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かくも軽き日本の存在!(1) 宮崎正弘
やがて日本のワーキング・プアが就労人口の40%を超える日。日本的経営(終身雇用、年功序列)が破壊されて、日本の存在が薄くなった。

李鵬が「やがて日本は消えてなくなる」と豪首相に放言したという逸話がある。

原文を確かめようにも、中国の外交文書には存在しないため、正確に李鵬がどういいう語彙を駆使して如何なる表現をしたのか、言語学的に興味がある。

物理的に消えるのか、それとも強い存在としての「個」が希釈されるだけなのか?おそらく、後者に近い意味のことを言ったのだろう。

ヒラリー・クリントン上院議員が、『フォーリン・アフェアーズ』(07年11月12月合併号)に書いた「今世紀、もっとも重要な国は中国」とする論文では、日本という単語が二回だけ、アジアの項目に一括してでてくるが、インドより比重が軽く扱われていた。

日米同盟のパートナーに対して失礼千万という怒りの声が保守陣営からあがった。それもそうだろうけれども、それが現実なのである。日本は無視してもいいほどに軽い存在に成り下がった。

米国にとって人権や法治の価値観が異なろうが、どうであれ、目前の世界戦略の前に中国と絆を深めたほうが得策なのであり、インド洋上の給油も中断した日本には過度の期待をすることをやめた節が濃厚だ。

日本はどうやら政治的価値ばかりか経済的にも二流の国家に転落した。通貨専門のバースタインともなると「円の時代は終わった。これからアジアでは人民元が世界的通貨に伍すほどになるだろう」といやな予測をしている。

株式と国際金融を見ても、日本のように我を張らない、「個」がない、ロボットのようなトレィダーと投資家。自分で自分の国の相場をはれない国に魅力はなく、これまでは安い金利の円を借りて(キャリートレード)、中国に投資するというメリットだけを外国人投資家は戦術をして行使した。

国際金融ですら、メジャーなプレイヤーの位置から転がり落ちた日本。

国際競争力? ゆとり教育で競争を奨励しない国が、これまでの競争力を維持できるとは考えないほうがいいだろう。小学校の運動会で一等賞、二等賞がないのである。しかし、一方では大学駅伝であれほど興奮するのだから、競争心はスポーツでは残っているようだが。。。

技術開発力? 理工系に学生が少なくなり、優秀な学生はアメリカへ頭脳流出、さらに言えば、アジアから優秀な頭脳は日本に留学に来ない。だから日本のなだたる企業はR&D(研究開発センター)を中国やインドに移転しつつある。

ベンチャー精神? 過去二十年間で、世界に名だたるベンチャーの日本での成功例はソフトバンクくらい。

創業精神さえ、これほど短時日に蝕まれている。明日のソニー、明日の本田技研、明日の京セラの誕生は夢幻のごとくなのか。

大学をでても、道徳を知らず言葉使いを知らず社会常識を知らず、スキルだけが一人前の人間は、その日暮らしの日雇い技術者か、派遣社員か、はてはネット・カフェで寝泊りし、救世軍の炊き出し弁当をたべ、将来への野心さえない。

「自分が存在しない」のである。(続く)
| 宮崎正弘 | 11:58 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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