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膨大な資金が日本円をねらい打ち? 宮崎正弘
中国が米国債を2000億ドル、買い増しの用意と『明報』。

香港の『明報』は10月5日付けで、「中国は外貨準備高に余裕があり、米国が安定化法制定によって市場に落ち着きが見られれば、中央銀行(中国人民銀行)が最大2000億ドルの米国債権買い増しに動く」と伝えた。当面は700―800億ドルの購入となる、という。

中国が保有する米国債は海外保有全体の19・3%の5187億ドル(日本は5934億ドル)。

日本は2004年からポジションを下げて、およそ1000億ドル分を売却してきた。
 
一方、リーマンブラザーズ倒産ショック直後から中国は金利を0・27%下げ、預金準備比率を1%下げて、金融緩和に転じている。



「安定化法案」って訳語がおかしくないか。あれは救済法。それでも市場の安定、小康状態は36時間の効果しかあるまい。

10月3日に米国下院で可決された法案の原題は、「不良債権救済法」(TROUBLED ASSET RESCUE ACT)という。米国マスコミは通称「救済立法」と報道している。

これがどうして日本語の新聞は「安定化法」と翻訳したのでしょうか。これではニュアンスがちがってしまう。

法(ACT)の中味はと言えば、下院で承認を受けたとはいえ、具体的救済のディテールが不明である。

しかも法案は最初、ポールソン財務長官のアイディアを羅列しただけ、わずか3頁しかなかった。

あまりにも粗末で且つ急ごしらえの中味に、マスコミも議会人も噛みつき、いったん否決後、修正されて上院で可決(10月2日)、そのうえ下院で再度審議されて、かろうじて可決(10月3日)されるというどたばたを演じた。

ところが、この法律にあらゆる信義案件をぶら下げたので「金融安定化法案」(本当は「不良債権救済法」)は、じつに400頁に膨れあがっていた。オムニバス法案の典型である。会期間末になると、ひとつの法律に七夕の竹飾りのように、あらゆる法律をくっつけて一括して通過させる議会戦術である。

効果? 市場が安定するのはたぶん36時間。それからまた暴落が始まるだろう。
 
第一にファニーメイ、フレディマックの債権総額は邦貨570兆円。日本だけでも15兆円ていどを保有している(農林中金や日本生命など)。もし、この投資が紙くずになったら諸外国の対米信用は完全に崩壊する。具体的返済方法が不明である。

第二に、たとえば有力銀行「ワコビア」をシティグループが買収すると発表したところ、横合いから「ウェルス・ファーゴ」が登場、シティとの間で法廷闘争となった事件はなにを意味するか。

銀行の経営安定が遠い通り達成目標でしかないことが明らかになったとともに、シティグループとて「買収」姿勢を鮮明化させるなど演技を続行し、じつは市場に経営安定を印象づけようとしているマスコミ対策かもしれない。

第三にドル資金不足が一向に解消されておらず、アメリカ国民の不安心理はすこしも回復していない事実がある。

たとえば市場から消えた2900億ドルというお金。つまり安心なリゾートと言われたMMC(マネー・マネジメント・ファンド)さえ、不安と見た投資家が、手元のキャッシュ・ポジションを高めるためにMMCを一斉に解約後、財務省の短期証券(三ヶ月もの)に群がった。この結果、財務省証券の金利は3%台から、いきなりの0・06%(ゼロ金利に等しい)になった。

ことほど左様にカネは投資家にある。銀行にない。

第四に上記の膨大な資金が次に何をねらうか。原油先物やゴールドなど商品市場も先が見えた。ユーロも虚勢がはがれ、下落した。

となれば、次は日本円をねらい打ちする可能性がある。

世界を総合比較した場合、日本株は比較安価であり、集中的投機が日本株めがけてやってくるかも知れない。

ともかく為替市場がターゲットの一つ。もし、一ドル=90円、80円という為替相場の異変がおこった場合、投資資金の流れが鮮明にみえてくるだろう。

それにしてもサルコジ仏大統領が嘆いたように、

「こんなときに日本はトップが変わりそうで(金融危機に対応する先進国)サミットも開けない」というのは或る意味で日本の危機を物語っているだろう。

なぜなら、こういう未曾有の危機に直面した世界のなかで、欧州も緊急会議を開催しているというのに、中国も際立った対抗手段を行使しているというのに、日本は緊急対応チームさえなく、政治は闇へ墜落気味ではないか。

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| 宮崎正弘 | 05:53 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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