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失言癖をなくすこと 古沢襄
だいぶ以前のことだが、杜父魚ブログに麻生太郎氏のこと書いたことがある。従兄の古沢昭二弁護士(故人)が「車に漫画を置いていて読んでいるんだよ」というから、変わった政治家がいるものだと思った。

それ以来、麻生氏のことは何となく気になる政治家となった。鈴木俊一氏(元環境庁長官、岩手二区)の義兄に当たる。麻生氏の千賀子夫人が鈴木善幸元首相の三女という関係にある。

鈴木俊一氏の敦子夫人は宮沢喜一元首相の従妹。夫人の父・堤平五氏(養子)が小川平吉氏(田中義一内閣の鉄道大臣)の五男という関係。吉田元首相の孫である麻生氏の閨閥は政界でも異彩を放っている。

それはプラス面もあるが、庶民感覚からいえば、むしろマイナス面が勝る。ご本人もそれを意識しているのか「首相の家庭なんて幸せなもんじゃねえ」「両親にほったらかしにされて育った」「生まれはいいが、育ちは悪い」とベランメー調で閨閥意識を否定してみせる。

ことさら庶民ぶってみせるためか数々の失言癖がなくならない。ご本人は否定するが、「野中のような部落出身者を日本の総理にはできないわなあ」という差別的発言をしたとして、野中広務氏から激しく批判されたことがある。野中氏に近い古賀誠氏らからも嫌われている。二階俊博氏との間もピッタリいっていない。麻生幹事長・二階国対委員長コンビが組めないという理由も、この辺りにあるのではないか。

やはり失言癖を自粛することが必要ではないか。それが出来れば明るい”名門幹事長”として人気が出るのではないか。

<吉田首相の孫が吉田太郎ではなく、なぜ麻生太郎なのかとよく聞かれる。私には昭和二年生まれの従兄の弁護士がいた。お互いに大酒飲みで週に二回は、築地の寿司屋で酒を酌み交わしたものである。酔うと弁護士は私のことを「ご本家様」という。私も「分家の昭二さん」とやり返した。

この弁護士、古沢昭二氏は麻生太郎氏の会社の顧問弁護士をしていた。それで麻生太郎氏のことは、酒を飲みながらいろいろと教えて貰った。当時は宏池会(旧池田派)のプリンスは加藤紘一氏。麻生太郎といわれてもピンとこない。

「加藤紘一はダメよ。麻生太郎だよ」と昭二氏は力説するのだが、酔っぱらいの顧問弁護士がいう戯言程度にしか思えなかった。政界のことは、私の方が知っているという自負もあった。だが話を聞いている中に自民党には面白いキャラクターの政治家がいるものだと思うようになった。

吉田首相の三女に和子さんという女性がいた。吉田が一番可愛がっていた娘で、秘書代わりに連れて歩いている。頑固者の吉田のことだから和子さんを手放すことはあるまい。吉田を怖れて婿になるものもいるまい、というのが当時の相場だったという。

土佐の吉田に献身的に尽くした人に麻生太賀吉という九州・筑豊石炭業界の雄がいた。父親が麻生太吉、太賀吉は二十四歳で家督を継いでいる。昭和十一年に海外事情の視察に行ったが、帰途、浅間丸で吉田と親しかった白洲次郎と親しくなった。吉田は駐英大使でロンドンにいた。

その白洲次郎が太賀吉に惚れ込んだ。麻生家でも親族が太賀吉の嫁選びに奔走していたが、第一候補に吉田和子の名があがっていた。偶然の一致ということであろう。吉田茂の妻・雪子さんは内府・牧野伸顕の娘。一方、吉田は竹内家の五男で生まれ、吉田家に養子入りしている。弁護士だけあって、こういう戸籍調べとなると古沢昭二氏の独壇場であった。

牧野伸顕は麻生太賀吉に会って「この人物なら和子にふさわしい青年」と吉田に手紙を書いている。昭和十三年に太賀吉と和子は晴れて結婚した。昭和十五年に麻生太郎が生まれている。安倍晋三の五十二歳の誕生日が話題となっているが、麻生太郎もこの九月二十日が誕生日、これはあまり知られていない。

麻生家と安倍家は遠い姻戚関係がある。吉田茂の娘婿のいとこが岸信介に当たる。また麻生太郎の夫人・千賀子さんは鈴木善幸首相の娘。華麗な閨閥といえよう。

話は戻るが、麻生太賀吉夫人となった和子さんだったが、昭和二十六年に単独講和の調印式に出発した全権団二十七人の中に麻生夫妻の名がある。太郎氏と次郎氏の母親でったが、父・吉田茂の秘書役という二足の草鞋を履いていた。出発の前夜、家族たちと一夜を過ごした吉田茂は小学生になっていた二人の孫に「アメリカから帰ったら、君たちのママは返してあげるからね」と言ったという。>
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