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中央アジア経済にも冷風が 宮崎正弘
世界同時不況は中央アジアにも大津波をもたらしている。日本では等閑視されているカザフスタンとその周辺の不況入り。

金融危機は中央アジアの経済にもかなり大規模な地殻変動をもたらした。

この地域の経済的覇者は、オイルリッチのカザフスタンである。もともとソ連の衛生国家だったので、日本人にはなじみが薄いが、91年に独立以来、この国を統治しているのはナゼルバエフ大統領とその一家。

独立直後は日本に資金と技術の提供をよびかけ、ナゼルバエフは何回か日本へ来た。

日本とはウラン鉱脈の開発を原発技術提供とバーターで行うため、二年前から日本の政治家、商社マンもさかんにカザフスタンを訪問しているが、ロシアにはかなわない。メドべージェフ大統領は就任直後、初めての外国訪問をカザフスタンとした。

従来の原油買い上げばかりか、将来はカザフのウラン鉱脈開発を狙っているからである。

カザフスタンは石油とガスの天然資源に恵まれ、いきなり大発展を遂げた。原油の高騰が原因である。

カザフスタンはまず南の隣国キルギスへ果敢に投資し、セメント工場などを開いた。麺類の工場や、観光地として世界的に有名なイシク・クル湖湖畔のホテル開発などに5億ドル近くを投じたが、それはキルギスに投下された投資の四割をしめる。実際に筆者もカザフスタンとキルギス両国を取材して、その主従関係的な経済の対比を目撃した。カザフスタンの前首都アルマトゥには豪華ホテル、ルイビュトン専門店。レストランも豪華で、人々は繁栄に酔っていた。

カザフスタンは西の隣国ウズベキスタンへも14億ドルを投資したほか、注目はグルジアへの投資なのである。

ロシアと軍事的に対立するグルジアへ電信テレコム企業への出資を皮切りに港湾施設改良、穀物ターミナル建設、首都トビリシには豪華なラディソン・ホテル建設など合計20億ドルをカザフスタンが投資したのだ。

▲ロシアの権益圏をかき荒らすかのように
さらにウクライナへ12億5千万ドル,トルコへ10億ドル。

遠くルーマニアの精油所建設へ27億ドル、リトアニア、チェコのガソリン・スタンド・チェーンにも果敢に投資を繰り返したが、これを目撃したフランスは首相を派遣してナゼルバエフ大統領とその一家にフランスへの投資も呼びかけるほどになった。

そして旧宗主国ロシアへは新都市コンスタンチノーボ建設のために、実に50億ドルをカザフBTA銀行を経由して投資を敢行した。建設業者もカザフ系が多い。

最大の注目はカザフスタンの国家ファンドである。

いまやその規模は276億ドル。これが原油一バーレル=70ドル台が維持されれば次の五年間に1000億ドル規模への躍進し、この財力をなんと中国のCITIC(中国国際投資信託公司=国務院直営企業)と組んで、カナダ、豪州の鉱区開発へ投下しようとしているのである。

そして金融危機と原油の暴落がおきた。中央アジア経済にも冷風が吹きすさむ。
  
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