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小沢的なものと小泉的なもの 古沢襄
将来起こりうる政界再編成について私は次のように描いている。一方は小沢一郎的な政策理念であり、もう一方は小泉純一郎的な政策理念だと思う。あえて”的”をつけたのは、政界再編成にもう少し時間がかかるとみているからである。誰がそれを担うのか、先のことは分からないが、この二人の考え方は、あらゆる面で対照的である。

大連立話が流れた時に、いよいよ自分の出番がきたと秘かにほくそ笑んだのは小泉元首相だったのではないか。この時に民主党内では小沢氏が新党を結成するのではないかという噂が広がった。小沢氏が参院議員十四人を引き連れて新党をつくり、自民党との小連立を模索するという風評も流れた。

小泉氏は小沢氏とは政策理念が違う。小連立の方向性がみえれば、あえて自ら新党を旗揚げしてでも残った民主党の全部とはいかないまでも政策理念の近いグループとの中連立を模索したに違いない。

だが小沢氏は朝日新聞との単独インタービューで「小沢氏が参院議員を連れて離党するという話が出回った」と質問したのに対して、次のように一笑にふした。

「ばかじゃないか。そういうばかげたことを言う人が党内の一部にいるから、いやになった。民主党で政権をとるためにどうしたらいいかだけを一生懸命考えているのに、そんなことをする気なら最初から自民党をでないよ・・・」

小沢氏の念頭には離党・新党の考えがなかったことになる。小泉氏はもう一度、寝たふりをせねばなるまい。しかし、自民、民主両党には小沢的な政策理念と小泉的な政策理念が混在している。新党という形をとらなくても、離合集散という過程を経て政界再編成に向かう火種は残っている。

それでは小沢的な政策理念とは何であろうか。外交政策では米国と中国との等距離を保つ国連中心主義を打ち出している。「日米関係を心配する向きがある」との質問に対して「何の心配もない。ブッシュ大統領なんて米国民に支持されていないんだから、何で気兼ねするんだ。いま米国内でもブッシュ大統領の政策は批判の的だ」と一顧だにしていない。ヒラリー大統領になったらどうするか、という点は分からないのだが・・・。

小泉的な政策理念は米国中心主義である。米国との固い同盟関係を維持することが日本の国益になると割り切っている。国連を無視しないが、限界がある国連に過大な期待を抱くことよりも、依然として超大国である米国と緊密な関係を維持することが欠かせないとしている。そのために中国と摩擦が生じても静観する姿勢である。

内政政策でも両者の違いは際立っている。

小沢氏は国民の生活重視を全面に押し出している。国民の自助努力を求めるよりも、国が積極的に国民の生活を助ける政策に重点を置いている。ある意味では大きな政府の志向型といっても良い。ヨーロッパにみられた社会民主主義政党の内政政策に近いものがある。

考えれば自民党政治が長期政権化した背景には、保守の仮面をかぶりながら、社会民主主義的な政策を積極的に取り入れてきたことがある。その意味では大きな政府だったといえる。

小泉改革は、その大きな政府が財政的に立ちいかない所から出発している。市場原理主義に立ち、小さな政府に向かうドラステイックな政策を進めてきた。これに伴う弊害がでているが、小泉氏は「改革がまだ不十分」と言っている。

小沢的なものと小泉的なものは、外交、内政両面にわったて水と油にように相容れない。しかし、これこそが二大政党の政策的な対立原点でなかろうか。これほど明確な争点はない。そのどちらを選ぶかは、まさに国民の選択肢に委ねられる。
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