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どうなったの?慰安婦と六カ国協議 古沢襄
安倍首相の訪米前には大騒ぎしていた米議会の慰安婦問題・日本糾弾決議案はどこに行ってしまったのか。また明日にでも劇的な米朝和解ができるごとく言って回ったヒル米国務次官補が新聞の消息欄から姿を消して久しい。時折、韓国の新聞が間歇温泉のように短かく伝えている程度である。

こうなると日本の新聞も冷たいものだ。このところ慰安婦問題も六カ国協議の記事もトンとお目にかからない。代わって朝から晩まで年金!年金!である。あれだけ国がひっくり返るような大騒ぎをしたのだから、その後の動きをフォローしておいてほしい。

そんな中で産経新聞の古森義久ワシントン特派員が「米議会、慰安婦決議案 中国系団体も表舞台に」という記事を書いている。古森氏は慰安婦決議案については、終始、冷静な報道に徹していたが、その後のフォローもきっちりやっている。

毎年のように日本糾弾決議案を持ち歩くカリフォルニア州のマイク・ホンダ議員は、在米の韓国系反日組織の支持を得ているが、米議会で決議案を通すためには、韓国系の組織だけでは出来る筈がない。

その背後には在米の中国系反日組織が加担していると想像されていた。

ワシントンの古森義久氏は、その証拠を掴んで記事にしている。それはニューヨーク・タイムズに意見広告の形ででた。

<【ワシントン=古森義久】米国議会での慰安婦問題での日本糾弾決議案の推進でこれまで韓国系組織の背後に隠れた形だった中国系反日団体がついに表面に出てきた。同団体が自らの名を明記して米紙ニューヨーク・タイムズに日本を非難して同決議案の採択を訴える意見広告を載せた。

ニューヨーク・タイムズ5月28日付は第19面の右下半分に米国下院に出ている慰安婦決議案への支持を訴える意見広告を掲載した。同広告は同紙3月6日社説の「安倍首相は『日本軍の性的奴隷』のどこを理解できず、謝罪ができないのか」という記述を冒頭に載せ、「何十万もの女性が性的奴隷へと強制徴用された」と非難した。さらに同広告は安倍首相ら日本の指導者がその真実を無情にも否定したとして、マイク・ホンダ議員が提案して共同提案者が129人となった、日本に明白な謝罪を求める「下院決議案121」の採択を訴えた。

同広告を掲載した具体的な当事者としては「世界抗日戦争史実維護連合会」(以下、抗日連合会と略)の名がまず記され、そのウェブサイトのアドレスも大きく明記されていた。>

古森義久氏によれば「抗日連合会」はカリフォルニア州に本部をおく世界規模の華僑、中国系住民の組織。中国政府とも密接なきずなを保つとされる。これまで悪名高い書の「レイプ・オブ・南京」の宣伝や「クリント・イーストウッド監督の南京映画制作」というデマ流布のほか、南京事件、731部隊、米軍元捕虜など一連の戦争関連案件で、日本を攻撃し、謝罪や賠償を求めてきた。

同連合会は2005年春には日本の国連安保理常任理事国入りに反対する署名を全世界的に4200万人分集めたと言明し、中国各地での反日デモをあおった。さらに同連合会は日本の対日講和条約での賠償などを認めておらず、完全に反日といえる。

同連合会はホンダ議員との結びつきがとくに緊密で、ホンダ氏がカリフォルニア州議員だった1999年には南京事件などで日本糾弾決議案を同連合会の幹部たちが同氏と共同で書いたことや、ホンダ氏が連邦議会下院選挙で出た際は同幹部たちが政治献金を集中的に贈ったことが明らかにされていた。

在米の反日組織は、二重構造になっていた。このからくりを古森義久氏は次のように絵解きしてみせている。水面下にあった中国系の反日組織が表面に出てきたとなると、慰安婦決議案がまたぞろ米議会で取り上げられる可能性がある。

<米国ではこれまで慰安婦決議案推進ではもっぱら「ワシントン慰安婦連合」という韓国系組織が前面に出て、中国系の世界抗日戦争史実維護連合会は背後に隠れた形となっていた。それが新聞広告に組織名を出すという格好で表面に登場してきたのは、同決議案の上程などが意外に難航し、組織をあげての宣伝工作が必要とみなされるようになったためともみられる。>

在米の中国系と韓国系の反日組織は、明らかに政治的な動きである。日本としては降りかかる火の粉は振り払わねばならぬ。しかし慰安婦問題は「戦争と性」という世界共通の課題でもある。単に慰安婦決議案を可決したからといって済む問題ではない。日本占領時代にはGHQが日本人慰安婦を強要した歴史的事実が存在するのだから、盗人猛々しいともいえる。

不毛の日本糾弾決議案にうつつを抜かすことよりも、「戦争と性」の問題で国際会議を開いて、共通の課題について前向きの決議が行えないものだろうか。政治がからめば、お互いに罵りあうばかりで、ことは一歩も前進しない。
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