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超現実主義者のキッシンジャー 古沢襄
ヘンリー・キッシンジャーぐらい日本でもてはやされた国際政治学者はいないであろう。だが、これは日本人の片想い、キッシンジャーは大の日本嫌いドイツ嫌いなのである。面と向かってではないが、日本人を「ジャップ」と呼んで憚らない。

キッシンジャーは1923年にドイツ・ワイマール共和国で生まれた。両親はユダヤ人。ヒトラーのユダヤ人迫害から逃れて、一家は1938年にアメリカに移住している。ドイツに残った親族は、ナチス・ドイツによって殺害された。

アメリカ市民権を得たキッシンジャーは、第二次世界大戦でアメリカ軍情報部士官としてドイツと戦っている。戦後ドイツに対して厳しい警戒感を抱き、ナチス・ドイツと同盟を結んだ日本に対しても好感を持っていない。

アメリカの外交政策は、伝統的に「理想主義」と「孤立主義」が根底にあるといわれてきた。しかしキッシンジャーはバランスオブパワーに立脚した「超現実主義者」といえよう。ニクソン政権誕生後、国家安全保障担当大統領補佐官として政権中枢入りしてからは、20世紀後半のアメリカ外交をリードしてきた。

米ソ冷戦時代に中ソ対立を利用した米中国交樹立などは、キッシンジャーのバランス論から生まれている。日本嫌いは変わらないが、潜在的軍事力からすれば日本は中国を上回ると分析して日本の核武装を予測する。

バランスオブパワーというのはトランプのカード遊びに似たところがある。相手の手持ちカードを読んで、一人を味方につけて、有利なカード捌きをしようとする。アジアの舞台では日中が競い合う構図が望ましい。

日中がアメリカの意図に反して、友好関係を勝手に深めるとバランスが崩れる。だから1972年に田中首相が訪中し、日中国交正常化を図る計画を知った時には「ジャップ」と罵ったという。

日本は嫌いだが、反日ではない。中国を牽制する一枚のカードなのである。ドイツは嫌いだが、ロシアを牽制する一枚のカードとして重くみている。北朝鮮はもっと早く攻撃すべきだったが、その機を逸したのだから核施設爆撃はありえない。

北朝鮮はいずれ崩壊する。難民や逃亡者の数は増え続けるし、食料不足、エネルギー不足は深刻になる。核を持って暴走することだけを押さえればよい。だが下手な手助けをしたがる盧武鉉には不快感を隠さない。

このあたりは如何にもユダヤ人らしい発想である。だがキッシンジャーは、すでに八十五歳。二年後に米民主党の大統領が誕生すれば「理想主義」と「孤立主義」の外交路線に回帰する可能性もある。キッシンジャーの「超現実主義」のバランスオブパワー論は色褪せるのかもしれない。
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