響で活魚料理が好きになっていた。

別の説では、以前、密かに隠れ家を訪ねてきたソ連のミコヤンが食事の時、通訳に「この魚は新鮮か」と尋ねたことを覚えていて、そのお返しをしたのだと言う。

毛は木や竹の箸しか使わなかった、或る席を設けたとき、中央弁公庁主任の楊尚昆が高価な食器に合わせて象牙の箸を用意したところ怒鳴って立ち去ってしまった。

専用列車側近が木の箸ヲ積む野を忘れた時も象牙の箸は使わず、ボイラー室で見つけた不ぞろいの竹ハシを洗って使った。

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