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ロシア海軍の「白日夢」 宮崎正弘
ロシア海軍司令官はウラジミール・マソリン提督。プーチンの指名で2005年に就任し、まもなく60歳。引退と思われた。

マソリン提督は定年を五年延長され、しかも「冷戦時代のソ連海軍」に匹敵するほどの海軍力再建に乗り出す、と宣言した。

記者会見はロシア海軍記念の港セバストポリで行われ、「ロシアは空母を六隻、新造する」。

この爆弾発言は、さらに続き、「六隻は大西洋と太平洋に等分に配分される。また既存の黒海艦隊、バルト艦隊、北方艦隊を整合させ、地中海にも進出しなおす」(現在ロシア海軍はシリアに基地を租借するのみ)。

これは白日夢なのか?いやプーチンの大国ロシア復活路線を補完する「海軍版」なのか?
冷戦中、ソ連は五隻の空母をつくった。いずれもスクラップ廃船、鉄の塊でジャンクとして中国へ輸出、そして故障だらけ(インド)。

しかも空母のドックヤードは、当時ウクライナのニコラエフ造船所だけしかなく、CISとして独立後のウクライナは、軍事的にはロシアに非協力的だ。

ロシア海軍の現状と言えば、統計上は米軍と同じ船舶艦数だが、その訓練度、質が問題であるばかりか、実は殆どが「動かない」「修理中」。

▼艦船は修理ばかり、海軍兵は訓練ばかり。
米軍関係の推定では「稼働できるのは、巡洋艦五隻、駆逐艦九隻、フリゲート艦十二隻」。(ユーラシア・ディリー、8月9日付け)。

冷戦時代のように中東、インド洋、地中海あたりで、米軍艦隊の周辺をうろついたが、あの能力さえない。

マソリン提督の「強いロシア、強い海軍」の構想は2015年からの空母建設が基礎になっている。

空母は建造技術にハイテク、コンピュータの高度化、材質の高級化も必要だが、一隻の空母に数十の艦隊をともなっての編成となり、乗組員の訓練の高度化も必要。

しかし空母を建造しようにも現在のロシアには産業のインフラが不足している。

第一にシップヤードの建設から開始する必要があり、北方に位置するセフマシェ(ここでは原子力潜水艦をつくってきた)が第一候補。

ミグ29搭載の空母「ゴルシコフ」は08年にインドに引き渡される予定だったが、機能するか、どうかは別で、しかも完成は2011年にずれ込む懼れが出ている。

天文学的軍事予算に経済が耐えきれず、ソ連って崩壊したんですよね?(「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」より)
| 宮崎正弘 | 11:23 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |







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