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テロについての5つの誤解 平井修一
ワシントンポスト紙は9月11日、「テロについての5つの誤解」と題する論評を掲載した。掲載から6日間を経たが読者の関心は高く、アクセスランキングでトップを維持している。著者はアラン B.クルーガー・プリンストン大学教授で、「テロリストを生む社会」の著作がある。以下は抄訳である。

9/11の同時多発テロから6年たったが、多くのアメリカ人は、テロリストがなぜテロを実行するのか、あるいは実行しないのか、それについて漠然とした考えしかもっていない。このため、多くの政治家が、テロはテロリストが目的を実現するために起こすと不安を指摘するものの、いまひとつピンと来ないでいる。テロについて5つの間違った誤解があるためだ。

誤解の1. 「テロは我々の生活様式を憎む不合理な人々によって行われる場当たり的な行為だ」

もしそうなら単純だが、実際のところテロリストは、衝動的な憎悪ではなく地政学的な不平・不満・苦情が動機になっている。個々のテロリストグループの狙いはいろいろだが、彼らの戦術的なゴールはだいたい同じで、すなわち国に方針や方法を変えさせるために故意に一般人を対象に恐怖と混乱を植え付けることである。

政治的な計算がなされている。たとえば、他国を占領する国の住民は、テロリストの攻撃対象とされやすい。そのうえ、全体主義体制の国家より、裕福な民主主義国家はテロリストの攻撃対象になりやすい。一般人の圧力に影響されやすい国をテロリストは故意に攻撃することを示唆している。

テロ攻撃を「場当たり的」とみなさないもう1つの理由はこうだ。

彼らは最大の影響を与える時期、例えば重要な選挙の直前などにテロを実行するよう計画する。

たとえばイスラエルでは、(パレスチナとの共存を模索する)左翼政権のとき、(イスラエルの存在を認めることになる)和平会談を妨害するためパレスチナ過激派のテロ攻撃は選挙の前に頻発する。(パレスチナとの対決を辞さない)タカ派的な方向にイスラエルの有権者を誘導することを狙ったものだ。

(訳注:パレスチナ過激派はイスラエルの滅亡を目標にしており、和平や共存共栄はまったく考えていない。屈辱的な平和より名誉ある戦争を求めている)

テロリストは冷めた論理で、攻撃時刻まで選択するのだから決して「場当たり的」ではない。全国テロ対策センターのデータによると、テロリストは一日の報道が始まるが朝に攻撃する傾向がある。

誤解の2. 「テロリストは普通の犯罪者と少しも変わらない」

間違っている。普通の犯罪者は、おおむね貧しく無教育な傾向がある。しかし、テロリストは平均以上の家庭出身で、しばしば学歴が高い。

たとえば1980年代と1990年代初期に戦死した過激なシーア派のグループ、ヒズボラ陣営のメンバーは、彼らのレバノンの同国人より高学歴で比較的裕福だった。テロ集団に加わる人々はおおむね合法的で給料がいい仕事についており、普通の犯罪者とは違っている。

誤解の3. 「テロリストは主にメキシコ経由で米国に潜入する」

これは、出入国管理を強化し、フェンスをメキシコとの境界に建設したがっている一部の活動家と政治家の好む論だ。しかし、歴史の記録とは違っている。過去は将来を占うものではないが、テロリストはメキシコからはほとんど入ってこない。

373人のイスラム教徒テロリストについての最近のニクソンセンターの研究では、「我々はテロリストの存在をメキシコには見なかったし、メキシコから米国に潜入したテロリストもいない」と結論している。

むしろカナダにかなりの数のテロリストが潜み、米国に潜入している。1999年12月にロサンゼルス国際空港を爆破しようとしたアルジェリア人のテロリスト、アーメド・レッサムはワシントン州へカナダ国境から潜入した。

誤解の4. 「テロは主にイスラム教徒によって引き起こされる」

間違っている。テロの独占的卸もとのような宗教はない。あらゆる大きな宗教にテロリズム支持者はいる。たとえばスリランカは、主にヒンズー教徒からなる少数派タミル族のために祖国をつくるとして自爆攻撃を創始した分離主義者グループ「タミルイーラム解放の虎」と何十年も闘ってきた。

急進的なイスラムテロリストが9/11とイラク戦争のため目下の心配事ではあるが、データを見る限り、国の支配的な宗教がなんであれ、その国民がテロリズムに関与するかどうかは別物である。

結局、ティモシー・マクヴェイ(オクラホマシティ連邦政府ビル爆破事件)と、(18年もの間、全米を震憾しつづけてきた爆弾魔の)いわゆるユナボマーのような地元の札付きのワルが最も悪名高いテロリストであったことは最近の事例で判る。

それは次の意味を示している。大多数のテロ事件はローカル(地元密着型)であり、ローカルに根ざした懸念によって動機づけられ、その土地の人によって実行される。

国際的なテロさえローカル化する傾向がある。偶然彼らの国にいる外国人を対象とするテロは地元のテロリストによってしばしば実行される。その土地のテロリストによる攻撃の可能性は、外国人による9/11スタイルのテロよりはるかに大きいことを示唆している。


誤解の5. 「テロは決して成功しない」

テロが有効でなければ、将来テロは減るだろう。しかし、テロリストは時々彼らのゴールを達成する。だから他のテロリストもこの戦術をためし続けるのだ。

もちろん、テロリストの目的が何であるか判断することは必ずしも容易ではない。しかし、時には彼らのゴールはかなり明白だ。2005年3月にマドリードで実行された壊滅的な通勤列車爆破を考えてみよう。

スペインの議会選挙の3日前である。伝えられるところでは、テロを実行したイスラム過激派はスペイン政権転覆を望み、それは成功した。

ホセ・ガルシア・マタルボ(バルセロナのUniversitat Pompeu Fabraの経済学者)による新しい研究では、ある行政区の爆破前の不在投票と、爆破後の投票を比較したところ、爆破のショックがイラク戦争を支持した保守政権に終止符を打ち社会党政権を誕生させたことを示している。社会党は政権に就くや即座にイラクからスペイン軍を撤退させたのである。
| 平井修一 | 14:04 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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