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野党の「甘い計画」 花岡信昭
国会はこれまでには見られなかった展開になっている。野党が来年度予算の年度内成立を目指すという「逆転の構図」だ。政治記者を長くやってきたが、こういうシーンはまず記憶にない。

これは言うまでもないが、早期解散を引き出したい民主党の戦略による。予算成立後は一気に解散に持ち込めるという判断がそこにある。もっとはっきり言えば、「4月26日」の総選挙を想定した動きだ。

かつては、政権にとって予算の年度内成立が最大の仕事だった。予算を成立させられないというのは政権弱体化の象徴であり、暫定予算を組まざるを得なくなったら政権の「恥」と見られた。予算成立が困難になった場合、解散を条件として野党の助けを借りるのが「話し合い解散」だ。

ところが、来年度予算案と関連法案の2月中の衆院通過が確実となった。自公与党が強行採決という手段を取らなくても、民主党は衆院採決を認めるというのだ。もちろん反対するのだが、衆院通過によって、予算本体は30日後に自然成立、関連法案も参院で採決にこぎつけられない場合でも60日後に衆院再可決が可能になる。

民主党は今年度第2次補正予算の関連法案のうち積み残されていた定額給付金財源確保のための財政投融資特別会計繰り入れ特例法案も含めて、すべて3月中に成立させるのだという。

「30日」「60日」を待たずに、来年度予算案と関連法案を参院で否決、衆院再可決を認めるということになる。労せずして年度内成立が可能になるわけだ。

こんなに「もの分かりのいい」野党を見たことはない。野党というのは予算成立に頑強に抵抗し、国会を混迷させて政権を追い込むものだとばかり思っていた。なぜ、こういう劇的変化が生まれたのか。民主党の小沢一郎代表らは、こう判断しているらしい。

麻生内閣の支持率激減で、予算成立後は自民党内で「麻生おろし」が本格化する。内閣総辞職に追い込まれる可能性もある。麻生首相がこれに対抗するには、解散に打って出る以外にない。4月2日の第2回金融サミット(ロンドン)あたりまではこなしたとしても、帰国後、解散に踏み切るのは間違いない‥‥。

そこから、早くも4月6日解散、26日投票という日程案が出回っているのである。さて、麻生政権がいくら行き詰まっているといっても、そこまで野党側に都合のいいシナリオが実現するのかどうか。

*与党側には強硬策がある
民主党にとっては「麻生政権のもとでの解散、総選挙」が最も望ましいと踏んでいる。とにかく支持率が10%そこそこ、不支持率は8割という政権なのだから、このまま一気に総選挙になだれ込んだら、自民惨敗は容易に想像できるところだ。

自民党内には「麻生首相のもとでは選挙は戦えない」という悲鳴にも近い声が出ている。「総選挙の前に総裁選を」というわけだ。

解散権は総理大臣の専権事項である。支持率がどう下がろうとも、ときの首相が決断しなければ解散はできない。麻生首相の自民党総裁としての任期は9月末までだ。4年間の衆院議員の任期は9月10日までである。

そうしたスケジュールをにらみながら、改めてこの通常国会の自公与党側の基本戦略を思い起こしたい。例年よりも20日ほど早い1月5日に召集した。第2次補正予算案、来年度予算案という2つの予算案を抱え、いずれも関連法案がついているからだ。

両予算の処理について、「衆院では強行可決、参院でたなざらしにされても、予算本体は30日、関連法案は60日の余裕を持って臨む」というのが基本方針であった。来年度予算案は2月下旬から3月初めまでに衆院で強行可決すれば、年度内成立が確定する。その場合、関連法案は遅くも5月連休明けには衆院再可決が可能になる。

これは衆院で3分の2の勢力を維持していることが前提条件となる。16人が反対票を投じるか、47人が棄権・欠席しない限り、再可決が可能だ。いまのところ、大量造反の気配は見えてこない。

民主党が予算の年度内成立に「協力」する方針を固めたのは、与党側にこうした強硬策があるためではなかったか。与党側の基本戦略がある以上、麻生首相としては関連法案成立の5月連休明けまで「経済対策のためには予算最優先」を主張して解散を先送りできる。

だから、そのケースを想定して、「5月24日総選挙」説も出た。ちなみに、4月26日も5月24日も「大安」である。

*予算成立後の解散は「機運」にすぎない
こうした状況を踏まえ、どう見るべきか。麻生首相としては予算成立後の内閣改造という策も残されている。4−5月をなんとか乗り切れば、6月3日の今国会会期切れまで、あと一息ということになる。国会閉幕後は7月8日からのロンドン・サミット、7月3日告示・12日投票の東京都議選が控えている。

つまり、麻生首相としては、政権継続の気力が萎えない限り、予算成立後、9月までの間に解散のタイミングを計るということになる。予算成立後にはただちに新年度第一次補正予算に取りかかり、政治課題を途切れさせないようにする。政府紙幣、無利子非課税国債といったアイデアが浮上しているのは、そのときに備えたものだ。

自民党内には、そのあたりまで持ちこたえると、「サミット花道論」が出てくると見る向きもある。8月に総裁選を前倒しして、ポスト麻生を決めることになるわけだ。その場合の有力候補は、与謝野馨、舛添要一、小池百合子といった各氏ではないか。

実は民主党はそういう展開を最もいやがっている。またぞろ、自民党総裁選に国民の関心が集中するからだ。小沢氏としても早期解散を引き出せないと、その神通力に陰りが生じかねない。

麻生首相の支持率ダウンに歯止めがかからず、次期総選挙の民主党圧勝が確実視されているのは、「麻生たたきファッション」「自民離れムード」と見ることも可能だ。というのは、民主党は「敵失」に助けられているのであって、独自の積極的プラス要因はとなると、「生活が第一」のキャッチフレーズのほかはこれだというものはない。

民主党が期待するように、予算成立後、一気に解散となれば、民主党政権の可能性が高いのではあろう。だが、注意しなくてはならないのは、「予算成立後の解散」は「機運」にすぎないのであって、予算成立後にはまったく予想外の光景が見えてくる可能性もなしとしない。

平沼赳夫氏は次期総選挙の結果がどうなろうとも、自民、民主を中心とした「挙国一致大連立政権」をつくり、この難局に立ち向かうべきだと主張している。「大連立」再燃の可能性が見えてくると、与野党攻防戦の展開にもまた違った影響を与えるだろう。

政治の展開はまさに「一寸先はヤミ」なのだ。とりあえずは予算成立後、政局の構図がどう変化するか、そこを見極めたい。

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