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まさか40年ぶり“国外退去”?(1) 福島香織
■最近、腰を落ち着けてブログ更新できてません。おたずねくださった読者の方々、申し訳ありません。その理由のひとつは、中国の記者証の更新に猛烈に時間がかかっているんです。ふつう3日でできる記者証の更新が、3週間以上たってもできていません。なぜ?

■中国駐在の外国人記者は中国外交部(外務省)から記者証を発行されます。それは1年ごとに更新するので、11月下旬から古い記者証を外務省にもっていって更新してもらいます。この更新が完了して新しい記者証をもらって、初めてジャーナリストビザも1年更新できます。つまり記者証が更新できないと、ビザも更新できないわけです。このまま、記者証の更新が引き延ばされて12月内に手続きができなければ、私はビザ切れ、日本に帰国しなければならない、ということです。もしそうなれば、事実上の国外退去処分ってことですかい?

■外務省新聞司(外国人記者に対応する部署)に理由をきいても「技術的理由」「更新する人が多いから」「待て」としか教えてくれません。産経新聞中国総局には5人の日本人記者がいるのですが、私以外の4人は、3日間で記者証が更新できています。なぜ私だけ?とさらに担当者にきくと、「理由はあなた自分でしっているでしょ」とか言われてしまいました。

■しかし、正直にいって、心当たりがありません。軍事機密にふれた覚えはないし、違法な手段で情報を取得した覚えもないし、人身売買や麻薬など犯罪に荷担した覚えもありません(取材したことはありますが)。ええ、最近は赤信号だってしっかり守っています。外国人記者は刑務所から出てきたばかりの政治犯との接触も違法にあたるそうですが、そういう経験もありません。いわゆる「敵視報道」もしていないと思いますよ。もちろん、批判的な報道はあるでしょうけど、批判っていうのは「愛」のひとつの形であり、よりよい明日の中国を願っているからこその批判ですから、敵視じゃないですよ。

■あと台湾独立支持の報道は、「反国家分裂法」に抵触する可能性がありますが、私は台湾独立支持を表明した記事を書いたこともない。むしろ、中国の民主化の契機は台湾が大きな役割をはたすかも、と思っています。共産党と国民党(あるいは民進党)の二大政党が選挙で執政党を決める民主的な政治システムができれば、台湾だって統一をよろこぶんじゃないですか。ただしそうなったら、執政党は国民党になる可能性小さくないと思いますけどね。

■事情通によると、外務省内部では「福島記者は意図的に中国を貶める報道をしている」とか言われているそうです。ある人には「ブログ本」の反響が予想外に大きかったのが問題らしい?といわれました。まったく『危ない中国』なんて挑戦的なタイトルつけるから…。でもタイトルをつけたのは私ではなく、産経新聞出版社です。(私は、『点撃中国』がいい、と主張したのですが、それではインパクトがない、売れない、と出版社側が主張し私が折れたのです)。ブログの内容は、ほとんど中国メディアの既報をベースにしたものですから、中国を貶める、といった性質のものではないと思うんですが。日本人読者に、中国が今直面する問題点を客観的に提起する内容となっていませんか?

■ただ、ふとった人に、「君は不摂生でふとっていると思う。もうちょっとやせないと、糖尿病になり、ひどい場合足が壊疽になって立てなくなっちゃうよ」と愛あるアドバイスをしてあげても、「デブと呼ばれ、侮辱された」と怒る人もいるわけですから、表現というのは確かに難しい。気にさわることもあったかもしれません。でも、それなら、反論とか訂正を産経新聞に掲載するように要求するとかすればいいんです。すくなくとも、私のブログでなら、反論はきちんと翻訳して全文掲載しますし、訂正すべき間違いは訂正したいと思います。

■ところで、産経新聞本社のえらい人に、「記者証更新してもらえないんです、このままだと国外退去になってしまいます」と訴えると、なんか目を輝かせて「おお、そうなったら正月元旦の1面トップだな。見出しは『本紙女性記者 事実上の国外退去』『北京五輪イヤー、不安な幕開け』できまりだな。五輪直前だし、これはAP、ロイターもキャリーするぞ?」と、すごくうれしそうでした。産経新聞としては今年、文革報道の柴田穂記者の国外退去から40周年なので、「本当に福島が追放になったら、編集局総力をあげて大キャンペーン」だそうです。新聞社の人間の思考回路は理解していたつもりですが、記者として現場を追われるどうかという、不安にさいなまれている病み上がりの福島には、その喜びようは、いたく堪えました。ええ、正直、中国外務省の嫌がらせより堪えます(涙)。

■確かに、日本人記者の五輪直前の国外退去、それも法令違反ではない記事や本の内容が問題(公式の理由は聞いてませんが)となったとすると、そりゃ大ニュースでしょうよ。日本の外務省が抗議のひとつもしてくれたり、日中記者交換協定(中国の日本人記者枠と日本の中国人記者枠は同じ数という原則)をたてに新華社特派員の1人減措置とかなってしまうと(ありえないか?)、国際問題化してしまう可能性も。(続く)

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