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文明は気候風土に立脚 渡部亮次郎
「文明」に関する「広辞苑」(岩波書店)の説明の一節。「文明」とは「生産手段の発達によって生活水準が上がり、人権尊重と機会均等などの原則が認められている社会、即ち近代社会の状態」とある。

さすがアカの辞書だが「したがって中華人民共和国は人権尊重も機会均等も認められていないから文明国とはいえない」とは書いていない。

世界陸地の3分の1を占めるアジアは穀物で生命を維持してきた。殆どが米(コメ)と小麦である。米飯、パン,餃子、麺で生きているがこの材料を得るためには人々は農地から遠ざかる事はできない。

また植物を育てる水は上流から流れてくるから、下流は上流に気を遣わざるを得ない。話し合いによれば、それは民主主義と呼ばれるが、長(おさ)の命令に従う場合もある。いずれ平等は尊重されても自由は奔放と同義語だから概ね許されない。

自由の許されない国家は競争力が弱いから外敵に弱い。アジアが大東亜戦争の結果として独立を獲得するまで長く西欧に隷属したのは、このためである。

中国は何千の歴史と誇らしげに言うが、誇れるほど、連綿とした歴史は無い。多民族故の民族抗争の年月を過ごして来たに過ぎない。

近代になっても明(みん)が清(しん)に滅ぼされ、20世紀に入って漢民族が暴力革命によって統一を成し遂げた。

従って中華人民共和国の歴史は1949年10月1日の建国宣言以来僅か59年しかない。彼らを攻めて行った日本陸軍と闘ったのは国民政府軍(蒋介石)であった。毛沢東指揮下の人民軍の敵は内戦としての国民政府軍であった。

これは客観的な事実である。にも拘らず、日本軍と闘ったのは共産党の人民軍であると教える中共の歴史教育は気候風土に反する虚無的教育に過ぎない。

(トウ)小平による外資導入を伴う経済だけの開放改革路線を走った結果、五輪を北京で開催できるところまで来たが、同時に自由経済は束縛を否定するから経済は今や共産党を否定し始めた。

そこで共産党は嘘の歴史をでっちあげ、存在を正当化するのに躍起なのである。これはマルクス理論に反する。

経済が自由であれば政治も自由でなければ矛盾が日に日に拡大し、やがて人民が爆発する事は避けられない。それが何時かは断言できないが、中国人民が世界の「気候風土」に接触する北京五輪がそのスタートである事は間違いない。

8月8日の開会式が迫るにつれて当局の警戒態勢が異常といえるほど緊張するのは以上を意識するからである。周恩来も小平も墓を敢えて造らなかったのは「墓を暴かれる」と言う大屈辱を避けた、つまり暴かれること必定を予言して逝ったようなものである。

一方、イギリスから独立したアメリカはアメリカ大陸の燦々たる日光に耐えられなかった。曇天ばかりのヨーロッパの虹彩は音を上げた。サングラスが発明された。気候風土の違いを克服したのである。

やがて自由と冨を求めて世界中から殺到した多民族を政治的に統一するためには国旗と単純明快な政治原則が必要であった。それが民主主義に基づく政治手段である。

地球上で最も単純な政治原則で大国となったアメリカは太平洋戦争で日本には勝利し、その後、日本を多面的に支配しているけれども、あのベトナムに決定的に敗北したほか、イラクでは大変な苦戦を強いられている。

アメリカで多民族社会を統一、統括してきた民主主義は、従って世界共通の政治原則であると誤解したところに失敗の原因がある。

先に勝利した日本に対して民主主義の移植に成功したが、それは日本人が渇望していた。或いは気候風土がワシントンDCに似ていたからに過ぎない。

沙漠では米も小麦もハンバーガーも育たない。砂嵐は常にある。

そこで衆愚政治を展開していたのでは生命の保証が無い。気候風土が文明を作り政治はそれに立脚すると言う立場からすると、アメリカのイラク撤退は不可避であり、イラクの悲劇もまた避けられないであろう。2008・07・31

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