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末期的社会におちた中国を活写 宮崎正弘
何清漣『中国の闇 マフィア化する政治』(扶桑社)。何清漣女史といえば、デビュー作『中国現代化の落とし穴』(邦訳は草思社)は、その目を覆うばかりの中国共産党の腐敗と、金銭的モラル的な堕落、あまりに凄まじい非資本主義的システムの内容に世界の知識人に衝撃をあたえ、日本でもベストセラー入りした。

第二作の『中国の嘘』(扶桑社)も真っ正面から中国の暗部にメスをいれた力作でチャイナ・ウォッチャーのあいだに波紋を投げた。彼女は事実上、米国に亡命した。

本書は何清漣女史の第三作目。もともとは「中国人権」の委託研究によるレポートを基礎にしており、多くが『当代中国』に連載された。実に面白い。同時に深刻である。株価沸騰の狂乱の、すぐ裏に潜む奈落への道。

これまでありきたりな中国論を展開してきた日本人中国学者などは卒倒する中身。中国経済礼賛のエコノミストは椅子から転がりおち、中国利権をあさる政治家にとっては覚醒剤から目をさます機会となるだろう。

何女史曰く。中国において「黒社会と地方政府の役人の癒着と結託が(80年代から90年代にかけて)進むにともない、中国の政治は黒社会化の傾向をいちだんと強めている。

この傾向は地方末端の行政においてとりわけ顕著である。地方の多くの地域では、政府の役人に庇護された黒社会が政府機能の一部を代行するだけでなく、当地の重要な経済活動を独占している。その権勢の大きさゆえに、地元の人々は黒社会を『第二の政府』と呼んでいる」
 
山西から内蒙古省にかけての炭坑の無軌道な経営と事故の補償誤魔化し、抗議行動の弾圧。人さらい。奴隷工場など、どれをとっても、地方政府とマフィアの癒着がなければ興り得ない。大規模な密輸事件も行政のトップと軍、警察がからむほどの規模となって福建省を揺るがしたが、マフィアの浸透は、中国の経済発展と同時並行で信仰する癌症状と似ている。

そう書いている裡に11月18日付け読売新聞は日本企業が江蘇省昆山で合弁先のパートナーに資産を食われ、敷地の名義を書き換えられ、訴えると地元共産党も梃子でも動かずに、その詐欺師を庇っているという信じられない記事が流されている。

▼マフィアと開発業者と共産党幹部が地下で繋がっている。
何清漣女史は続ける。「近年、多くの地方政府が農地を奪われた農民や立ち退きを強制された都市住民の抵抗に対処するため、意図的に黒社会の面々を手先に使うことが増えており、民衆を絶望の淵に追いやっている。一部の地方政府は黒社会と完全に結合し、民衆の抵抗を暴力的に制圧している」

北京朝陽区の住宅街に真夜中に襲ってきた暴徒、ブルドーザが午前三時に出動し、居住家屋を壊して去った。地元マフィアと組んだデベロッパーの仕業だが、その背後には北京五輪開発に狂奔する地区共産党幹部の影もちらつく。

奥地では、とくにダム建設のため農地を奪われたことに抗議する農民暴動が、つぎつぎと権力側の弾圧によって破砕され、地下にもぐる指導者。いったい、この国に「正義」はあるのか?

評者(宮崎)が兼ねて指摘してきたように、中国は「大盗賊・石川五右衛門と火つけ改め・長谷川平蔵は同一人物」なのである。

一方、十一月初旬に台湾最大の黒社会「竹連幇」のボスが死んだが、葬儀には数万の参会者、葬儀委員長がなんと台湾国会議長の王金平がつとめ、日本の住吉、香港のやくざ、中国大陸からは「新義安」や「14k」からも代表らが駆けつけた。マフィアの国際的な地下ネットワークが繋がっている事実を見せつけた。

マフィアの国際化も顕著となって、従来の麻薬、売春、武器密輸の三大産業から、最近は「企業」を経営して表向きビジネスマンを装うのが中国の黒社会の特徴であり、誘拐、拉致の請負、ライバル企業などの恐喝に始まり、「密航の組織、人身売買、武器タバコ、乗用車、麻薬の密輸、開場での強奪殺人などの犯罪活動」を展開していると本書は指摘している。

だからエリートは中国にいるのがイヤなのだ。なぜ、あれほど激しく非難してやまない日本とアメリカに、かれらは出たがるのか。中国から逃げ出して、永住したがるのか。

「中国のエリートが自分の子女や家族の未来を考えてあれこれ手配をしている姿は、彼らが中国の未来に何を感じているかを物語っている」

権力とマフィアがぐるになって、腐臭を放つくにに、まだぺこぺこと頭をさげて貢ぎ物をしている日本政府や企業は、冷静にものごとを見つめる力さえ失っているようである。(「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」より)
| 宮崎正弘 | 10:07 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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