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台湾民進党が惨敗の分析 古沢襄
上海の日本人ブログ(猫ジジイのたわごと)が、台湾の立法委員選挙で与党・民進党が27議席と惨敗を喫した「選挙結果分析」を掲載している。

1.小選挙区
今回から選挙制度が小選挙区比例代表並立制が導入され、113議席のうち73議席が小選挙区選出となった。小選挙区によって、選挙区が小さくなり、国民党の支持基盤である地方派閥の影響力が発揮しやすかった。また、国民党は親民党との選挙協力など、党内の候補者の調整が比較的うまくいっていたが、民進党は台連との選挙協力がうまくいかず、選挙区で調整がつかなかった候補者どうしが激しく対立している例もあった。

民進党は国民党の地方派閥が強い台湾中部で全敗した。また、市鎮郷長の選挙では圧倒的に国民党が強く、県市長選挙も南台湾を除いて国民党が圧勝していたため、今回の小選挙区の区割りの大きさはちょうどその中間であった。それが得票率にもある程度反映されていた。

また、狭い選挙区のために国民党が党営企業などの不当な党財産を利用した票の買収が効果的に行われたとも言われる。このほか、今回から立法委員の定数が225から113に半減されたが、国民党が強いもともと1人区で人口が少ない連江県、金門県、澎湖県、台東県はそのまま議席が維持されており、票の格差の不公平が広がっている。

2.投票率
今回の投票率は58%と非常に低かった。もしも2004年の総統選挙時のように投票率8割で民進党に投票した人が今回も民進党に投票していれば、民進党は圧勝していた。今回は政権を争う選挙ではなかったため、民進党は国民党に比べて動員力が弱かったのと、危機意識が薄かった。

同様に、同時に実施された「国民党の不当取得財産追及」をテーマにした国民投票も投票率26%で規定の投票率が有権者の50%に達せず否決された。国民投票は反対するよりボイコットするほうが否決しやすい不合理な制度であるが、今回民進党が大敗したため、国民投票法の改正も難しくなった。

3.比例代表
小選挙区で地方派閥の国民党候補に投票した人がそのまま比例も国民党に投票した人が多く、民進党は特に中部で伸び悩んだ。大勝するはずの台湾南部で得票が伸びなかった。

4.経済
台湾は全体的な経済成長は悪くないが、特に中小企業の製造業を中心に不景気が続いている。実際は過度な中国投資による産業空洞化による影響が大きいのだが、国民党の中国との経済開放が景気活性化をもたらすと期待は根強い。

また、経済関係のテーマについて、民進党は最低賃金の引き上げや国民年金など生活に重要な経済政策を実行しているが、経済的に夢を持たせるアピールが足りなかった。

5.その他
与野党の激しい対立が続き、その対立を緩和できなかった不満が与党に向けられた。「台湾」名義のWHO加盟や国連加盟運動が、日米欧からの支持が得られず、特に米国は執拗に反発を示したため、台湾人の自信が揺らいだ。

小選挙区は上位1名しか当選できないため、全体得票率で民進党を上回った国民党が倍数的に議席を伸ばし、選挙区+原住民区を合わせて国民党は57議席に対し民進党は13議席と大差がついたが、一方で比例では国民党の51%に対し、民進党は37%であり、その比率だけを見ると民進党は大敗とは言えず、前回の36%に比べて伸びている。

このため、今回の選挙結果は、得票率に関していえば民進党は大敗したわけでなく、結果的に議席が大幅減少したのは小選挙区制の影響によるところが大きいといえる。民進党の基本得票率が下がっていないため、3月の総統選挙での逆転は可能と言える。

国民党は大勝したが、当選した候補者の多くはコテコテ台湾人の地方派閥であり、中国統一派ではない。ただし、台北や桃園では元親民党の中国タカ派も当選しており、党内で主導権争いが激しくなるとみられる。

民進党の謝長廷氏が総統選挙で逆転勝利した場合は、国民党の台湾派と連携して政権を安定させる必要がある。今回の選挙敗北で、陳水扁総統は民進党主席を辞任し、党内の主導権を謝長廷総統候補に譲るとみられる。また、今回の選挙で議席を全て失った台湾団結連盟は、李登輝前総統をはじめ落選した台連の候補者や前職議員らが民進党と関係修復を図るかどうか注目される。

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