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慰安婦問題でのシーファー発言 古沢襄
ブッシュ米大統領の友人であるシーファー駐日米大使は慰安婦問題で「河野談話を修正したり撤回したりしてはならない」と日本側に警告を発したことがある。安倍首相の訪米の直前だった。

河野談話は当時の河野官房長官の個人的な発言ではない。亡くなった宮沢元首相が率いる内閣の公式な官房長官談話だったというのが、シーファー大使の見解であった。

折から米下院の外交委員会で日系米人のマイク・ホンダ議員が何度目かの「慰安婦問題で日本を糾弾する決議」を働きかけている。その背景は米国の中国系反日団体や韓国系反日団体だったことは、すでに明らかとなっている。

宮沢内閣が退陣する前日(平成5年8月4日)に出された河野談話だったが、その後の日本政府を縛る官房長官談話が何故、急遽出されたのか、今もって疑問が残された。何故なら、対日糾弾決議の法的な根拠は河野談話だからである。

その後の日本政府は河野談話を踏襲して、求められれば謝罪を繰り返している。今回の対日糾弾決議は謝罪からエスカレートして、「日本帝国軍隊が第二次大戦期に若い女性たちを慰安婦として強制的に性奴隷化したことに対する歴史的責任を明確な形で公式に認め、謝罪する」よう求めている。シーファー大使は、このことを承知して、日本政府に修正や撤回をしてはならないと警告したのだろうか。

駐日米大使なら「日本はすでに謝罪している」というべきであろう。マイク・ホンダ議員が主導した対日糾弾決議の背景について、ワシントンの古森義久特派員は次のように詳しく報道している。

【ワシントン=古森義久】米国下院は慰安婦問題で日本を糾弾する決議を採択したが、この決議を主導したマイク・ホンダ議員(民主党、カリフォルニア州選出)は採択直後の記者会見で、最初に在米の中国系反日団体への感謝を述べ、同団体が長年にわたり慰安婦問題に関する同議員の日本非難の活動にとって最大の推進力となってきたことを明言した。

ホンダ議員は7月30日の同会見で冒頭、「感謝」の対象として真っ先に在米中国系団体「世界抗日戦争史実維護連合会」(以下、抗日連合会)の名をあげ、次のように語った。

「1999年、この団体がアジアで起きたことの映像展示会を開き、その一つが慰安婦問題だった。そして同団体の指導と主唱が私たち議員事務所、私個人にとっての最初の(同問題への)かかわりとなった。同団体の主唱こそが私に情報と推進力を与え、カリフォルニア州議会で共同決議を採択させた」

同州議会での決議は慰安婦問題などで日本政府に謝罪や賠償を求める内容で、賠償を除いては今回の連邦議会下院での決議と同趣旨だった。州議会での決議案は抗日連合会の幹部連がホンダ議員と「ともに書き、共闘で成立させた」と明言していた。同幹部連は以後もホンダ氏が連邦議会下院選に出る際に政治献金などで全面支援し、2001年から今回まで合計4回の慰安婦決議案提出でも背後の推進力となったことを同様に地元マスコミなどに明かしてきた。

連邦議会での同決議案推進のロビー工作には韓国系の「ワシントン慰安婦連合」などという団体が表面に出ていたが、ホンダ議員は決議案採択後の会見では同団体に言及もせず、真の推進役が中国系の抗日連合会であることを期せずして明示した。また決議案の審理中もホンダ議員は中国系とのかかわりを語ることはなかった。

ホンダ議員は同会見で「中国政府から指令されてはいない」と強調した。

しかし抗日連合会は1994年にカリフォルニア州で結成され、幹部はみな中国系の米人や永住権保持者だとはいえ、2005年春には中国政府の意向を受ける形で日本の国連安保理常任理事国入りに反対する署名を4200万人分も集めたと発表したほか、02年には中国当局の協力を得て上海で第二次大戦の賠償に関する国際法会議を開くなど、中国との密接なきずなを明示してきた。

ホンダ議員の選挙区に本部を置く抗日連合会はさらに1997年には南京事件に関する欠陥書の「レイプ・オブ・南京」(アイリス・チャン著)の宣伝や販売に総力を投入したほか、昨年には「クリント・イーストウッド監督が南京大虐殺の映画を作る」というデマの発信源ともなった。

他方、今回の慰安婦決議では日本側の最近の動向に対応して米国議会が自主的に批判の動きをとり、韓国系団体が同調するという構図が提示されてきた。だがホンダ議員が中国系の抗日連合会こそ日本糾弾の真の推進役であることを初めて明らかにし、しかもその団体が中国当局の意向を反映し、恒常的に歴史問題での日本非難の構えを取ってきた実態と合わせて、いわゆる慰安婦問題での真実の構図は従来の表面上の印象とはまったく異なることが証されたといえる。(2007/08/03 08:01)
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